大気環境学会誌
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32 巻, 6 号
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  • 古谷 圭一, 津越 敬寿, 工藤 善之, 小沢 あゆみ
    1997 年 32 巻 6 号 p. 393-403
    発行日: 1997年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1993年7月より12月 (夏秋期) と12月より1994年5月 (冬春期) まで丹沢山塊の各峰に暴露した大谷石の表面に濃縮された酸性成分 (窒素酸化物, 硫黄酸化物) の半定量的比較を行った。表面の酸性成分の分析はレーザーマイクロプローブ質量分析法を用い, 大谷石からのHSiO3- (m/z=76) に対するフラグメントイオンの強度比を用いて比較を行ったところ, 窒素酸化物について, 夏秋期には丹沢山, 大こうげ, 冬春期には蛭ヶ岳, 檜洞丸では大山下社のそれにほぼ匹敵する量が検出された。また, 硫黄酸化物については, 大山下社のそれに比していずれも低値を示したが, 大こうげ北, モロクボ沢の頭, 小こうげ北, 檜洞丸, 蛭ヶ岳, 鍋割大丸鍋割小丸など大部分の地点での測定値が大山下社におけるそれのほぼ数十%の値であった。檜洞丸と蛭ヶ岳付近を境界としてその南北では大気質が異なる可能性が認められ, 同一峰の南北では北面の方の測定値が有意に高かった。本法は, 従来の銅板や石灰石の暴露に比して, 浸透水が濃縮され, 乾燥に伴って試片表面に酸性成分が析出するため, 土壌に対する酸性成分の影響を評価できる半定性的簡便法として利用が可能である。
  • 鵜野 伊津志, 若松 伸司, 植田 洋匡, 村野 健太郎, 酒巻 史郎, 栗田 秀實, 薩摩林 光, 寳来 俊一
    1997 年 32 巻 6 号 p. 404-424
    発行日: 1997年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    春季の移動性高気圧通過時の九州地域での二次汚染物質と火山性SO2の挙動を地上と航空機による特別観測から解析した。その結果, 高気圧性の時計回りの循環に汚染物質がトラップされ, 中国大陸から日本域を含むスケールでの長距離輸送が生じることが示された。九州地域が高気圧の後面に入ると, 桜島からのSO2プリュームの輸送が観測された。同時に, 高濃度の03が観測された。03と水蒸気量の逆相関から, 地上での03濃度には成層圏起源の03寄与が大きいが, 10-20%程度の大気境界層中での光化学反応寄与が見られた。これは地上での硝酸ガスHNO3, 粒子状硝酸塩NO3-, アルデヒド等の高濃度からも確認された。
    桜島からのSO2を多く含むプリュームの輸送に伴うSO2→SO42-への時間変換率をトラジェクトリー解析と地上でのSO2, SO42-濃度比から計算し, 輸送中の平均として時間変換率2.5%/hが得られた。
    これらの解析結果から, 春季の移動性高気圧通過時の九州地域では, 中国大陸から日本域を含むスケールでの長距離輸送, 桜島からのSO2の輸送, 成層圏からのO3沈降が同時に進行し, 同地域の汚染質濃度の変化を極めて複雑にしていることが明らかにされた。
  • 前田 淳, 坂東 博, 前田 泰昭, 溝口 次夫
    1997 年 32 巻 6 号 p. 425-430
    発行日: 1997年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    オゾンとともに光化学オキシダントの重要な成分を構成するPerxyacetyl Nitrate (PAN) は大気中のNO2と炭化水素から光化学反応によって生じた二次汚染物質であり, 窒素酸化物の主要なリザーバーとしても重要である。これまで, 中性よう化カリウムを用いた吸光光度法によるオキシダント計はPANに対して応答を示すことが報告されてきた。しかし, その不安定な性質のため, 正確な濃度の標準試料の調製が難しく, それ故, これまでPANの熱化学的な不安定性のため定量的な感度の検討はほとんどされていなかった。
    本研究では, 種々のアルカンを溶媒に用い, 過酢酸と硝酸ナトリウムの反応によりPANを合成し, ECD-ガスクロマトグラフによる分析を行った。その結果, PANを合成および精製する上で, n-ペンタンが最も適した溶媒であることがわかった。更に, 種々の濃度のPAN標準試料を調製し, これらの試料をKI法オキシダント計に導入し, PANに対する応答性を検討した。試料中のPAN濃度は, 長光路赤外分光光度計によるPANの赤外吸収スペクトルの非破壊測定と既知の吸光係数をもとに決定した。その結果, PANに対するKI法オキシダント計の指示値は, 実際の濃度の約15分の1, すなわちPANに対してKI法オキシダント計は6.7±0.5%の感度を示すことが明らかになった。
  • 伊豆田 猛, 松村 秀幸
    1997 年 32 巻 6 号 p. A73-A81
    発行日: 1997年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 宮田 秀明
    1997 年 32 巻 6 号 p. A82-A91
    発行日: 1997年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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