大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
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32 巻 , 4 号
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  • 下原 孝章, 大石 興弘, 村野 健太郎, 植田 洋匡
    32 巻 (1997) 4 号 p. 253-266
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乾いたシャーレおよび水を張ったシャーレを代理表面として用い, それらを1日, 5日, 10日間, 非降水時の環境中に曝露し, 乾性成分の沈着機構を研究した。同時に, フィルター捕集により大気中のガス状物質および粒子状物質中のイオン成分濃度を測定した。これらの調査は, 1994年および1995年の春期に80日間実施した。大気中の乾性成分濃度と, 乾き面および水面での沈着成分の再揮散および化学的変質に伴う乾性成分の沈着率との関係を, 沈着面の性質および曝露期間の差の比較から評価した。
    Na+, Cr-, Mg2+およびCa2+等の主に粗大粒子に含まれる成分では, その大気中の濃度推移と乾き面, 水面への沈着量の推移との間に比較的高い相関が認められた。特に, これら成分の乾き面, 水面への沈着量はほぼ等しく, 乾き面での沈着量の推移と水面での沈着量の推移との間の相関は非常に高かった。これらの結果から, Na+, Cl-, Mg2+およびCa2+の乾き面, 水面への沈着機構は沈着面の性質によらず同一と考えられた。
    NH4+, NO3-およびSO42-の微小粒子では, 大気中の濃度の推移と乾き面への沈着量の推移との間の相関は極めて弱かった。このうち, NH4+とNO3-は乾き面に沈着後, その一部が再揮散する現象が認められた。
    水面に沈着したNH4+, NO3-およびSO42-成分は, 主に, ガス状NH3, HNO3およびSO2の沈着影響によることが分かった。特に, 水面へはSO2が沈着しやすく, SO2からSO42-への変換によりH+が生成し, 水面を酸性化することが分かった。大気中のSO42-濃度の推移は, 乾き面よび水面へのSO42-の沈着量の推移との間の相関が共に弱かった。
    曝露期間が長くなるにつれ, 乾き面上に沈着した炭酸塩粒子は大気中のSO2との反応により, 極めて緩やかながらも硫酸塩へと変換される現象が推察された。
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  • 鵜野 伊津志, 大原 利眞, 森 淳子, 宇都宮 彬, 若松 伸司, 村野 健太郎
    32 巻 (1997) 4 号 p. 267-285
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    精密な化学反応スキームを用いた物質輸送・変質モデルを, 数千kmスケールの東アジア地域に適用した。モデルは, アイオワ大学で開発されたSTEM (Sulfur Transport Eulerian Model) を用いた。モデルには, HNO3の粒子化 (NH4NO3) の反応を含んでおり, 不均一反応によるSO42-の生成速度の感度解析を行った。
    STEMモデルを1992年2月に適用して地上のエアロゾル観測データ (対馬, 小郡, ソウル) と比較検討を行った。その結果, 高濃度のエアロゾルの発現には, 低気圧・高気圧の通過が重要な因子となっていること, SO42-濃度のモデル計算値は不均一反応速度を0.5-2.0%/hとすると観測値と時間変化を含めて非常によい一致をすること, 粒子状NO3-濃度のモデルと観測値も不均一反応速度0.5-2.0%/hの範囲で説明されること, 冬季であっても対馬にはガス状HNO3が多く存在すること等が示された。これらの結果は, 長距離輸送モデルへの不均一反応の重要性を示し, NH3発生量のより正確な把握とNO3--SO42--NH3の気液固相を含む精密な化学モデルを導入する必要性が示された。
    また, モデル計算で得られたSO2とSO42-の乾性沈着量の検討を行った。
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  • 矢野 壽人, 橋本 修左, 米村 惣太郎, 正田 誠
    32 巻 (1997) 4 号 p. 286-295
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年, ビルの地下にある排水槽から漏れる悪臭が新型の都市公害として問題になっているが, 某商業ビルの排水処理施設から発生する悪臭の実態調査を行った。また, 新規脱臭剤としてヨウ素酸添着活性炭 (D炭) を開発したので, 当施設の悪臭を対象に3種類 (A, B, C炭) の市販脱臭剤と合わせて脱臭性能の検証を行った。
    当排水処理施設から排出される悪臭は, 臭気濃度が422-31, 620の中濃度臭気であった。主要悪臭物質は硫化水素 (0.076-15.7ppm) とメチルメルカプタン (不検出-0.081ppm) であり, 硫化水素の臭気濃度に対する寄与率は約90%と非常に高かった。主要発生源は原水槽と加圧浮上槽であると推測された。臭気総排出強度は104.9-105.7Nm3/minであった。
    脱臭剤の性能検定は固定層吸着装置を用いて行ったが, 臭気濃度と硫化水素の破過時間を評価指標とした。いずれの脱臭剤も接触時間と破過時間の間に相関が認められ, 接触時間が0.50secの場合, 臭気濃度 (吸着装置入ロガス平均臭気濃度: A炭, B炭の場合は2,500, C炭, D炭の場合は5,920) による破過時間の長さは, D炭 (6,300hr)>C炭 (5,600hr)>B炭 (3,600hr)>A炭 (2,600hr), 硫化水素による破過時間の長さは, D炭 (6,000hr)>C炭 (5,800hr)>B炭 (4,500hr)>A炭 (2,800hr) の順になり, ヨウ素酸添着活性炭の有効性が認められた。
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  • 岡林 一木, 井手 靖雄, 大場 良二
    32 巻 (1997) 4 号 p. 296-308
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    既存の従来型風洞による地形上での長時間平均濃度の予測は, メアンダー効果の風洞内再現が難しく通常は困難である。そこで, 本報では従来の風洞を用いた数分から数十分平均に対応する実験結果から長時間平均の最大着地濃度を推定する方法を提案する。
    また, 提案した推定方法の信頼性を検証するために4種類の地形模型を用いて平均化時間に相応の風向変動幅σAを変化させた風洞実験を実施した。その際, 重合法風洞実験により風向変動幅σAを0°, 5°, 10°, 20° と変化させた。このうち, σA=5°, 10°, 20° において計測された最大着地濃度をそれよりも小さなσA=0°, 5°, 10°の風洞実験データを用いて推定し, 実際に計測された最大着地濃度と比較した。その結果, 推定された最大着地濃度は風洞実験で計測された最大着地濃度と良い一致が見られ, 本推定方法の有用性が確認できた。
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  • 若松 伸司
    32 巻 (1997) 4 号 p. 309-314
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    環境負荷の構造変化に伴って大気汚染の現れ方が変化している。特に関東地域においては, 都市の拡大や自動車の増加により二酸化窒素の高濃度出現地域が拡大している。これと共に光化学オキシダントや浮遊粒子状物質による大気汚染も大きな問題として残されている。地域的には関東内陸地域でのオキシダント高濃度の出現率が増加の傾向にある。このため, 関東内陸地域や山岳地域での植物被害との関連性を把握するためにも大気汚染の広域立体分布の挙動解明が急がれている。しかしこれまでの観測は主に関東平野地域が中心であり山岳地域や海上での立体的な挙動は殆ど明らかにされていない。そこで1995年8月に航空機を用いた観測を行ったところ, 高濃度の汚染空気が太平洋上に広域にわたり存在している事が明らかにされた。また伊豆半島を境とした二つの海上における大気汚染物質の挙動や, 西部山岳地域への大気汚染物質の流入プロセスを捉える事ができた。これらの観測結果は, これまでに知られていなかった新しい形態の広域大気汚染現象である。太平洋上における高濃度光化学大気汚染にはこれまでに考えられていた局地的な海陸風循環と共により広域的な大気汚染物質の循環が影響を及ぼしている事が明らかとなった。
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  • 斉藤 勝美, 平野 耕一郎, 児玉 仁
    32 巻 (1997) 4 号 p. 315-322
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    秋田県と青森県の県境に位置する白神山地の世界自然遺産登録地域内における標高約1000m地点で, 大気汚染ガス状物質と地球温暖化に影響を及ぼす温室効果ガス状物質およびフロン類の測定を実施した。
    観測期間中のSO2, NOおよびNO2濃度は, 不検出か, 検出されても定量下限値以下で, 白神山地の大気質は, 比較的広くみた周辺地域からの汚染物質の影響は認められなかった。これらの値は, これまでわが国で行われたバックグランド地域での調査結果および世界各地における大気中窒素酸化物のバックグランド濃度と比較しても低いレベルにあり, 白神山地の大気質は, 日本国内はもとより, 世界的にみても, 陸地としては清浄な地域と考えられた。ニツ森展望台のO3は, 大気の清浄な山岳地域において観測したO3濃度とほぼ一致し, 季節的な変動も同様な傾向にあった。このO3濃度の大部分は, 成層圏からの沈降とされているバックグランドオゾンであると考えられた。
    CO2以外は日変動や季節による違いはみられなかったが, CO2は日変動と季節による濃度変動があった。これらは, ブナ林を主体とした広葉樹林の光合成作用によるところが大きいと考えられた。今回, ニツ森展望台で行ったCO2, CH4, N20およびフロン類の測定は, ステンレスキャニスターで空気を採取して測定するスポット的な調査であるが, 気象庁が綾里で行っている連続観測値 (月平均値) と比較すると, いずれの物質ともやや低い値であった。また, 東京都におけるモニタリング結果と比較してみると, CO2, フロン類ともモニタリング測定値の最小値と同程度かやや低い値であった。
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