大気環境学会誌
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30 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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  • 嵯峨井 勝
    30 巻 (1995) 2 号 p. 81-93
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年, 大都市の大気環境は悪化しており, 一向に改善のきざしが見られず, ヒトの健康に及ぼす影響が危惧されている。その主な汚染物質はNO2と浮遊粒子状物質 (SPM) である。各地のNO2汚染濃度と喘息発症率との間に高い相関性を示す疫学報告はあるが, それを実験的に証明した報告はまだなく, その因果関係に疑問が残されていた。そこで, 私達は大都市部のSPMの圧倒的な比重を占めているディーゼル排気微粒子 (diesel exhaust particles, DEP) が喘息の原因物質ではないかと考え, マウスを用いて検討した。
    その結果, DEPは生体に有害なスーパーオキシド (O2-) やヒドロキシラジカル (・OH) を多量に発生し, それが肺を著しく傷害することを見いだした。これらの活性酸素はDEP中のキノン系化合物の自動酸化や異物代謝酵素系等の反応によって生じるものと推定される。また, 少量のDEPを毎週1回ずつ, 繰り返し気管内投与し続けると気管支の粘膜下組織への好酸球や好中球の浸潤を伴う慢性炎症の発症を認めた。更に, 痰の原因物質である粘液の過剰分泌やアセチルコリンに対する気道の過敏性の亢進も認めた。これらの喘息様病態は活性酸素を消去する酵素 (SOD) の前投与で非常に効果的に抑制された。
    これらのことにより, DEPはヒトにおいても喘息を誘発する原因物質である可能性が示され, その誘発には活性酸素が重要な働きをしている可能性が示唆された。また, DEPによる喘息様病態の発症は, これまでにいわれてきたIgE産生を介するI型アレルギー反応とは明らかに異なる機序で起こっていることも示唆された。今後は, 生体に有害なDEPを主とする2μm以下のSPM濃度を各地で測定し, それと各地の既存の喘息発症率データとの間の相関が検討されるなどにより, 更に詳しい因果関係の解析が進むことを期待している。
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  • 福崎 紀夫, 大泉 毅
    30 巻 (1995) 2 号 p. 94-103
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    新潟県南西部・妙高山麓の標高の異なる2地点において, 積雪を層別に採取するとともにその間の降雪も採取し主要化学成分を分析した。層別に採取された積雪中の化学成分の分布から, 積雪層内で化学成分は上層から下層へと移動しており, また, 新雪, しまり雪, ざらめ雪となるにしたがって成分濃度の低下が見られることから, 雪の変態過程にともない成分の溶出があったものと考えられる。
    両地点とも, 降雪と同一期間内に採取された積雪中の各成分濃度は, 降雪中のものよりも低く, 積雪からは化学成分の溶出があったものと考えられる。このとき, 成分間には溶出しやすさに違いが見られ, 海塩成分に関係するNa+, Mg2+およびCl-は, NH4+, Ca2+, NO3-およびSO42-よりも溶出しにくい傾向が見られた。更に, ある期間を経た同一積雪層中の含有成分量には含有量の減少が見られたことから, 各種化学成分は積雪中で上層から下層へと移動し, かつその一部は積雪層から溶出しているものと考えられた。
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  • 神馬 征峰, 内山 巌雄, 市川 勇, 荒川 はつ子, 横山 榮二
    30 巻 (1995) 2 号 p. 104-112
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    オゾン (O3) と二酸化窒素 (NO2) の複合暴露による気道反応性充進メカニズムを知るために, 本研究では, モルモットに清浄空気または0.2ppm O3と2ppm NO2を8週間連続暴露し, 第1群のモルモットについては呼吸機能とメサコリン (Mch) 静脈内投与 (静注) に対する気道反応性測定を, 第2群については, 気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中のロイコトリエン (LT) とトロンボキサンB2 (TXB2) 測定を行った。その結果, 対照群, 複合ガス暴露群, 回復群の3群間で呼吸器気流抵抗 (R), 動呼吸器コンプライアンス (Cdyn) の基準値, 静呼吸器コンプライアンスに有意差はなかった。8週間暴露終了後, 複合ガス暴露群のED200R値は, 対照群の3.24±0.16μg/kg/minから, 2.29±0.29μg/kg/minに有意に低下した (p<0.05)。また, ED50Cdyn値は, 3.67±0.46μg/kg/minから2.39±0.19μg/kg/minに有意に低下した (P<0.05)。次に, 複合ガス暴露群のBALF中のLTB4値は, 対照群の94.7±8.7pg/mlから139.5±8.8pg/mlに有意に増加した (p<0.005)。TXB2値は対照群の87.2±33.0pg/mlから, 複合ガス暴露群の161.8±47.9pg/mlに, 約2倍近く増加した。BALF中のLTC4・D4・E4は, いずれの群においても, 測定下限値以下であり, 複合ガス暴露の影響を知ることはできなかった。これらの測定値は暴露終了後4週間後にはすべて正常レベルに回復した。以上より, O3とNO2を比較的長期複合暴露した後の気道反応性亢進メカニズムには, LTB4とTXB2が関与していることが示唆された。
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  • 池田 有光, 安田 龍介, 東野 晴行, 渡辺 竜馬, 畠山 史郎, 村野 健太郎
    30 巻 (1995) 2 号 p. 113-125
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1984年以来, 9月下旬から10月上旬にかけて赤城山において霧の野外観測を行ってきた。本研究では, 1990年9月28日にかけて行った観測で得られた赤城山の霧水の汚染度と大気汚染状況をもとに, 関東平野と赤城山周辺における大気汚染物質の輸送と酸性霧の発生過程についての考察を行った。その結果, 赤城山に初秋発生する霧は, 硝酸イオンと硫酸イオンの濃度比が非常に大きいという特徴を示した。また赤城山での大気汚染は平野部地表付近の大気汚染と風系の状態と比較すると, 平野部の地表面近くの現象のみからでは赤城山の状態を十分説明することができず, 三次元的な風の立体分布による解析が不可欠であることがわかった。そこで, 変分モデルにより限られた数の風速データを使って地形の影響を考慮した三次元の風速場を推定し, これを用いて仮想粒子の追跡を行い, 東京近郊から赤城山を中心とした山岳部へ至る輸送過程の可視化を行った。その結果, 海陸風に支配される複雑な輸送パターンが得られた。また平野部の現象からは説明できなかった夕方から夜間にかけて山頂で観測されたO3等の高濃度を起こしている気塊の移動過程を示し, そのうちでもとくに高濃度になった24日夕方については, 関東平野上空で大気の停滞が起き, それに伴う汚染物質の蓄積の結果であることを明らかにすることができた。
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  • 伊豆田 猛, 高橋 秀輔, 青木 正敏, 戸塚 績
    30 巻 (1995) 2 号 p. 126-136
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    キュウリ (品種霜知らず地這いキュウリ) の生長に対するオゾンと紫外線 (UV-B) の単独および複合影響を調べた。播種後7日目から21日目までの15日間に, 合計6回, 1日当たり6時間 (9: 00-15: 00), オゾン (0.10, 0.15, 0.20ppm) と紫外線 (190mW・m-2UV-BBE) を, 人工光型チャンバー内 (気温27℃, 光量子密度300μmol・m-2・s-1) で単独および複合で暴露した。その結果, キュウリの生長は, 0.1ppmのオゾン単独暴露による影響を受けなかった、しかし, 0.15ppm以上のオゾンまたは, 紫外線の単独暴露により, 葉面積および乾物生長が低下した。さらに, 0.15ppm以上のオゾンと紫外線による生長における有意な複合影響が認められ, この複合影響による生長低下の程度は, それぞれの単独暴露の場合に比べて大きかった。
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  • 大原 利眞, 若松 伸司, 鵜野 伊津志, 安藤 保, 泉川 碩雄
    30 巻 (1995) 2 号 p. 137-148
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    最近の光化学大気汚染の発生状況を明らかにするため, 関東・関西地方の大気汚染常時監視測定局にて測定された13年間の光化学オキシダント濃度データ (時間値, 月間値) を解析した。併せて, NMHC, NOx, NMHC/NOxの濃度測定データについても解析した。得られた結果は次のとおりである。
    (1) 光化学オキシダント濃度の経年動向に関する関東・関西地方に共通した特徴は, 日最高濃度出現時刻が経年的に遅くなっていること及び主要発生源地域から遠く離れた地域 (関東地方では北関東地域や山梨県等, 関西地方では京都・奈良地域) において高濃度が出現しやすくなっている傾向にある。
    (2) NMHC/NOx比は経年的に低下傾向にあり,(1) に示した光化学オキシダント濃度の経年動向の1要因と考えられる。
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  • 中村 晃
    30 巻 (1995) 2 号 p. A25-A36
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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