Synthesiology English edition
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5 巻, 1 号
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研究論文
  • - プロセス中心から情報中心のプロジェクトマネジメントへの変革に向けた基礎理論の提案 -
    榮谷 昭宏, 狼 嘉彰, 神武 直彦
    2012 年 5 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/03
    ジャーナル フリー
    ソフトウエア開発プロジェクトにおいて、設計に関する情報は予算や品質を左右する重要なものである。そこで、この研究ではプロセス中心のプロジェクトマネジメント技術では見え難い情報に着目し、情報がプロジェクト内でどのように移転していくのかトレースを可能とするモデルを構築した。そのモデルにより、トレースの複雑性を定量化するトレーサビリティ・マトリックス手法を構築した。そして、ソフトウエア開発プロジェクトにそのモデルと手法を適用することで高品質な情報中心のプロジェクトマネジメントを実現する手法を示した。
  • - 製品につながる医工連携とは -
    山根 隆志, 丸山 修, 西田 正浩, 小阪 亮
    2012 年 5 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/03
    ジャーナル フリー
    長期埋め込み人工心臓の前に4週間以内のつなぎに使用できる、補助循環遠心ポンプを製品化することに成功した。独自の軸受として採用した1点支持型のモノピボット軸受は、世界に先駆けて提唱した機構である。医工連携として大学医学部と意見交換をする中から、動物実験前の設計検証のために提唱した流れの可視化実験で血液適合性を定量的に評価・改良し、独自に開発した模擬血栓試験で抗血栓性を評価・改良し、最小限の動物実験数で生体適合性の評価を実施できた。技術シーズを提供して一つの製品を世に出したばかりでなく、その評価技術を他機関の製品化にも提供し、さらに医療機器ガイドライン事業にも協力して広く産業界に貢献している。
  • - 研究開発と併行した国際標準化への取り組み -
    柘植 明, 兼松 渉
    2012 年 5 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/03
    ジャーナル フリー
    マグネシウムおよびその合金中の不純物酸素を対象とする簡便かつ信頼性の高い分析手法を開発した。今回、分析対象の不純物酸素を直接分析するのではなく、不純物酸素が含まれる酸化物の部分を試料から分離した後に酸素分析を行うという「多段階昇温法」を考案した。酸化物中の酸素の分析は、金属中酸素の分析手法として広く用いられている不活性ガス融解-赤外線検出法を用いて試験装置毎の温度校正を行うことで、十分な精度での分析が可能であることを実証した。また、これらの研究開発と併行して国際標準化の準備を進めた。韓国への技術協力により日韓両国で整合性のあるデータが得られることを示し、ISO専門委員会への提案を円滑に進めることができた。
  • - 研究の成果を社会につなげるための構成学的方法論をめざして -
    小林 直人, 赤松 幹之, 岡路 正博, 富樫 茂子, 原田 晃, 湯元 昇
    2012 年 5 巻 1 号 p. 37-55
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/03
    ジャーナル フリー
    2008年に創刊された学術雑誌Synthesiology(構成学)に掲載された70編の研究論文を対象にして、構成の方法論を分析した。その結果、研究分野ごとに構成方法に特色があり、バイオテクノロジー分野やナノテクノロジー・材料・製造分野ではブレークスルー型の構成に特徴があり、標準・計測分野で戦略的選択型が多いことが判明した。また、全体としては共通の構成方法として、本格研究においては「技術的な構成」と呼ぶべきものの方法論が重要であり、その研究成果を社会に導入させて行くためには、さらに「社会導入に向けた構成」と呼ぶべきものも連続して起こすことが特徴の一つであることが明らかになった。その際、前者においても後者においてもフィードバック・プロセスが見られるが、後者においては社会的試用によりフィードバック・プロセスを何回も回していくスパイラル・アップとも呼ぶべきダイナミックな構成方法が観察された。
  • - 固体高分子形燃料電池の劣化加速試験法のための劣化要因解明 -
    谷本 一美, 安田 和明, 城間 純, 秋田 知樹, 小林 哲彦
    2012 年 5 巻 1 号 p. 56-64
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/03
    ジャーナル フリー
    クリーンで小型でも高効率発電が可能な固体高分子形燃料電池を利用し、電気と熱を供給できるコージェネレーションシステムは、家庭内での大幅な省エネルギー化が可能で、その市場化が期待されてきた。市場化には燃料電池の40,000時間の耐久性が目標であった。この実現のため燃料電池の耐久性の技術見通しを立て市場化を目指して、燃料電池メーカー、エネルギー供給会社、大学、産総研がコンソーシアムを形成し、劣化加速手法の確立に取組んだ。産総研は仮説であった劣化機構を実験的に確認することを通して、開発した劣化加速手法の合理性を示した。これにより、開発された劣化加速手法を実際の燃料電池の耐久試験へ適用して実用的耐久性を見通すことができ、家庭用燃料電池コージェネレーションの市場化へ繋がった。
報告
編集委員会
編集後記
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