Synthesiology English edition
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6 巻, 4 号
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研究論文
  • - 高品質細胞製品を調製するロボットシステム -
    脇谷 滋之, 田原 秀晃, 中嶋 勝己, 蓮沼 仁志, 下平 滋隆, 小野寺 雅史, 植村 寿公
    2013 年 6 巻 4 号 p. 189-199
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    再生・細胞医療技術を生かした基礎研究と臨床応用の間の橋渡し研究の大きな障壁の一つとなっている臨床用細胞調製を飛躍的に容易にすることを目標として研究を行った。川崎重工業が信州大学、産総研に設置し、すでに具体的評価を開始している世界初の細胞培養ロボットシステム(MDX)の技術を基に、建設や運営の困難な専用の細胞調製施設(Cell Processing Center:CPC)を設置せずとも高品質の細胞試薬を調製できる実用的な培養システム(Robotized . Cell Processing eXpert system;R-CPX)を開発した。この開発を通じた多様な細胞医療の迅速な実現と世界標準品質の確立を目指した。
  • - R-1234yfに対するリスクトレードオフ評価 -
    梶原 秀夫
    2013 年 6 巻 4 号 p. 200-211
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    現行の空調機器の冷媒は地球温暖化係数(GWP)が高いため、R-1234yfをはじめとした、よりGWPの低い物質が次世代冷媒候補として検討されている。しかし低GWP物質は相対的に化学反応性が高く、燃焼性、有害性、分解物生成、省エネ性能低下によるCO2排出量増加の側面ではリスクを高める可能性、すなわちリスクトレードオフの可能性がある。この研究では(1)環境特性、(2)燃焼特性、(3)有害性、(4)温室効果ガス排出量、(5)実装可能性の5項目から構成されるリスクトレードオフ評価の枠組みを提示し、絞り込み過程を明示しながら次世代低GWP冷媒物質の選定を行った。リスクトレードオフを考慮した意思決定において、複数の評価項目の組み合わせ方と評価基準を明示することが重要であることを示した。これにより、意思決定に必要なデータの迅速な把握と、社会情勢に柔軟に対応した意思決定が可能となった。
  • - リレーショナル化学災害データベース(RISCAD)と事故分析手法PFA -
    和田 有司
    2013 年 6 巻 4 号 p. 212-221
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    産業技術総合研究所では、化学物質が関連する火災、爆発、漏洩などによる事故事例を集めた「リレーショナル化学災害データベース(RISCAD:Relational Information System for Chemical Accidents Database)」を開発し、運用している。この論文では、RISCADの概要とその開発経緯を紹介する。また、複雑な事故を容易に理解するために、RISCADの一部の事故事例には、事故を時系列で整理し、原因を分析した「事故進展フロー図」を収録している、この「事故進展フロー図」を作成するために開発され、組織の安全意識の向上に有効な「事故分析手法PFA」(PFA:Progress Flow Analysis)の実施手順と企業の産業保安への活用手法について検討した結果を報告する。
  • - キャパシタデバイスの高性能化を目指した電極材料の開発戦略 -
    羽鳥 浩章, 棚池 修, 曽根田 靖, 児玉 昌也
    2013 年 6 巻 4 号 p. 222-231
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    省エネルギーかつ利便性の高いシステムを構築するため、蓄電デバイスには、電気をたくさん貯めるだけでなく、電気の出し入れを高速で行うことも求められるようになってきた。高速充放電型蓄電デバイスの研究開発は、ナノテク材料製造技術とエネルギーデバイス製造技術という対象スケールの大きさがかなり異なる分野の融合領域であり、また、実用デバイス製造では要素技術の選択と融合が鍵となることから、構成学的にも興味深い研究開発分野と言える。この論文では、高性能キャパシタデバイス開発を目的に産学官連携で実施されたプロジェクトの開発経緯を実例として示しながら、材料技術シーズの探索からデバイス製造までの研究開発のアプローチや手法等を紹介する。
  • - 未利用・難処理資源の開発と我が国の資源ビジョン -
    大木 達也
    2013 年 6 巻 4 号 p. 232-240
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/26
    ジャーナル フリー
    我が国ではものづくりを支える天然金属資源のほとんどを海外からの輸入に依存しており、近年、価格の急騰や輸出規制等によりその安定供給が危ぶまれる事態が続いた。都市鉱山はこのようなリスクに対応し得る有望な自国資源であるが、レアメタル等の金属集積度は必ずしも高くなく、省コストに1次濃縮できる物理選別技術の適用が欠かせない。廃製品からレアメタルを元素ごとに取り出す行為はまだ誰も経験したことがなく、新しい思想の選別技術が必要となる。本報では、物理選別の技術革新によるレアメタルリサイクルの実現から、物理選別を核に金属資源の国内循環を図る「戦略的都市鉱山」を目指した将来構想について紹介する。
座談会
編集委員会
編集後記
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