Synthesiology
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3 巻, 2 号
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研究論文
  • -  10年早すぎた?プロジェクト -
    中島 秀之, 橋田 浩一
    2010 年 3 巻 2 号 p. 96-111
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    サイバーアシスト計画は2000年に発動し、2001年より2005年まで産総研サイバーアシスト研究センターを中心として研究開発が行われた。これは日本におけるユビキタス・コンピューティングやサービス工学の先駆けであったと同時に、世界的にも先見性を持った計画であった。おそらく、現在であれば高く評価された活動であると考える。ポイントは人間中心の情報システムを謳ったこと、実空間でのサービス提供を行ったこと等である。本稿は同センターが当時残した文書を中心にセンターの目標と活動を再構成する。また、それを受けて今後の研究方向を示す。
  • - 大規模・複雑システムの構築と運用をリードする人材の育成を目指して -
    神武 直彦, 前野 隆司, 西村 秀和, 狼 嘉彰
    2010 年 3 巻 2 号 p. 112-126
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    環境共生や安全等の社会的価値に配慮した大規模・複雑システムの構築や運用をリードする人材の育成を行うためには、学問分野を超えた文理融合型の「システムデザイン・マネジメント学」教育が必要である。そこで、技術システムのみならず社会システムを含むあらゆるシステムを教育の対象とし、システムのライフサイクルに沿ったデザイン能力、システムの実現に必要なマネジメント能力を身につけることのできる大学院教育を構築した。まず、社会・産業界や関連する国内外の教育研究機関等のステークホルダーと連携し、教育カリキュラムの整備や教員の採用、教育設備や研究拠点の整備、学生の募集、教育の実施、更には成果公表の方法を設計した。設計にあたっては、学生が身につけるべき能力と知識を六つに分類し、それらの能力と知識を身につけることのできる教育研究機関として2008年4月に大学院を開設した。現在まで約2年間大学院教育を実施し、学生の自己評価、外部評価委員による評価、論文等の学生の成果に基づいて検証した結果、構築した大学院教育の有効性を確認した。
  • - 産総研の論理・戦略的方法と工業技術院の経験・試行錯誤的方法を組み合わせた地域連携型の製品化研究 -
    高尾 泰正, 山東 睦夫
    2010 年 3 巻 2 号 p. 127-136
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    紫外線防御化粧品の製品開発の研究事例を紹介する。最近の化粧品は、UV防御・透明感・使用感の3課題を同時に解決する必要がある。しかし、最適な製法と使用感の評価法は確立していない。本研究は、産総研の戦略的地域連携とAIST認定付与ベンチャー、事前シナリオを設定しない工業技術院時代の即効的な技術指導とを組み合わせ、新製法と新評価法を具現化し、独自性の高い化粧品および粉体評価装置を製品化した。特に社会的要素(地域連携)について、Synthesiology誌の提唱するアウフヘーベン型・ブレイクスルー型・戦略的選択型の研究開発の方法論と、進化論など自然現象とのアナロジーによる人文系のアイデアとを比較検証し、方法論としての一例証を示す。
  • - 高圧マイクロエンジニアリングと超臨界流体との融合 -
    鈴木 明, 川波 肇, 川崎 慎一朗, 畑田 清隆
    2010 年 3 巻 2 号 p. 137-146
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    持続可能な発展をめざすためには、大量集中生産方式をベースに構築された産業構造・社会システムおよび技術体系を早期に変革していくことが強く望まれる。必要なものを必要な場所で必要な量、かつ多品種で生産しうる分散適量生産方式の実現に向けて高速で制御性の高いコンパクトプロセスの確立が求められており、そのコア技術としてマイクロリアクタ技術と超臨界流体利用技術の融合が注目されている。これらを実現するためには、急速熱交換や精密な温度制御等高圧マイクロエンジニアリングの基盤確立が初めに必要であり、次にそれに基づいたプロセス開発が行われる。ここでは、超臨界水条件下での有機合成を中心に、無機合成、および二酸化炭素を用いた革新的塗装技術についても議論する。
  • - 蛍光消光現象を利用した遺伝子定量技術の開発 -
    野田 尚宏
    2010 年 3 巻 2 号 p. 147-157
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    遺伝子定量技術は医療、農業、水産業、環境、食品等の幅広い分野で利用されており、社会的にも重要な技術である。筆者等は、グアニン塩基との相互作用により蛍光が消光する現象に着目し、それを利用した正確性・コストパフォーマンスに優れた新しい遺伝子定量技術を開発した。本稿では、既存の遺伝子定量技術に内在する問題を克服するために選択した要素技術とその統合・構成による新規遺伝子定量技術開発に関する研究展開を中心に、企業と取り組みつつある開発技術の実用化に関するシナリオについて論じる。
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編集委員会
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