90 wt.%以上の活物質を含む正極において, 電極配合がリチウムイオン電池の電気化学的特性に与える影響を評価した. 正極は, 活物質としてLiMn
0.7Fe
0.3PO
4/C造粒体, 導電助剤としてアセチレンブラック(AB), 結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を使用し, N-メチル-2-ピロリドンと混合して作製した. 反射電子像より解析した正極表面の活物質面積率は, AB量の増加に伴い減少した. 正極の導電率は, AB量の増加, 活物質量の減少に伴い増加した. 90-99 wt.%の活物質を含む正極の0.2 C における放電容量は153.1-157.3 mAh g
−1を示し, 活物質量の減少に伴い増加した. このときエネルギー密度は560.5-592.0 Wh kg
−1であった. また, 90-98 wt.%の活物質を含む正極の5/0.2 Cにおける容量維持率は79.8 -91.5 %を示し, 活物質量の減少に伴って増加した. これは, 電荷移動抵抗の低下によるものと考えられる. 90-99 wt.%の活物質比率において, AB/PVDF比=1/3, 1, 3のうち1 が最も低い電荷移動抵抗および最も高いレート特性を示した.
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