大気環境学会誌
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30 巻 , 4 号
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  • 畠山 史郎
    30 巻 (1995) 4 号 p. 215-223
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気汚染対策が進んだことにより, 従来はあまり問題にされなかった低濃度の大気汚染物質への関心が高まっている。そのなかで, 特に森林被害や, SO2の酸化による酸性雨・酸性霧現象にも深く関連しているのではないかと見られる有機過酸化物の生成機構と, その大気中濃度の測定法について総説した。有機過酸化物は主に森林樹木の放出する天然炭化水素とオゾンの反応によって生成する。最近の有機過酸化物という測定では, 従来のような全有機過酸化物という測定ではなく, 個々の化学種それぞれの濃度を個別に測定する手法が主流となって来つつある。大気中の有機過酸化物としてはメチルヒドロペルオキシド (MHP) とヒドロキシメチルヒドロペルオキシド (HMHP) が主要なものである。
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  • 安達 隆史
    30 巻 (1995) 4 号 p. 224-232
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    環境アセスメント等の大気汚染濃度の推算の場合, 世界的に広く使われているPasquill/Giffordの拡散幅の線図 (いわゆるP/G線図) に対応させて, 我国では風速と日射量あるいは放射収支量の観測値を組み合わせた原子力安全研究協会 (原安協) 方式の大気安定度階級表が広く使われており, これは環境庁や原子力安全委員会の指針等にも採用されている。しかし, この大気安定度階級は大気境界層の理論や実験式のパラメータとしてそのまま適用できないので不便を感ずることがある。この場合, 既にGolderが野外観測値を用いて, 粗度, 大気安定度階級およびMonin-Obukhovの長さ (L) との平均的な関係を線図にとりまとめているので利用できそうであるが, Golderが用いた観測値がすべて外国のものであること, 更に大気安定度階級は元々のPasquillやTurnerに準拠した方式で推定されているために, 我国の原安協方式に適用可能であるかどうかを確認する必要がある。当研究ではGolderの方法とは異なり, 上記の原安協方式の大気安定度階級表を元に中緯度の草原の平均的な反射率 (25%) とボーエン比 (昼間: 0.4, 夜間: 潜熱フラックスを無視) を仮定し, 更にP/G線図の元になった拡散実験が行われた草原の粗度 (約3cm) を接地境界層の式に適用し, 図解法を併用しながらLの値を導き, 対応するGolderの線図の読み取り値と比較したところ両者は比較的良く一致した。
    従って, P/G線図の拡散幅に対応するとされる原安協方式の大気安定度階級に, 粗度が約3cmの場合のGolderのLを対応させて用いても良いと思われる
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  • 中島 孝江, 大山 正幸, 井上 正康, 橋本 正史
    30 巻 (1995) 4 号 p. 233-242
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アスベスト (クリソタイル) 粒子吸入によって起きる肺障害において, マクロファージが産生する活性酸素の果たす役割を明らかにするために実験を行った。音波ふるい器を用いてクリソタイル粒子を繊維状のものと粒状のものに分け, 各々を化学発光試薬のルシゲニンと共にマクロファージ分散液に添加し, 化学発光量を測定した。この化学発光は反応液にスーパーオキサイド消去酵素 (SOD) を添加することにより完全に抑制されたことから, マクロファージが産生するスーパーオキサイドによるものと判明した。繊維状クリソタイルと粒状クリソタイルとでは繊維状の方が化学発光量は多く, この反応に粒子形状依存性がみられた。同様の粒子をマウス気管内に投与した場合も繊維状で4日後に肺重量が約2倍に増加したのに対し, 粒状ではあまり増加しなかった。このときの肺毛細血管透過性の亢進をエバンスブルー法でみた結果, 肺重量の増加と肺毛細血管透過性の亢進は比例し, 肺重量の増加は肺毛細血管透過性の亢進により起きていることが分かった。また, この気道炎症反応 (肺水腫) はマウス静脈内にSODを投与することにより抑制された。以上の結果より, アスベスト粒子吸入によって起きる肺水腫には, マクロファージの粒子形状依存性のスーパーオキサイド産生反応が関与することが示唆された。
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  • 溝畑 朗, 伊藤 憲男, 益田 佳和
    30 巻 (1995) 4 号 p. 243-255
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    自動車トンネル内の大気浮遊粒子をアンダーセンサンプラーで3粒径範囲に分粒捕集し, 得られた試料から中性子放射化分析, イオンクロマトグラフィ, 熱分解炭素分析によって30種以上の元素, イオンおよび炭素成分の濃度を定量した。この結果にTTFA (Target transformation factor analysis) 法を適用して, 自動車トンネル内大気浮遊粒子の主な発生源とそれらの化学成分プロファイルを同時に同定した。トンネル内大気浮遊粒子の主な発生源は, 自動車排気粒子, 道路堆積物およびタイヤ・ブレーキ磨耗物であった。自動車排気粒子は7.7%の硫酸塩と多くの痕跡元素を伴った炭素の微小粒子 (<2.1μm) であった。道路堆積物の寄与は90%以上が粗大粒子 (>2.1μm) であった。タイヤ・ブレーキ磨耗物は主に炭素であったが, Zn, Mo, Sb, Baなどが著しく濃縮されていた。
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  • 森口 祐一
    30 巻 (1995) 4 号 p. 256-267
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    風速場と濃度場を差分法によって解く数値解型の自動車排出ガス拡散モデルを, 鉛直方向にのみ分布をもつ単純な風速場に適用し, 従来よく用いられてきた2種類の代表的な解析解型モデルによる計算結果との比較を行って, 濃度予測値の相互比較, 各モデルにおけるパラメータの相互関係の検討を行った。中立, 道路直交風条件における地表面濃度の距離減衰についての比較の結果, 解析解モデルの種類による結果のばらつきは, 数値解モデルにおける地表面粗度に関するパラメータと発生源の与え方を調整することにより, 表現可能な範囲のものであった。解析解型モデルの拡散パラメータが現地調査データなどに基づいて較正されたものであることを利用して, こうした比較から数値解モデルで与えるべき初期拡散効果の目安を得ることができた。一方, 解析解モデルの代表的モデルである正規型モデルは, 鉛直拡散幅σzのみを用いて濃度分布を記述しているため, 地表濃度の減衰など濃度分布の一部の特徴のみから拡散パラメータを推定した場合, 風速勾配の存在する場での濃度分布の全体像を的確に再現できていないことが裏付けられた。風速場の計算に比べて, 濃度場の差分計算は短時間で行えることから, 濃度場のみを解く数値解型モデルが, 単純な流れ場における濃度分布の全体像をより合理的に記述できるモデルとして実用になりうるものと考えられる。
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  • 村野 健太郎, 及川 紀久雄, 榎本 保典, 佐藤 和栄, 猪俣 保
    30 巻 (1995) 4 号 p. 268-275
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    酸性雨問題の広がりにより, 雨水や降下物の測定及びモニタリングは広範に行われている。現在, 国内でモニタリングに採用されている酸性雨自動測定機は0.5mm降雨毎のpH, EC (電気伝導度) を連続測定する装置であり, イオン種については, ある一定期間の降雨についてしか測定されない。雨水の酸性化機構, ガス状, 粒子状の大気汚染物質の除去機構の解明のため, あるいは連続モニタリングに有効な装置が必要である。このため, 既存の酸性雨自動測定機と高感度のイオンクロマトグラフ (IC) を結合させ, 陰イオン (Cl-, NO3-, SO42-), 陽イオン (Na+, NH4+, K+) を自動連続測定する酸性雨自動IC分析装置を製作した。性能試験により満足し得る結果を得たので, フィールド試験を行い有用性を明らかにした。
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  • 横尾 保子, 福崎 紀夫, 大泉 毅, 森山 登
    30 巻 (1995) 4 号 p. 276-283
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    新潟県長岡市における大気降下物中の溶解性セレンおよび不溶解性セレンを定量し, その季節変動や非海塩性硫黄との元素比などを考察することによりその供給源について検討した。溶解性セレンの濃度は, 0.032~0.41μg・1-1の範囲に, 年間降下量は0.22~0.43mg・m-2・yr-1の範囲にあった。不溶解性セレンの年間降下量は全セレン降下量のほぼ10%以下であった。溶解性セレンの濃度および降下量は, 非海1塩性硫黄 (nss-S) とともに夏季に低く, 冬季に高いという顕著な季節変動を示し, nss-Sに対するセレンの元素比 (Se/nss-S) も同様な季節変動を示した。長岡における夏季の溶解性セレン濃度は山岳・清浄地域における値よりもやや高く, また, Se/nss-Sは低い値を示すことから, 夏季の大気降下物は石油燃焼や生物活動等の比較的ローカルな供給源の影響を受けているものと考えられる。一方, 冬季にはSe/nss-S比は夏季よりも高い値を示し, これまで報告されている石炭中の硫黄に対するセレンの元素比 (Se/S) に近い値となることから, 東アジア地域における石炭燃焼の影響を受けているものと考えられる。
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  • 森口 祐一, 上原 清
    30 巻 (1995) 4 号 p. 284-296
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    道路構造や沿道構造が自動車排出ガス拡散に与える影響を, 風速場・濃度場の差分解法による数値解モデルおよび風洞模型によるトレーサーガス拡散実験によって解析した。平坦, 盛土, 堀割, 高架の4種類の道路構造別の比較, 沿道の建物構造別の比較のほか, 道路構造と沿道構造のより複雑な組み合わせについても計算, 実験を行った。モデルによる計算結果と風洞模型実験による結果とは一部で定量的には多少の不一致がみられたものの, さまざまな条件設定について, 道路構造や沿道構造の違いによる拡散特性の定性的な傾向はよく一致した。また, 道路構造別の拡散特性について, 他機関で従来行われた風洞実験と矛盾のない結果が得られた。
    これらの比較を通して, 汚染物質の移流・拡散の初期段階に影響する構造物, すなわち道路自身の構造, 防音壁などの付帯構造物, および道路に直接面した建物の高さや密度が, 濃度分布に特に大きな影響を与えていることが明らかにされた。道路構造と沿道構造の組み合わせにより, この影響はより複雑となり, 例えば高架構造は, 単純に平坦地で用いられた場合には, 他の道路構造に比べて地表濃度が低いのに対し, 平面道路との2層構造で道路と同程度の高さの建物に囲まれた条件で用いられた場合には, 平面道路からの拡散を妨げて沿道に高濃度をもたらす事例が見いだされた。
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  • 氷見 康二
    30 巻 (1995) 4 号 p. A37-A39
    公開日: 2011/11/08
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