セメント系材料は経済性に優れ, 汚染物質を不溶化するとともに
1)2)3)セメント水和物による強度発現によって固化強度を付与することも可能とする. しかし, 優れた不溶化機構を有しているものの, セメント由来の高いアルカリ性の影響によって, 鉛のような両性金属に対しては必要とされる溶出量を満足できないケースや, 関東ロームに代表される火山灰質粘性土に使用した場合, 粘土鉱物の水和阻害作用によりセメント中の六価クロムが溶出するケースもある
4) . そこで, これらの事項を補完する材料として, セメント系材料よりpHが低く, 六価クロムを含有しない(六価クロム含有量:定量下限値以下)新規不溶化材(商品名:デナイト
Ⓡ)を開発し, 各種元素に対する不溶化性能について検討を実施した. その結果, デナイトによる不溶化は, セメント系材料で懸念される鉛, 六価クロムおよびフッ素などの元素に対して有効であり, かつデナイトを用いた固化処理土については, 酸およびアルカリなどの外的要因に対して安定性を有していることを確認した.
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