大気環境学会誌
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32 巻 , 2 号
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  • 森 淳子, 宇都宮 彬, 鵜野 伊津志, 若松 伸司, 大原 利眞
    32 巻 (1997) 2 号 p. 73-89
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1990年から1992年, 九州北部の2地点 (対馬と福岡県小郡) においてエアロゾル観測を実施した。大気中での寿命が長く広域汚染の原因と考えられる硫酸粒子 (サルフェート) については両地点において一致した挙動がみられた。一方, 硝酸粒子 (ナイトレート) とアンモニア粒子は観測地点周辺の影響を受け, 内陸に位置する小郡では, 離島の観測地点である対馬に比べ両イオンの濃度が高かった。
    1991年6月と1992年2月に両地点でSO42-を中心に高濃度現象がみられた。1992年2月の観測データのイオンバランスの解析から, 対馬では酸性のNH4HSO4粒子の存在が示された。この2つのエピソードを中心に, 観測データとトラジェクトリー解析により輸送過程の解析を行った。
    1991年6月は典型的な梅雨期の気象条件であった。九州北部地域が梅雨前線の南部に位置する 場合には太平洋高気圧下で低濃度, 北部に位置する場合には高濃度となった。これは, 大陸・朝鮮 半島の大発生源から排出された汚染物質が前線の北部に滞留・変質しつつ前線付近に北西の気流に よってもたらされたことが一因と考えられた。これらの結果は, 梅雨期においても大陸起源の高濃 度の汚染物質の長距離輸送が生じることを示している。
    一方, 1992年2月に観測されたサルフェートなどの高濃度現象は, 西高東低の気圧配置下において北西季節風によって大陸からもたらされたと考えられる。低気圧は北緯25°~30°付近の日本 の南岸を次々と通過し, その後に中国大陸東岸付近に高気圧が張り出し西高東低の気圧配置が出現している。この条件下で吹き出した北西風により大陸からの高濃度汚染物質が九州北部に輸送されたと考えられ, 冬型の気象条件下での高低気圧の通過が長距離輸送の要因であることが示された。
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  • 安達 隆史
    32 巻 (1997) 2 号 p. 90-108
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    沿岸又は沖合の海上にある, 人工施設から発生する排ガスによる大気汚染の影響予測に資するため, 海上の低所源用の海上拡散モデルを複数考案し, 米国における海上拡散実験データによって検証した。海上拡散モデルの拡散式には正規型のプルーム式を採用し, 拡散幅 (σy, σz) としPasqum-Gifford-Turnerの拡散幅の線図 (PGT図) の運用方法を工夫することによって海上に適用させた。新しい試みは, 海上の粗度がPGT図の場に相当する草原の粗度よりも2桁ほど小さいことが原因で, 海上の乱流強度が上記の草原での値の約1/2であることを観測と接地層の相似則の双方から示し, その関係を拡散幅に拡張したことである。さらに, 主に粗度の違いが原因で海上の接地境界層厚さが陸上よりも薄いので, 海上のσzの距離に関する勾配が小さいはずであることも合わせて取り入れた海上拡散モデルを開発した。その結果, 次の2種の海上拡散モデルが推奨される。
    (1) 海上の大気安定度階級 (A~F) について, Golder (1972) による大気安定度階級とMonin・Obukhovの長さ (L) との関係図において, 粗度が3cmの場合の読み取り値とバルク法によるLの観測値とを組み合わせて用い, PGT図のσy, σzをそれぞれ2階級分だけ安定側にずらすが, Fの時だけは1階級ずらして使用する (A→C, B→D, C→E, D→F, E→G, F→G)。ただし, Gのσy, σzはPGT図の外挿値である [σy (G)=(2/3)・σy (F),σz (G) = (3/5)・σz (F)]。
    (2) 海上の大気安定度階級を観測しない場合は, PGT図の外挿値であるGのσy, σzを常に使用する。これは安全裕度を特別に高く設定できる場合に利用できる。
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  • 前田 泉, 山本 弘捷, 森 忠繁
    32 巻 (1997) 2 号 p. 109-115
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    地方自治体が保有する多量の大気常時監視データを用いて, 長期にわたる大気中メタン濃度の広域にわたるトレンドや地域特性を評価するため, データに含まれる誤差を検出し, その影響をできるだけ小さくする手法を検討した。
    岡山県南部に設置する15大気常時監視局で得られたメタン濃度1時間値を用いて解析した結果, 15時のメタン濃度は1日の時間変動において最低値を示し, ばらつきが非常に小さく, バックグ ラウンドに近い季節変動と濃度レベルを示すことが認められた。更に, 岡山県南部エリア内における15時の標準値として, 15測定局の平均値を用いるのが良いことがわかった。この15測定局の平均値を基準として, 個々の測定局に含まれる長期間の誤差を検出することができた。また, 1時間値から当日の15時の値を差し引いた値を用い, 長期間の誤差の影響や広域にわたる季節変動の影響を受けることなく, 発生源に関する地域特性を観測することができた。
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  • 池田 有光, 東野 晴行, 伊原 国生, 溝畑 朗
    32 巻 (1997) 2 号 p. 116-135
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    東アジア地域における年間沈着量や季節別沈着量など長期の酸性汚染物質の総降下量を把握するために, 物理・化学過程を簡潔に表現したオイラー型の3次元グリッドモデルを開発した。モデルの開発とあわせて日本列島における酸性降下物の濃度, 沈着量を推定し, 実測地との比較検討を行った。対象物としては, 既存の研究例で多く行われている硫黄酸化物に加えて窒素酸化物についての評価も行った。
    全国を5つに分けた各領域で, SO42-, NO3-の湿性沈着量の観測値と計算値比較を行ったところ, 高い相関が得られ, 湿性沈着の各領域での特徴は再現できていることがわかった。全国16地点を抜き出し, 降水中のSO42-, NO3-濃度の観測値と計算値の比較を行った結果, 極端なピーク値を除いて, 月別変動の傾向は本モデルで十分再現できることかわかった。大気中の汚染物質濃度について現況再現性の評価を行った結果, 本モデルでの計算値は実測値と比較して妥当なレベルであり, SO2, NO2, NO3-については月間変動の再現性も良好であった。
    以上から, 本モデルは, 年間や季節ごとといったような長期間にわたる沈着の傾向を十分再現出来ることがわかった。
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  • 孟 岩, 老川 進
    32 巻 (1997) 2 号 p. 136-147
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    モデル建物群内の流れ場と拡散場を調べるために風洞実験を行った。本研究のその1では建物群内外における平均速度および乱れの構造を詳細に調べた。モデル建物は, 高さ8cmの立方体を用い, その配置を千鳥状とした。また, 建物の密度を10%から40%まで変化させた。流れ方向と鉛直方向の速度成分の計測は, 乱れのレベルが高いかつ逆流に伴う流れ場を測定できるスプリットファイバープロープを用いて行った。その結果, モデル建物群内の流れ場は, 建物密度を指標として, isolated roughness flow, wakeinterference flowおよびskimming flowと呼ばれるような三つのパターンに区分されることが明らかとなった。建物密度の増大に伴い, 建物群内の流れ方向の速度が次第に小さくなり, 建物密度が40%の時にほぼ0となる。また, 建物屋根面上の流れの剥離に伴う大きな乱れの生成は, 建物密度が20%を超えると殆ど見られなくなる。
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  • 老川 進, 孟 岩
    32 巻 (1997) 2 号 p. 148-156
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    本論文は, 同名論文その1の流れ場の測定に続き, 建物密度を変化させた場合の拡散場への影響を系統的に調べた結果を述べたものである。ここでは建物密度を4種変化させ, 屋根面に排出源がある場合の拡散場を測定した。
    その結果, 屋根面の拡散性状は, 建物密度が小さな場合は屋根面で排出されたガスは排出源の上流側にも移送され上流側で高濃度となる。一方, 建物密度が増大すると屋根中央から放出されたガスは広く拡散せず直接排出源の下流側に流され下流点で高濃度を生じる。こうした屋根面上の濃度性状は, 屋根面の流れの性状に強く依存し修正したWilsonのモデル式で予測できることを示した。
    また, 建物群内における地表面の最大濃度は, 排出源建物モデルの風下にある建物モデル前面にピークが現れ, その出現位置はモデル間の距離に依存する。これは風下建物の存在により, 排出さ れたガスが風下の建物モデルの前面に衝突し, ガスがcavitynowにより地表面へ向かって輸送されることによる。この場合, 建物密度が大きな時は過小評価の傾向にあるものの, 地表面最大濃度は, Briggsの都市域の拡散パラメータを用いることによって概ね評価することができる。
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  • 森 孝司, 大河内 博, 井川 学
    32 巻 (1997) 2 号 p. 157-161
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1994年4月25日に大山においてpH 1.95の霧が観測された。この霧は非海塩起源の塩化物イオン濃度が12.8mmol/lと極めて高く, 塩化水素ガスの吸収によりpHが低下したことを示していた。非海塩起源の塩化物イオン濃度が高くpHの低い霧はこの他にも観測されたが, いずれも夕方を中心とした時間帯に限定され, また濃度は急激に増加し短時間の内に再び減少することから, 局地的な塩化水素ガスの汚染が考えられた。霧水量と霧水内濃度から霧発生前の大気中塩化水素ガス濃度は約2ppbと推測されるが, この値は都市部では普通に観測される濃度であることから, 塩酸により強酸性となる霧は都市近郊山岳部で今後も発生することが予想される。
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  • 小暮 信之, 田森 行男, 石岡 修, 井上 俊明, 谷本 高敏
    32 巻 (1997) 2 号 p. 162-173
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    固定発生源から排出されるばい煙中のガス状物質で, 大気との混合冷却によって新たに粒子化する凝縮性ダストの実態は, 現在のところ未解明であり, その測定方法も確定された手法はない。現公定法を基にして, 煙道外で採取した試料ガスを希釈空気により冷却する「空気-直接冷却法」, 試料ガスを冷却管により冷却する「水-間接冷却法」の2種類のサンプラを試作し, 実際のばい煙発生施設において, 凝縮性ダストの測定方法について検討を行った。その結果, 以下の知見を得た。
    (1) 全ダスト濃度に対する凝縮性ダスト濃度の割合は,「空気-直接冷却法」(Y) と「水-間接冷却法」(X) で, Y=0.930 X-1.623の関係となり,「空気-直接冷却法」より「水-間接冷却法」が高い傾向を示した,この原因として,「空気-直接冷却法」における2形捕集部で用いた3段目のろ紙にも凝縮性ダストが捕集され, 1, 2段目のろ紙に捕集されない凝縮ダストがあること, 他方,「水一間接冷却法」では, 大気中に排出されても粒子化されないガス状物質までも捕集した可能性があることが考えられた。
    (2) 高水分量で, かつ排ガス条件が時間的に大きく変動した焼却炉の場合,「空気-直接冷却 」 は, 排ガスの速度と同じ速度で試料採取 (等速吸引) すること, 及び希釈率を一定に保つために必要な希釈空気量の調整が困難となったほか, 2形捕集部のろ紙が湿れて測定を中断せざるを得なくなり, システム改造の必要性が認められた。また,「水-間接冷却法」に比べて測定システムが複雑で大型になり, 現場測定に適した簡便かつ実用的な方法は「水-間接冷却法」であることが示された。
    (3)「空気-直接冷却法」と「水-間接冷却法」のいずれの場合も, 試料ガスを強制的に冷却する吸引系を採用しており, 凝縮性ダストの生成は吸引した試料排ガスの冷却温度に依存するため, 冷却温度を一定に保つ温度制御システムが必要となった。
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  • 32 巻 (1997) 2 号 p. N19
    公開日: 2011/11/08
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