本報告は, 日本建築学会「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」に示される特級仕様(乾燥収縮ひずみ500×10
-6以下)相当の収縮抑制コンクリートを, 実際のレディーミクストコンクリート工場で製造し, フレッシュ, 圧縮強度および長さ変化性状について評価した結果を示すものである. 収縮抑制コンクリートは, 収縮低減剤, 膨張材, 石灰石粗骨材を併用した水結合材比35.1%~55.6%を対象とし, 標準期, 夏期, 冬期に2工場で製造した. フレッシュ性状は, 3期を通して, 混和剤の添加量を調整することで目標性能を満足できた. 圧縮強度については, 広範なデータを収集することで, 強度設計に必要となるB/W-強度関係および平均気温に応じた強度の補正値を得た. 長さ変化性状は, いずれの条件においても特級の性能を満足できることを確認した. 本検討結果によって, 実用的に収縮抑制コンクリートを提供できることが確認できた.
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