Synthesiology English edition
Online ISSN : 1883-2318
Print ISSN : 1883-0978
ISSN-L : 1883-0978
4 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
研究論文
  • - ライフサイエンスに用いる化学試薬の製品化 -
    小松 康雄, 小島 直
    2011 年 4 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    遺伝子解析は、複数の要素技術が統合されて構築されている。多くの要素技術の中で、筆者らは化学試薬に着目し、その機能を高度化することで遺伝子解析技術全般の精度を向上させることを目指した。本稿では、遺伝子解析用試薬の開発に関する着想から製品化に至るまでの展開を述べた後、そのプロセスに関して考察する。
  • - 高スループットとファイン化の両立を目指した配線技術 -
    遠藤 聡人, 明渡 純
    2011 年 4 巻 1 号 p. 9-18
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    次世代のエレクトロニクスデバイス製造技術において、多品種、小ロット生産および低コストかつ大面積化に対応できるフレキシブルな製造技術が求められている。この研究では、配線工程における高スループット化とファイン化を目指して、レーザー援用インクジェット技術を開発した。配線の微細化を実現するに当たり、外部からレーザーを照射して液滴を乾燥させ、基板上でのインクの濡れ広がりを抑制するという新たな着想に基づいて、これまでは困難であった高スループット化とファイン化を同時に実現し、配線幅10 μm以下でアスペクト比1以上の微細配線描画に成功した。この論文では、レーザー援用インクジェット技術開発に至る、ニーズに基づく技術開発課題設定、それを克服するための過程等、研究開発の流れと展開について報告する。
  • - 創造的営みとしての研究プログラム評価にむけて -
    小林 直人, 中村 修, 大井 健太
    2011 年 4 巻 1 号 p. 19-34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    この論文では研究戦略の形成とそれに基づく構成的な研究評価について考察した。特に研究遂行にあたっては、戦略形成の一環として研究プログラムの目標とそれを達成するためのシナリオの設定が大切であることを強調し、その研究戦略に沿った研究評価を行うことの重要性を指摘した。また研究評価にあたっては、研究の進展(progress)、深さ(depth)、位相(phase)の3側面から評価を行うとともに、それらを研究戦略と対比しつつ演繹・帰納・仮説形成(アブダクション)用語1による推論を組みあわせて構成することの重要性や、最終的に総合的な評価を形成する際にも構成的な評価法が重要なことを述べた。さらに産総研における研究ユニット評価および長崎県における公的研究機関の研究プログラム形成と評価の実情を紹介して、構成的な評価法との対比を試みた。構成的な評価法は、研究の価値を引き出し、次の進化に向けるために必要な創造的営みの一つとして捉えることができる。
  • —大規模データベースの運用の継続と成功の秘訣—
    齋藤 剛, 衣笠 晋一
    2011 年 4 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    産業技術総合研究所の有機化合物スペクトルデータベース(SDBS)は1982年に開発を開始し、以来30年間変わらない部分と大きな変化を遂げた部分を混在させつつ高度化されてきた。標準スペクトルとして信頼性の高いものを収録すること、1種類の化合物に複数種類のスペクトルを収録することの二つの基本コンセプトと、汎用化合物を対象とする点は、開発当初から現在まで変わらず引き継がれている。一方、データベースを収集するプラットフォームと公開形式は大きく変わった。データのウェブ公開に伴ってユーザーからの声を取り上げ、各種の依頼や指摘に対応するようになったことも、大きく変わった点である。長期間にわたって開発と公開サービスを継続し、現在ウェブを通して多くの研究者、技術者、教育者、学生らによって利用されるにいたった。データベースの全体構想から、構造の設定、データの収集方法、データの公開方法等主要なプロセスを統合的、構成的に記述する。
  • —革新的セラミックス集積化プロセスを活用するコンパクトSOFC—
    藤代 芳伸, 鈴木 俊男, 山口 十志明, 濱本 孝一, 淡野 正信
    2011 年 4 巻 1 号 p. 45-55
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    コンパクトで急速な起動と停止が可能な、高出力かつ高効率の発電モジュール製品の実現が望まれている。新規エネルギー製造産業市場での新たなアウトカム創出を目指して、セラミックス集積化製造技術のプラットフォームを活用し、独創的アイデアから試作および評価へ連続的に直結する開発を行なった。その結果、世界的にも新しいコンセプトに基づく独創的なコンパクトで高出力な低温作動型集積SOFCモジュールをセラミックスの機能から構造融合技術の高度化により実現しており、独創的な技術として関心を集めている。この論文では、下記の構成で、産業ニーズとその製品化に向けた課題を克服するための産学官連携研究でのアプローチや手法等を示す。
座談会
報告
  • オープンイノベーションハブに向けた技術統合の方法論
    2011 年 4 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/12
    ジャーナル フリー
    2010年10月に産業技術総合研究所が主催する「産総研オープンラボ」の講演会の一つとしてシンセシオロジーワークショップを開催しましたので、その概要を報告いたします。このワークショップでは、シンセシオロジー誌にこれまで掲載された学術論文を題材として構成的研究の類型化を試みるとともに、イノベーション推進の方法論について構成的研究開発を自ら推し進め、多くの実績を挙げてきた産業界の研究者とともに議論しました。
編集委員会
feedback
Top