日本の普通セメントは, EN規格(197-1)の強さクラス52.5のセメントに相当する高強度型のセメントである. しかし, コンクリートの施工や耐久性の面からは, 適度な粘性および材料分離抵抗性を確保するために, セメント量が適度に富配合のコンクリートとなる低強度型のセメントのほうが適していると考えられる. そこで欧州で普及している強さクラス32.5の混合セメント2種を試製し, それらを用いた生コンクリートを製造して評価を行った. さらに10年間屋外暴露した壁供試体よりコア試料を採取し, 強度, 中性化, 透水試験を実施し, セメントの反応率や空隙構造を比較した. その結果, 低強度型の強さクラス32.5の混合セメントを用いたコンクリートは, 高強度型の普通セメントや高炉B種セメントを用いた場合とコンクリートとして遜色ないことを確認した.
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