大気環境学会誌
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38 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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  • 市川 陽一
    38 巻 (2003) 3 号 p. 117-132
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    環境影響評価のために大気汚染物質の輸送や拡散を予測する手法を開発してきた。まず, 原子力施設から放出された放射性雲によるガンマ線照射線量率を計算するために, ガウス型流跡モデルを開発した。計算結果は測定値からバックグラウンドを除いた値とファクター2で一致した。本成果は緊急時環境放射線モニタリング指針に反映されている。次に, 揚貯運炭施設から発生する石炭粉じんの環境影響評価手法を提案した。本手法はわが国のほとんどすべての石炭火力発電所に適用された。第3番目に, 火力発電所の環境影響評価のために, 排ガス拡散におよぼす地形影響を予測するラグランジュ型粒子モデルを開発した。本予測手法の妥当性は風洞実験や野外トレーサ実験の結果をもとに確認されている。最後に, 酸性沈着を評価する東アジアの長距離輸送モデルについて述べる。本モデルはわが国で観測された硫黄沈着の80%以上を予測することができる。本モデルを用いて, 1990年頃の硫黄沈着に対するわが国の人為起源と火山起源の影響割合を算定したところ約60%であった。わが国の酸沈着の将来予測結果は, 現在計画されている規制や対策が確保されるなら, 2030年までに酸性雨によって深刻な環境影響は現れないことを示した。わが国の環境保全上は, 中国, 特に渤海や黄海周辺の排出源対策が有効である。
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  • 山本 晋
    38 巻 (2003) 3 号 p. 133-144
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気境界層は大気と陸面間の熱的, 力学的相互作用と物質交換に重要な役割を持っている。そこでタワー, 飛行機などを観測プラットホームとした野外観測により, 陸面と大気間の熱, 運動量, 微量物質の交換過程, 大気境界層の構造を解明してきた。研究の成果は大きく分けると 1) 大気境界層の構造の解明とそこでの大気汚染物質の拡散モデル構築, 2) 地球温暖化問題との関わりでは二酸化炭素の循環, 収支の解明と森林生態系のCO2吸収能の評価に応用されてきた。
    第1の課題では飛行機観測においては晴天時, 日中に平坦陸地上に形成され, 高度1500m程度に及ぶ混合層の解析を中心に行った。高タワー観測においては, 観測高度が300m程度までであることを考慮して, 晴天時の夕方から夜半にかけて高度200m以下に形成される安定接地境界層と早朝から日中にかけての比較的低高度の現象である安定接地境界層解消・混合層形成初期過程を重点的に調べた。
    第2では大気と森林生態系間のCO2正味交換量 (NEE) を野外でのタワー観測に基づき調べ, NEEと気象条件の関係, NEEの季節・年々変化を解明した。岐阜県高山の冷温帯落葉広葉樹林での1993年からの観測ではNEEは平均1.8tC/ha/年であるが, その年々変動は大きい。なお, 日本の代表的な森林での観測から2から5tC/ha/年程度という結果が得られているが, これらの結果は温帯林がCO2の吸収源であることを示している。しかし, 陸上植物生態系のグローバルな吸収・固定量を推定するには, 気候, 緯度などの異なる諸地域での多様な植物種に対する結果を更に集結し, 総合的に解釈することが必要である。
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  • 斉藤 勝美
    38 巻 (2003) 3 号 p. 145-161
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    本総説は, 世界遺産白神山地において実施されている「白神山地世界遺産地域の森林生態系保全のためのモニタリング手法の確立と外縁部の森林利用との調和を図るための森林管理法に関する研究」で行われた大気環境中ガス状物質 (SO2, NO, NO2, O3) とブナの葉の元素組成および葉内元素分布に関する調査研究の成果を概説したものである。
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  • 齊藤 貢, 大塚 尚寛
    38 巻 (2003) 3 号 p. 162-171
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    都市部の大気汚染は, 自動車排ガス, 特にディーゼル排気微粒子に起因するところが大きくなってきている。そのためにも, 一般環境大気測定局や自動車排出ガス測定局で行われているような定点モニタリングを交通状況の異なる多くの場所で行い, 道路沿いの大気状況を把握する必要がある。本研究では, 場所を選ばず, 容易に設置可能なミクロ繊維シートを用いた道路沿い多点モニタリング法について検討した。市販のミグロ繊維シートは, SPMを含む大気粒子状物質の捕集に適していることが確認された。また, ミクロ繊維シートの捕集粒子状物質量およびB (a) P含有量と, 同一地点で同期間捕集したエアサンプラーのSPM濃度およびB (a) P濃度とを比較した結果, 相関係数がそれぞれ0.797 (粒子状物質), 0.945 (B (a) P) と いう高い相関関係を示し, ミクロ繊維シートを用いたモニタリングは, 一週間当たりの簡易的な大気環境指標となることが示唆された。異なった交通状況下での多点モニタリングを行った結果, ミクロ繊維シートにより捕集された粒子状物質量およびB (a) P量は, 幹線道路沿いの交差点付近で高い値を示し, SPM濃度の推定値で0.10mg/m3を越えると算出された地点も確認された。B (a) P量に関しては, 概ね0.20ng/m3程度であり, 一般大気の全国平均B (a) P濃度の平均値以下であると算出された。
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  • 吉門 洋, 米澤 義堯, 篠崎 裕哉
    38 巻 (2003) 3 号 p. 172-178
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    東京都内1996年度と愛知県西部1994~1996年度の日平均NO2濃度データを利用して, 年間数回数日連続の濃度調査から年平均濃度を推算する場合, 真の年平均値に対する相対誤差がどの程度になるかを調べた。
    複数回の調査を年間に均等間隔で配置する場合, 全般的には回数の増加とともに, また, 毎回の連続日数の増加とともに相対誤差が小さくなる。しかし, 年3回と年4回の比較では, 毎回の連続日数が3~4日程度なら年3回の方が相対誤差が小さくなる場合も多い。調査を夏秋冬の3回, あるいは春夏秋冬の4回, 各季節指定の期間に設定した場合, 年間均等間隔でそれぞれ3回又は4回実施するよりも相対誤差は大きくなった。
    しかし, これらの結果は気象の変動周期によって変わり得るものであり, 気象の変動の特徴は年ごとにかなり異なるため, 必ずしも普遍的な結論とは言えない。
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  • 池田 幸介, 渡辺 正満
    38 巻 (2003) 3 号 p. 179-189
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    情報通信において光ファイバーなどの光部品が増加するなかで通信機械室における浮遊粉じん環境測定はますます重要になっている。通信機械室における浮遊粉じん環境測定をより安価でかつ簡便に行うために,「浮遊粉じん捕集機能」と「浮遊粉じん測定機能」を分離し, 捕集機能では試料を自動的に交換する方式と測定機能では光学的な簡便な方式を検討した。以下に主な検討結果を示す。
    (1) 浮遊粉じん濃度を浮遊粉じん捕集用フィルタに1ヵ月から2年間の長期に渡って連続的に捕集する「浮遊粉じん環境レコーダ」を作製した。
    (2) 浮遊粉じん測定方法として光反射方式を検討して, 浮遊粉じん捕集用フィルタの浮遊粉じん質量濃度と明度指数との相関関係が非常に強いことを見出した。その相関係数は0.961であった。
    (3) 本レコーダの吸引流量を変数とする補正係数を算出し, 浮遊粉じん捕集用フィルタの明度指数変化から浮遊粉じん質量濃度を求めることができることを示した。また, 複数台の本レコーダの同時測定結果より, 本レコーダのデータ変動幅は±5%以下であった。
    (4) 本レコーダを複数のNTT機械室に設置して同時測定を行った結果, 同一ビル内でも浮遊粉じん環境が大きく異なることを示すとともに, 浮遊粉じん環境の相対的な優劣を容易に判定できることを示した。
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  • 横田 久司, 舟島 正直, 田原 茂樹, 佐野 藤治, 坂本 和彦
    38 巻 (2003) 3 号 p. 190-204
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    自動車排出ガスによる大気汚染は, 幹線道路周辺などにおいて未だに深刻である。本研究では, 自動車排出ガスによる大気汚染を低減するため, アイドリング時の排出特性および停車中にエンジンを停止 (アイドリング・ストップ) した場合の排出ガスの低減効果について調査を行った。ガソリン車7台およびディーゼル車13台について, シャシーダイナモメータを用いて, 東京都実走行パターンおよびアイドリング・モードによる排出ガス測定を行った。その結果は, 以下の通りである。
    1. 排出ガスの排出率 (mg/s) および燃料消費率 (mL/s) を算出し, 実走行パターンとアイドリング・モード間での比較を行った。その結果, ガソリン車では, アイドリング時の燃料消費率は実走行時の47%に相当した。ディーゼル車では, アイドリング時のNOxは実走行時の30%, 同じく燃料消費率は28%に相当した。アイドリング時の排出率等は, 実走行時に比較して無視できないレベルにあることが確認された。
    2. エンジンが再始動するときに排出ガスの量は僅かに増加するが, 数秒から数分以上のエンジン停止により, ディーゼル車ではNOxおよび燃料消費量が低減し, ガソリン車では燃料消費量が低減することが確認された。三元触媒装着のガソリン車ではアイドリング時のNOx濃度は非常に低く, エンジン停止の効果は認められなかった。
    3. これらの結果を東京都内で使用されている小型貨物車の運行状況に適用したところ, アイドリング・モードによる排出ガス寄与率は, NOx3.5%, CO23.1%に達することが見積もられた。これから, 未把握の排出源として駐車中のアイドリングの実態調査が必要であることが示唆された。
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  • 古谷 圭一
    38 巻 (2003) 3 号 p. A29-A33
    公開日: 2011/11/08
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