太平洋セメント研究報告
Online ISSN : 2759-6826
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2020 巻, 179 号
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表紙・裏表紙
巻頭言
総説
論文
  • 佐野 雄哉, 北澤 健資, 寺崎 淳一, 内藤 浩一
    2021 年 2020 巻 179 号 p. 31-40
    発行日: 2021/02/26
    公開日: 2025/01/23
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     本研究では, キルンの安定運転と廃プラスチックの増量を両立する条件を見出すため, 熱流体シミュレーションを用いて, 当社で開発したTaiheiyo Multi-Purpose(TMP) キルンバーナの運転条件が, 廃プラスチックのキルン内落下率やキルン内燃焼挙動に及ぼす影響について評価した. その結果, TMPバーナの直進外流, 旋回外流, 旋回内流ポートの風速または風量の増加は, 廃プラスチックの燃焼速度の増加, およびクリンカ表面への廃プラスチック落下量の減少に寄与することが確認された. また, 直進外流の風量または風速の増加が, キルン内の発熱履 歴やガス温度履歴に与える影響は小さく, 従来の運転条件と同等のキルン内燃焼挙動が得られた. 風量および風速が廃プラスチックの燃焼挙動に及ぼす影響度は, 両者でほぼ同じであるものの, 風量の増加はキルン内への大気流入量が多くなり燃費を悪化させるため, 直進外流の風 速を増加させることが最適な条件と考えられた.
  • 中口 歩香, 平野 燿子, 黒川 大亮, 内田 俊一郎
    2021 年 2020 巻 179 号 p. 41-52
    発行日: 2021/02/26
    公開日: 2025/01/23
    研究報告書・技術報告書 フリー
     普通ポルトランドセメントにおける少量混合成分の混合率増加はセメント産業の低炭素化に対する方策の一つである. 一方, 少量混合成分の増量はクリンカー比率の低下とこれに伴う廃 棄物使用量の減少に繋がるため, セメント・コンクリートの品質および廃棄物原単位を維持することが重要である. 本研究では, CO2排出量削減と廃棄物原単位維持の両立を目的とし, 少量混合成分を増加させつつアルミネート相を増量したセメントの品質および環境への影響を網羅的に検証した. 結果, 基材セメントのアルミネート相量を1~2%増加させ, 少量混合成分を10 %まで増加させることで, セメントの品質を維持しながらCO2排出量の削減と廃棄物原単位を増加できる可能性が示された.
  • 河野 克哉, 安田 瑛紀, 小亀 大佑, 中村 敦士, 城出 愛
    2021 年 2020 巻 179 号 p. 53-60
    発行日: 2021/02/26
    公開日: 2025/01/23
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     最近では, CO2排出量の抑制を推進するために, 高炉スラグ微粉末を多く含むようなコンクリートの研究が実施されるようになっている. しかしながら, 高炉スラグ微粉末を多く含んだ 鉄筋コンクリート(RC)梁のせん断耐力に関する研究は, まだ限られている. そのため, 本研究では, せん断耐荷機構を検討することを目的として, 高炉スラグ微粉末を多く含んだRC梁のせん断載荷試験を実施した. 本研究から得られた重要な結果は, 以下のとおりである. (1)同等の圧縮強度において, 高炉セメント(BSC)を用いた普通強度コンクリートの材齢28日までの収縮は, 普通ポルトランドセメント(OPC)やフライアッシュセメント(FAC)を用いた場合にくら べて増大する, (2)同等の圧縮強度において, BSCを用いた普通強度RC梁の材齢28日でのせん断耐力は, OPCやFACを用いた場合にくらべて約10%低下する.
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