Synthesiology English edition
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9 巻, 3 号
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論文のポイント
研究論文
  • ―人工筋肉の実現を目指して―
    安積 欣志
    2016 年9 巻3 号 p. 117-124
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/04
    ジャーナル フリー
    人体に装着して用いる機器である人間親和型機器は、今後、ますます必要とされると予測されており、それに必要なソフトアクチュエータとして、我々は、イオン導電性高分子をベースとした電気駆動ソフトアクチュエータの開発を進めてきた。この論文では、その中で特にナノカーボンを電極とした、低電圧駆動高分子アクチュエータの開発の経緯、設計指針と現状の技術、および今後の展開について詳細に述べる。
  • — 高スループットプロセスを目指して —
    長谷川 雅考, 津川 和夫, 加藤 隆一, 古賀 義紀, 石原 正統, 山田 貴壽, 沖川 侑揮
    2016 年9 巻3 号 p. 124-138
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/04
    ジャーナル フリー
    グラフェンの合成技術は熱CVD法が世界の潮流となっている。グラフェンによる透明導電フィルム等の工業利用実現のためには、さらなる高スループット生産が必要である。我々はいち早くプラズマCVD法を取り入れ、グラフェンの高速・大面積成膜技術の開発に取り組んできた。この論文では透明導電フィルム利用に向けた、グラフェンの高速・大面積プラズマ成膜プロセス開発について報告し、不純物混入の解決、グラフェン核形成密度の低減による品質向上等について報告する。
  • —ナノ粒子の吸着材としての活用と実用化アプローチ—
    川本 徹, 田中 寿, 伯田 幸也, 髙橋 顕, PARAJULI Durga, 南 公隆, 保高 徹生, 内田 達也
    2016 年9 巻3 号 p. 139-154
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/04
    ジャーナル フリー
    2011年の東日本大震災に伴う、東京電力福島第一原子力発電所からの放射性物質漏えい事故に伴い、産総研では除染技術の研究開発を進めた。その課題の緊急性から、研究開発は極めて短期間に達成することが求められた。例として、プルシアンブルー(PB)ナノ粒子を利用した汚染焼却灰の除染技術を挙げ、その推進方法を紹介する。PBナノ粒子の構造制御による放射性セシウム吸着材としての最適化、材料を粒状体等製品として利用できる形にする成型、汚染灰からの放射性セシウムの抽出法等、技術全体を一貫して開発した。この全体的な開発の短期的な実現は、材料研究者、計算科学研究者、地質研究者等に加え、各企業との一体的な連携により達成できた。
  • — 粘土系ナノ粒子による省エネシステム用吸着剤の開発展開 —
    鈴木 正哉, 前田 雅喜, 犬飼 恵一
    2016 年9 巻3 号 p. 155-166
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/04
    ジャーナル フリー
    温室効果ガス削減が求められる状況の中、優れた省エネシステムに利用可能な吸着剤として、水蒸気吸着性能に優れかつ低温熱源を用いて再生が可能な無機多孔質物質ハスクレイを開発した。この論文では、粘土の研究と天然に存在するナノ物質の研究を経て、ハスクレイの合成に至った経緯、および省エネ用吸着剤として広く利用されるために必要な事項を示す。
  • — — 単層カーボンナノチューブの工業的量産技術開発 —
    畠 賢治
    2016 年9 巻3 号 p. 167-179
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/03/04
    ジャーナル フリー
    飯島澄男博士による単層カーボンナノチューブ(CNT)の発見から20年以上を経た現在も、単層CNTは既存の材料ではなし得ない電気伝導性、熱伝導性、機械的強度を実現する革新的材料として期待され、世界各国で研究開発が続けられている。しかし単層CNTは、一足先に商業化された多層CNTに比べて合成の成長効率が低く高価格になるため、未だ工業的に利用されているとはいえない状況である。産業技術総合研究所で開発された革新的な気相合成法のスーパーグロース法によって単層CNTが抱えていた複数の技術的課題が一挙に解決され、工業的応用への扉が大きく開かれた。高品質な単層CNTの合成が可能なスーパーグロース法の量産プロセス開発という、実用化を見据えて進められた技術開発について、産学連携の視点から述べる。
編集委員会
編集後記
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