大気環境学会誌
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36 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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  • 若松 伸司
    36 巻 (2001) 3 号 p. 125-136
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1970年から2000年の約30年間にわたる著者等の大気汚染立体分布観測やモデル解析研究を中心に, 都市・広域大気汚染に関する研究の成果と現状をとりまとめた。関東地域での観測により, 気圧傾度が弱い時には海陸風循環により日中は光化学大気汚染気塊が内陸地域に輸送され, これが夜間には陸風により再び海方向に戻される事, 日中は混合層が発達するので高濃度は上空にまで拡がること, 一方, 夜間には上空に日中に生成した二次汚染物質が残り, これが翌日の日中には混合層に取り込まれること等が解明された。また, 山岳地域から大平洋上に至る更に大きなスケールの汚染の輸送があることも分かった。九州北部地域での観測により成層圏から沈降するオゾン, 大陸方面からの大気汚染流入, 地域で発生する大気汚染物質, 火山から排出物などが複合して影響を及ぼすことが分かった。関西地域での観測や数値モデルを使った研究により, 春季における二酸化窒素汚染の発生源としては大阪地域からの寄与が大きいことや, バックグランドオゾンとの反応による酸化の割合が大きいことが分かった。トレンド解析とモデル研究により関東, 関西両地域において内陸地域において日最高濃度が出現する傾向が年々増加する傾向にあり, 大気汚染の広域化と均質化が進行していることが分かった。
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  • 伊豆田 猛, 松村 秀幸, 河野 吉久, 清水 英幸
    36 巻 (2001) 3 号 p. 137-155
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    世界各地で森林衰退が観察されており, 様々な原因仮説が出されているが, 酸性降下物はオゾン (O3) と共に注目されている。したがって, すでに衰退している, または, 今後衰退する可能性がある樹種に対する酸性降下物の影響やそのメカニズムなどを実験的に調べる必要がある。これまでに欧米や我が国で行われた実験的研究の結果に基づくと, p H4.0以上の人工酸性雨や酸性ミストを数カ月から数年にわたって樹木に処理しても, 著しい成長低下や可視障害は発現しない。しかしながら, 酸性雨に対する感受性が比較的高いモミなどの樹種では, その成長がp H4.0以下の酸性雨によって低下する可能性がある。樹木に対する土壌酸性化の影響に関する実験的研究で得られた知見に基づくと,(1) 酸性土壌で生育している樹木の成長, 生理機能および栄養状態を制限する最も重要な要因は, 土壌溶液中に溶出したAlであること,(2) 土壌溶液中の (Ca+Mg+K)/Alモル比は, 樹木に対する酸性降下物による土壌酸性化の影響を評価・予測する際のひとつの有用な指標であること,(3) スギやアカマツは, ノルウェースプルースに比べると, 土壌溶液中の (Ca+Mg+K)/Alモル比の低下に敏感であることが考えられる。
    欧米では, 実験的研究や現地調査の結果に基づいて, 森林生態系を保護するための酸性降下物のクリティカルロードが評価されている。日本と欧米の土壌の特性はかなり異なり, さらに酸性雨, 酸性霧土壌酸性化および土壌窒素過剰などの環境ストレスに対する感受性に樹種間差異が存在することが実験的研究から明らかになっている。したがって, 我が国における森林衰退の原因を明らかにし, 森林生態系における酸性降下物のクリティカルロードを評価するためには, 様々な樹種に対する酸性降下物の影響に関する実験的研究が必要である。
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  • 金 道龍, 山口 克人, 近藤 明, 惣田 訓
    36 巻 (2001) 3 号 p. 156-165
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    光化学オキシダントはその発生機構が複雑であり, 発生源と汚染地域の相互関係の把握が難しく, これまで様々な研究が行われてきたが, 未だ完全にその発生メカニズムの解明や削減対策などが解決されていない。しかしながら, 光化学オキシダントは人間の健康にとって有害であり, その対策は急務である。そこで本研究では, 光化学オキシダント生成の原因物質である窒素酸化物質と炭化水素の排出量とオキシダント濃度との関係を, 換気による濃度希釈, 地表面への沈着, 光化学反応による変質, および混合層高度の時間変動を考慮した2ボックスモデルを用いて, 解明を試みた。まず, 大阪・兵庫県の3地域で, この2ボックスモデルを用いて現状計算を行った結果, 二酸化室素, 一酸化窒素, 二酸化硫黄, およびオキシダント濃度の計算値と観測値は, 良好な一致を示した。また, オキシダント濃度に関する残差平均値, 残差絶対値平均, 残差標準偏差および相関係数の統計値から, このモデルによるオキシダント濃度計算の再現性が確かめられた。次に, NOxおよびHC排出量削減がオキシダント濃度に及ぼす影響を調べた。HC排出量を削減するとオゾン (O3) 濃度は常に減少するが, HC排出量の削減が無い場合, NOx排出量削減率が小さいと03濃度は逆に増加することが示された。また, HC排出量成分中ではキシレンが最も03濃度減少に効果的であることが示された。
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  • 岩崎 好陽, 早福 正孝, 老川 進
    36 巻 (2001) 3 号 p. 166-173
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    東京都内において, 有害化学物質の大気排出量を把握することは, 対策を検討する上で重要である。しかし今まで行われてきた調査の方法は, 調査期間も調査経費も膨大なものであった。今回, 一般環境濃度から, その化学物質の年間排出量を試算する方法を検討した。既存の調査によって得られた化学物質の年間排出量 (x) とその年の一般環境濃度の年平均値 (バックグラウンド分を差し引いたもの, 以下年平均値増加分という: y) との関係が非常に相関性の高いことを明らかにした。(相関係数0.994)
    logy=0.94logx-2.49
    その関係を用いて一般環境濃度の年平均値増加分を知ることにより, 都内総排出量を試算することが可能である。この関係から, 排出量の算出が困難であった東京都内におけるフロン類の排出量を経年的に試算した。更にベンゼン, アルデヒドなどの有害化学物質の都内総排出量の試算を行った。
    また, これらのデータから東京都における空気の換気回数は1日当たり約0.7回程度と推定された。
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  • 薩摩林 光, 鹿角 孝男, 西沢 宏, 横内 陽子, 植田 洋匡
    36 巻 (2001) 3 号 p. 174-184
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    高濃度の浮遊粒子状物質が出現する晩秋から初冬におけるエアロゾル中の有機物質成分の挙動特に, 光化学生成について解析した。エアロゾルの採取は晩秋の内陸部の都市 (岡谷市, 長野市) において, 日中 (12~17時) と夜間 (17時~翌日12時) に分けて約1週間行った。石英ろ紙上に採取された有機成分はジクロロメタンとメタノールで抽出し, キャピラリカラムを装着したGC/FIDで分析した。
    まず, 有機炭素 (OC) および元素状炭素 (EC) 濃度を定量し, 次にOCの主要成分の分析を行った。分析できた成分は, ピノンアルデヒド, C17-C33n-アルカン, C12-C23脂肪酸, ジカルボン酸, 安息香酸, 同定できない低分子混合成分 (LUCM) および同定できない高分子混合成分 (HUCM) であった。分析できた成分の総量の平均は岡谷が1.4μg/m3, 長野が3.4μg/m3であり, 両地点ともOC総量の20%程度であった。これらの成分のうちピノンアルデヒド, ジカルボン酸, 安息香酸とLUCM濃度は日中に高くなる時間変動を示した。日中の光化学生成による割合は, いずれも50%以上になると推定された。以上の結果より, 晩秋においても日中の光化学反応により粒子状有機物質が多量に生成することが判明した。
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  • 柳沢 伸浩
    36 巻 (2001) 3 号 p. A27-A33
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 細谷 満
    36 巻 (2001) 3 号 p. A34-A39
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気中の浮遊粒子状物質の調査が進められる一方で, 自動車から排出される粒子状物質の粒径, 濃度の把握が求められている。自動車からの粒子状物質の計測法として, 希釈トンネルによるサンプリング法とスキャンニングモビリティーパーテクルサイザー (SMPS) やエレクトリカルロープレッシャーインパクター (ELPI) の粒子計測装置による計測法が海外の研究機関において提案されている。本稿では自動車から排出される粒子状物質のサンプリング装置と粒径計測装置の現状と計測上の問題点などを述べる。
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  • 小林 野武夫, 伊東 康浩
    36 巻 (2001) 3 号 p. A40-A50
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大都市地域の大気の状況は, 二酸化窒素 (NO2), 浮遊粒子状物質 (SPM) については, 環境基準の達成状況は依然として低い水準にとどまり, 大変厳しい状況にある。
    現在, 大気汚染防止法に基づく自動車排出ガス規制 (いわゆる単体規制) および「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(以下,「自動車NOx法」という) 等に基づく各種対策等が進められているところであるが, 自動車走行量の増大等の影響もあり, 十分な成果は上がっていない状況にある。
    低公害車の普及は, 自動車交通に起因する大都市地域を中心とした二酸化窒素等による大気汚染対策の1つの柱として期待されてきたものであり, これまで, 政府により, 低公害車の導入に対する補助, 税制上の優遇措置, 技術開発の促進, 普及啓発等が行われ, 低公害車の普及が図られてきた。しかし, 低公害車の普及状況は, 平成12年3月末現在, 全国で約45, 600台にとどまっている。このため, 今後, これまでの取組を更に充実させるとともに, 低公害車の大量普及に向けた制度面の整備が必要であると考えられる。
    そこで, 低公害車の大量普及のための制度的な方策について検討することを目的として, 環境庁大気保全局 (現在の環境省環境管理局) に学識経験者からなる「低公害車大量普及方策検討会」(平成9年10月) が設置された。
    本検討会では, 低公害車の大量普及のための制度的な方策として,(1) 規制的方策,(2) 経済的措置,(3) 誘導的方策について「中間取りまとめ (低公害車大量普及方策の在り方について)」(平成11年5月) を行い, その後, この「中間とりまとめ」を踏まえ, 更に低公害車を取り巻く最近の動向を踏まえつつ, 自動車メーカーや自動車を使用する事業者等に対する新たな施策について, ケースを想定した試算を含めて検討を重ね, 平成12年10月に,「低公害車大量普及方策検討会報告書」がとりまとめられた。この内容を紹介する。
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