大気環境学会誌
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34 巻 , 5 号
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  • 佐田 幸一, 佐藤 歩
    34 巻 (1999) 5 号 p. 337-351
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    排ガスの大気拡散を模擬した場を風洞内に作成し, 高応答性の全炭化水素分析計を用いて乱流境界層中の上空点煙源から放出されるトレーサガスの濃度変動成分を測定した。本報告では, 有意な値とゼロ付近の雑音等によって生じる値を分けるしきい値を求め濃度変動の解析を行った。
    しきい値より大きな濃度変動値の範囲では, 平均濃度に対する濃度変動の標準偏差の比の他に, ひずみ度および偏平度の濃度変動の中心モーメントが一定値となる。以上の濃度変動の統計量が一定となる傾向は, 本報告で用いたいずれのしきい値においても得られた。濃度変動の確率分布関数は, 煙源近傍ではclipped normal分布, 煙源より遠い位置では指数分布および対数正規分布に近づいた。また, 高濃度出現時の濃度比 (全測定時間中の大きい方から1%の値) は, プルーム中でほぼ一定値となり, 指数分布や対数正規分布による値とほぼ一致した。
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  • 森 博明, 北田 敏廣
    34 巻 (1999) 5 号 p. 352-375
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    濃尾平野およびその周辺地域において, 大気環境が悪化する場合の気象条件を明らかにするため, 1985・1986年度における大気常時監視測定局73局の日平均値, 日最大値 (NO2, NOx, Ox, SO2, SPM) を基に, 年間を通しての高濃度日の出現状況とその時の気象条件について統計解析を行った。その結果, 月別ではOxを除き, 高濃度日は寒候期 (10~3月) に多く出現したが, 特にNOxの場合はその傾向が顕著であり, 11~1月の3か月に高濃度日の7~8割が集中していた。また, 高濃度日の気象条件を集約すると7類型に分類できたが, このうち, NO2の場合は曇・雨天弱風型が45%強を占め, これに続いて晴天弱風型と晴天→曇・雨天移行弱風型がそれぞれ20%前後を示したのに対し, NOxでは晴天弱風型が50%前後, 曇・雨天弱風型が30~50%を占め, 両者の出現傾向には相違が見られた。また, Oxの高濃度日は, 暖候期の広域海陸風型が約9割 (日最大値) を占め, 前駆物質の主要発生源が位置する臨海部を風上として吹く海風との強い関連が認められたが, 日平均値については名古屋南部や尾張西部を中心に, 春季に成層圏オゾンの影響と考えられる晴天北西風型でもしばしば高濃度を示した。このほか, SO2は晴天弱風型と曇・雨天弱風型で高濃度日の50~60%を占めたが, 暖候期の海陸風型も20~3O%見られた。また, SPMは全域では曇・雨天弱風型が50~60%を占めたが, ただし, 岐阜については, 海陸風型の出現率が他地域よりも高いことから, 名古屋地域からの移流汚染の可能性が示唆された。このように, Oxを除く4物質については, 全般に寒候期の晴天弱風型と曇雨天弱風型において高濃度が多く出現したことから, これらの2つの型について, 高層気象観測結果等を基に, 気流および気温の鉛直構造と濃度の日変化を比較・検討した。その結果, 晴天弱風型では, 概ね21~23時頃にかけて, 周辺の地形特性に基づく局地風系の切り替え (西よりの風→北又は東よりの風) に伴い生じる静穏~微風状態と, 接地逆転の発達 (最大で地上約300m) により高濃度のピークを生じることが明らかになった。
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  • 坂本 和彦, 植田 美恵, 根津 豊彦, 坪田 美佐, 君島 克憲, 奥山 正喜
    34 巻 (1999) 5 号 p. 376-385
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気粒子状物質中の主要二次生成物と考えられているα, ω-ジカルボン酸 (コハク酸, グルタル酸, アジピン酸) について, アルキル化を利用したGC-FID法による石英フィルタ試料からの直接定量方法を検討した。 386℃における水酸化テトラメチルアンモニウム (TMAH) の熱分解によるメチル化試剤の発生/ジカルボン酸のメチル化をキュリーポイントパイロライザーを用いて行った。 コハク酸, グルタル酸, アジピン酸のメタノール溶液を添加したフィルタ試料に, TMAHのメタノール溶液を添加し, その熱分解によるメチル化をGC法 (PyMe-GC) で調べたところ, 定量的 (95.5~103%) にジメチルエステルに変換されることがわかった。
    粒子状物質採取フィルタ試料へのメチル化試剤TMAH添加-熱分解によるエアロゾル中のジカルボン酸の直接メチル化は, 多くの従来法で必要とする有機物の分別抽出, 濃縮誘導体化と言う多段階の操作を行うことなしにフィルタ試料中のカルボン酸を定量する方法を提供する。
    浦和市の埼玉大学で1993年6月12~18日にかけてハイボリュームエアサンプラで24時間環境大気を捕集したエアロゾル中のジカルボン酸の定量に本法を応用し, ジカルボン酸の大気中濃度を, コハク酸: 116~669, グルタル酸: 約16~131, アジピン酸二約7~61ng m-3と求めた。
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  • 酒井 潔, 久永 直見, 柴田 英治, 竹内 康浩
    34 巻 (1999) 5 号 p. 386-397
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    都市大気中の石綿および非石綿繊維濃度の経年変化と年内変動を把握するために, 名古屋市内の一測定点で5年間にわたって毎月1回サンプリングした大気試料を対象として, その石綿および非石綿繊維濃度を分析電子顕微鏡を用いて調査した。
    石綿濃度の幾何平均値 (最小値~最大値) は, 2.0 (0.5未満~21.5) 本/L, 非石綿繊維濃度は86.5 (15.8~912) 本/Lであった。 石綿および非石綿繊維濃度は, いずれも5年間の年別幾何平均値に有意差はなく, 5年間を通じて増加あるいは減少傾向はみられなかった。 また, 石綿および非石綿繊維濃度は, それぞれの月別幾何平均値の間で有意差はなく, その年内変動に季節や天候の影響はみられなかった。石綿濃度と非石綿繊維濃度の間には有意な正の相関関係があったが, 全繊維 (石綿および非石綿繊維) 濃度と粉じん濃度の間には有意な相関関係はなかった。
    全繊維本数に占める石綿本数の割合の平均値 (最小値~最大値) は, 2.4 (0.0~7.1)%であり, 石綿の91%はクリソタイルであった。含有率の高い元素の組合せで非石綿繊維を分類した場合, 非石綿繊維の種類並びにその繊維が全繊維に占める割合の平均値は, SとCaを主成分とする繊維が44.6%, AlとSiを主成分とする繊維が21.2%, NaとSを主成分とする繊維が7.7%, MgとSを主成分とする繊維が5.4%, Sを主成分とする繊維が3.8%, Siだけからなる繊維が3.5%, Feだけからなる繊維が2.3%で, その他の繊維が9.1%であった。
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  • 加藤 進, 北畠 正義, 朴 豊源, 山内 徹
    34 巻 (1999) 5 号 p. 398-406
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    中国東北部重工業地帯沈陽市では, エネルギー生産を石炭に依存するために, 冬季には亜硫酸ガス (SO2) や浮遊粉塵濃度 (TSP) が増大し, 温度逆転層の出現と相まって付近に居住する学童の呼吸器系疾患が懸念される。本調査では, 著しい大気汚染が終了した直後の3月に同市を訪問し, 重工業地区 (鉄西) と対照地区の学童に肺機能検査と質問表 (ATS-DLD) を実施し, 呼吸器系疾患を推定した。重汚染地区のSO2の年平均濃度は, 79ppb, 対照地区では24 ppbであった。ATS-DLD質問表からは, 両地区に居住する学童の呼吸器系疾患の有症率, 例えば「持続性のセキ」では, 重汚染地区で8.9%で対照地区では2.8%であり, 有意差が認められた。しかし, 肺機能検査結果からは両者に有意差は認められなかった。パッシブサンプラーを学童に装着させ, SO2個人暴露濃度を測定すると, 重汚染地区では, 検査日の環境濃度よりも50%ほど低いことがわかった。また, ATS-DLD質問表の呼吸器系疾患の質問項目の一つに「はい」と答えた重汚染地区男子学童のSO2個人暴露平均濃度 (39±21 ppb) は, すべての質問に「いいえ」と答えた男子学童の暴露平均濃度 (27±11ppb) よりも有意に高かった。更に, 重汚染地区と対照地区でATS-DLD質問表の呼吸器系疾患の質問項目の一つに「はい」と答えた学童のV (努力性肺活量の50%呼出時の流量) は, 男子学童ではV50%=53.2±12.9 (%), 女子学童ではV50%=74.9±18.3 (%) で, 全ての質問に「いいえ」と答えた男子学童のV50%=57.8±14.4 (%) および女子学童のV50=81.7±15.5 (%) よりも有意に高かった。V25%にも同様の傾向が認められた。したがって, 努力性肺活量 (FVC) や1秒率 (FEV1.0) では感知できない軽度の呼吸器系疾患が, 末梢の呼吸器系気管に存在する事が伺われた。
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