Synthesiology
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8 巻, 3 号
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論文のポイント
研究論文
  • ー 半導体の超薄膜技術とバイオ顕微鏡の融合研究 ー
    小椋 俊彦, 西山 英利, 須賀 三雄, 佐藤 主税
    2015 年 8 巻 3 号 p. 116-126
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/04
    ジャーナル フリー
    タンパク質の組織内・細胞内での分布は高度に制御されており、刺激に応じて数秒以内にダイナミックに変化することも多い。このような分子機構が脳等の情報処理を支えており、その解明には多要素の変化を時間経過と共に解析する必要がある。そのため、迅速な試料作製と高分解能観察が可能な高スループット電子顕微鏡(電顕)が求められている。新開発の大気圧走査電顕(ASEM)は、水溶液中の試料をディッシュ底の薄膜を透して倒立走査電顕で観察する。試料は脱水なしに光学顕微鏡(光顕)並の短い手間で作製でき、分解能は薄膜近くで8 nmである。細胞や組織の分子分布、さらには電気化学反応や金属の融解・凝固も観察でき、癌や感染症の診断機器として期待される。
  • ― 交流電圧標準のトレーサビリティ体系構築の取り組み ―
    藤木 弘之, 天谷 康孝, 佐々木 仁
    2015 年 8 巻 3 号 p. 127-144
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/04
    ジャーナル フリー
    国家標準の交流電圧標準は、サーマルコンバータと呼ばれる交直変換器を用いて、直流電圧標準と交流電圧を比較測定して導かれている。しかし、サーマルコンバータを作製可能な標準機関は少なく、入手が困難であるため、国家標準の範囲拡張が難しい状況であった。また、従来のサーマルコンバータは、壊れやすく、大量の校正を行う校正事業者の校正器物として使いにくいため、国家標準機関で普及するのみであった。今回、作製方法の簡易化と従来の性能を改善する目的で、新型のサーマルコンバータの開発を行った。新型サーマルコンバータは窒化アルミ基板を採用することで、耐久性が向上し、産業現場に近い校正室でも校正器物として使用可能となった。
  • ― 光を用いたものづくり手法の確立と社会への貢献を目指して ―
    新納 弘之
    2015 年 8 巻 3 号 p. 145-157
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/04
    ジャーナル フリー
    レーザーを用いた材料プロセッシング技術は、高い加工精度を要求される産業分野で着実に応用の幅を広げている。ニーズ側からの高速化、微細化、高品位化等の加工要求は年々増大しており、レーザー加工への期待は大きい。レーザー加工機システムのハード面が進歩し、光照射による励起状態に続く多様な過程の現象理解が進むことで、局所場における高速・高品位な表面加工が実施できる状況が整いつつある。この論文では、光励起過程に基づくレーザープロセッシング技術を用いた局所場表面加工技術を主題とし、製造工程と製品のグリーン化を実現するためのシナリオならびにそれを達成する道筋、要素技術の選択と構成の考察を行った。さらに、実用化に向けた課題を整理した。
  • ― 製造業におけるエンドユーザー開発の実現 ―
    澤田 浩之, 徳永 仁史, 古川 慈之
    2015 年 8 巻 3 号 p. 158-168
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/04
    ジャーナル フリー
    短納期や多品種生産への対応、品質保証責任、トレーサビリティの確保等、製造業に対する社会的要求が高まりつつある中、業務革新を推進し、競争力の維持向上を図るためにはIT化への取り組みが不可欠であると広く認識されている。しかし、特に中小企業では、ITシステムの開発や導入、運用のための負担が企業規模に対して非常に大きく、IT化を進められないというケースが多く見られる。このような問題を解決するため、高度な専門知識を持たずとも製造業の技術者が自らITシステムを構築・運用できるツールMZ Platformを開発した。その研究開発アプローチ、成果普及活動について述べるとともに、有効性について考察する。
編集委員会
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