Synthesiology English edition
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11 巻, 3 号
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論文のポイント
研究論文
  • —ここまできたメソポーラス材料の組成の設計と制御—
    木村 辰雄
    2019 年 11 巻 3 号 p. 111-123
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー
    両親媒性有機分子はその濃厚溶液中で液晶構造を形成することがある。この論文では、その液晶構造を転写したナノ構造を有する一連の多孔質材料「規則性メソポーラス材料」に着目した研究に関して、その組成設計がどこまで実現できるようになっているかを紹介する。最初の報告例であるシリカ系材料に加え、最近では、多様な無機組成からも合成できると考えられている。この研究では、より難易度が高いハイブリッド型の非シリカ系メソポーラス材料の合成に挑戦してきた。規則性メソポーラス材料の合成に利用されたことのない化学原料の選定並びに新しい合成ルートの提案に始まり、最近では化学原料の反応性制御や機能設計まで実現できるようになっている。
  • —「溶融スラグ」の高比表面積シリカへの変換とシリカを原料とするケイ素化学産業基幹原料の製造—
    深谷 訓久, 片岡 祥, 崔 準哲
    2019 年 11 巻 3 号 p. 124-132
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー
    都市ごみ清掃工場から排出される溶融スラグを原料として、高い比表面積を持つシリカを製造する技術を開発した。この方法で得られるシリカは市販の合成シリカに匹敵する純度や比表面積を持ち、吸着剤やゴムの添加剤、コーティング剤等さまざまな用途への展開が期待できる。この研究成果は、これまでコンクリートやアスファルトの骨材としての利用に限定されていた溶融スラグを、新たに機能性材料として社会に循環させることを可能にするものである。この研究をスタートするきっかけとなった「シリカを原料とする機能性化学品の直接合成技術」の概略と研究シナリオおよび今後の展望について報告する。
  • 岡田 三郎, 中村 修, 江崎 泰史
    2019 年 11 巻 3 号 p. 133-145
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー
    自動車等の工業製品製造においては、部品の全数外観検査が必須となっており、中でも目視検査で見落としやすい光沢面や鏡面の微細な傷欠陥の自動検査技術の確立が求められている。この論文では、高品位の加工が施された大小さまざまな径の穴内壁面の傷欠陥検査の自動化と高精度化を実現するため、産総研の半導体レーザによる光回折を応用した技術シーズを活用して革新的な傷検査装置を開発し、“穴ライザー”として製品化した経緯、意義、今後の展開について報告する。
論説
  • —開発型の標準化における技術的実績と標準化活動における行動様式—
    檜原 弘樹, 能町 正治, 高橋 忠幸
    2019 年 11 巻 3 号 p. 146-157
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/03
    ジャーナル フリー
    我が国における宇宙機用標準規格の導入プロセスは、複数の既存規格をトレードオフし、要求を満たし、持続性が見込める方式を選定することが一般的であった。これに対し、X線天文衛星「ASTRO-H(ひとみ)」に採用したネットワークの国際標準規格スペースワイヤ(SpaceWire)には我が国の科学衛星が培ってきた独自規格を取り込むことに成功した。この提案プロセスを振り返り、開発型の国際標準規格について、我が国の提案を反映し得る再現可能な手法を考察した。
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