太平洋セメント研究報告
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表紙・裏表紙
巻頭言
論文
  • 渡辺 泰樹, 扇 嘉史, 細川 佳史
    2026 年2025 巻189 号 p. 3-11
    発行日: 2026/01/28
    公開日: 2026/02/05
    研究報告書・技術報告書 フリー
     セメント産業におけるCO2排出量の低減に向けて,混合材利用の拡大が注目されている.高炉スラグは有効な混合材として広く利用されてきたが,将来的な供給減少が予想される.そこで本研究では,資源量の点等で利点を有する石灰石に着目し,高炉セメントB種 (BB) の結合材構成比を基準に石灰石を10%置換した三成分 (石灰石―高炉) セメントを試製し,室内環境試験および1年間の暴露試験によりコンクリート物性を評価した.その結果,三成分混合セメントはBBと同程度の圧縮強度および耐久性を示すことが確認され,寒冷地域の実環境下においても健全な状態を維持していることが確認された.さらに,性能がBBと同等程度となる三成分混合セメントを用いたコンクリートのCO2排出量は,BB比で最大11.1%削減可能と試算され,CO2排出削減に寄与すると考えられた.
  • 安田 瑛紀, 吉田 亮介, 細川 佳史, 石田 征男
    2026 年2025 巻189 号 p. 12-22
    発行日: 2026/01/28
    公開日: 2026/02/05
    研究報告書・技術報告書 フリー
     混合材に石灰石と高炉スラグを用いた石灰石-高炉スラグセメントについて,流動性や間隙通過性能を評価した.余剰水膜理論に基づいた検討より,石灰石の添加によってセメントペースト中の粉体粒子の充填率は高くなる場合はセメントペーストのフローも大きくなり,余剰水膜厚さによる影響と考えられた.普通強度および高強度コンクリートを対象にボックス充填試験やJリングフロー試験により間隙通過性能を評価したところ,特にクリンカファクタが低い場合には石灰石の添加による改善効果が大きく,施工性への貢献が期待できる.その一方で,モルタルのレオロジー定数との比較から,モルタルの塑性粘度と間隙通過性能の関係は強度レベルによって異なる可能性が示唆された.
  • 後藤 壮, 森 寛晃, 兵頭 彦次
    2026 年2025 巻189 号 p. 23-31
    発行日: 2026/01/28
    公開日: 2026/02/05
    研究報告書・技術報告書 フリー
     セメント産業における二酸化炭素排出量の低減策として,高炉スラグ微粉末やフライアッシュ等の利用が検討されている.一方,代表的な産業副産物である高炉スラグやフライアッシュの発生量は今後減少することが予想されている.そこで本研究では,産業副産物以外の混合材の活用として,天然ゼオライトを混合材としたコンクリートの収縮ひび割れ特性について検討を行った.その結果,天然ゼオライトを混合したコンクリートの無拘束および一軸拘束下での収縮ひずみは,無混合のコンクリートと比較して初期はわずかに大きくなるが,364日時点では同程度となった.また,天然ゼオライトの混合率が高くなるにつれてひび割れ発生材齢が早くなり,ひび割れ発生時における応力強度比も小さくなった.さらにクリープ係数を解析的に同定した結果,天然ゼオライトを15%混合したコンクリートのクリープ係数は無混合のコンクリートと比較して0.7倍となった.
  • 星 健太, 久我 龍一郎, 森 寛晃, 兵頭 彦次
    2026 年2025 巻189 号 p. 32-40
    発行日: 2026/01/28
    公開日: 2026/02/05
    研究報告書・技術報告書 フリー
     本研究では,フライアッシュの物理特性がマトリクスの流動性に与える影響を評価することを目的とした検討を行った.異なる火力発電所から副産され分級条件を変更した合計14種類のフライアッシュを用いてフライアッシュセメントを試製し,これを用いたモルタルの流動性を調べた.さらに,フライアッシュの物理特性を調べ,モルタルの流動性との相関性を評価した.その結果,フライアッシュの粒子が細かいほど流動性に優れ,特に20~40μm 以下の粒子に流動性改善の効果があるものと推察された.また,流動性改善のメカニズムについて,フライアッシュセメントの充填率等の観点から検討したところ,20μm 以下のフライアッシュ粒子が多いほど,モルタルが所定の流動性を得るために必要なペースト量が少ないことがわかり,これを20μm 以下の粒子の形状特性による影響と推察した.
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