大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
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39 巻 , 3 号
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  • 藤田 慎一
    39 巻 (2004) 3 号 p. 107-118
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    東アジアの酸性雨に焦点をあわせ, ガス状・粒子状物質の沈着に関する研究を進めてきた。観測データをふまえて湿性沈着量と乾性沈着量を評価し, 人為起源や天然起源の発生量を推計するとともに, 両者の量的な関係について検討を行った。湿性沈着については, 日本列島に独自の観測ネットワークを展開して連続観測を行い, 降水中の主要成分の濃度と湿性沈着量の地理分布, 季節変動, 経年変化の特徴を示した。乾性沈着については, 気象条件や土地利用などの情報をもとにガス状・粒子状物質の沈着速度を定式化し, 大気濃度と沈着速度の積の形でその地理分布や季節変化を示した。人為起源の発生量については, 東アジアを対象に二酸化硫黄の発生量を集計し, 渤海湾から黄海の沿岸領域における発生量が多いことを示した。天然起源の発生量については, 主要な火山からの二酸化硫黄の発生量を推計し, 桜島からの放出量がわが国の固定発生源の全量に匹敵することを示した。
    これらのデータを解析し, 東アジアの降水組成は上層風や降水量などの気象条件と前駆物質の発生源分布に支配されること; 日本列島における硫黄の収支構造は, 中央山脈の南北で異なること; 冬季の日本海側でみられる硫黄化合物の沈着量の増加には, 圏外から流入する硫黄分の寄与が大きいこと; 海を越えた広域的な物質輸送は, 硫黄化合物のほか窒素化合物でも顕在化していること; 東アジア地域の酸性雨を検討するうえで, 火山活動の影響は無視できないことなどを明らかにした。
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  • 橋本 正史, 山岸 豊
    39 巻 (2004) 3 号 p. 119-136
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    多環芳香族炭化水素 (PAH) の毒性は, ダイオキシンと同様にアリルハイドロカーボンリセプター (AhR) を介して起きることがよく知られているが, このメカニズムを中心に, 発がんに関連する生物学的反応と両物質のこの反応に対する関与の態様について概説した。その上で, PAH混合物の健康リスクを評価する手法について, これまでのアプローチを概括した。その中で, すでにダイオキシン類で採用されている方法である個別のPAHの毒性を積算して評価する手法 (Relative Potency Factor Approach) について概説し, 併せて著者らが開発した発がんメカニズムに基づいた健康リスク評価手法 (誘導変異原性法) について詳述した。
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  • 小暮 信之, 酒井 茂克, 小高 波留香, 白井 忠
    39 巻 (2004) 3 号 p. 137-147
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    排ガス中の粒子状物質の試料採取に際して, 定流量の条件下で排ガスの流速が変化しても常に等速吸引が行える新しい試料採取方法 (定流量等速吸引法) の実用化を目的に, ダスト濃度測定用として口径可変式ダストサンプラを試作し, 等速吸引試料採取の信頼性を検証することも含めてその実用性について検討した。
    一連の実用化試験結果は, 以下の通りにまとめられる。
    1) 試作した口径可変式ダストサンプラ (ノズルヘッド部) の寸法は外径φ6cm, 長さ12cm程度で, 1形試料採取器として使用することができる。
    2) 吸引ノズル口径は, 操作バルブを回転することで容易にφ5.0~φ11.0mmの範囲で開閉でき, 定流量等速吸引操作が極めて簡単に行える。
    3) 口径可変式ダストサンプラの耐熱温度は, ノズルヘッド部がアルミ製のため約200℃ であり, その表面はタフラム酸化皮膜処理を施したため, 実際の燃焼排ガス測定において耐腐食性が確認できた。
    4) 漏れ試験では, 漏斗状に重ね合わされた吸引ノズルの隙間などに若干の漏れが生じたが, 吸引ノズルが開かれた通常の測定状態では濃度測定値に何ら影響を及ぼさない。
    5) 試験ダストと実際の燃焼ダストを用いた比較試験で, 口径可変式ダストサンプラと普通形・平衡形手動式ダストサンプラとの対応関係はほぼ1: 1となり, よく一致し, 定流量等速吸引法の妥当性が確認できた。
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  • 松田 和秀, 桜井 達也, 藤田 慎一, 戸塚 積
    39 巻 (2004) 3 号 p. 148-157
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    2000年夏季にその火山活動が活性化した三宅島雄山から放出される火山ガス (二酸化硫黄) が, 日本列島における硫黄の湿性および乾性沈着に与える影響を調べるため, 国内の酸性雨測定局において測定されている硫黄化合物に関するデータの解析を行った。解析には, 遠隔地域又は田園地域に配置されている10局のデータを用い, 噴火の前後1年間を含む1999年8月から2001年7月の2年間を対象期間とした。また, 乾性沈着の推計のため, Weselyのパラメタリゼーションに基づく抵抗モデルを用いて沈着速度を求めた。
    三宅島火山ガスが原因と考えられる二酸化硫黄濃度の増加は, 三宅島からの気団の流入と関連が見られ, 特に本州中央, 次いで西日本で顕著であった。北海道地域への気団の流入は少なく, 本州中央および西日本に比べて, 明確な二酸化硫黄濃度の上昇は見られなかった。本州中央に位置する丹沢, 入方尾根, 佐渡において, 噴火後, 二酸化硫黄の乾性沈着は3倍以上, 特に丹沢では6倍以上に増加していた。非海塩性硫酸イオンの湿性沈着に関しては, これらの地域において噴火後1.5倍以上に増加していた。乾性および湿性沈着の増加量と三宅島からの距離との関係から, 乾性沈着に比べ湿性沈着の方がより広域に影響を及ぼしていることが分かった。月毎の積算沈着量の推計から, 二酸化硫黄が大量放出された噴火後数ヵ月間は三宅島近傍地域への影響が顕著であったが, その後の長期継続的な二酸化硫黄の放出が, 長期的, 広域的な硫黄沈着量の増加をもたらしたことが示唆された。
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  • 畠山 史郎, 片平 菊野, 高見 昭憲, 菅田 誠治, 劉 発華, 北 和之
    39 巻 (2004) 3 号 p. 158-170
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年関東周辺山岳域で見られる森林衰退の原因として大気汚染物質の影響が重要ではないかといわれている。しかし, この地域でのこれまでの観測は電源の都合により, 長期的な観測が出来ず, そのため観測時の天候に大きく影響されて, 大気汚染の影響が十分把握されていない。本研究では電源に太陽電池を用いることにより, 実際に森林被害の激しい前白根山山頂付近で, 大気汚染物質であるオゾン (03) を, 約3ヵ月にわたって長期的に観測することで, この地域での03濃度変化を明らかにした。更に高濃度03が現れる頻度やその起源, それらが出現する気象条件を考察した。その結果, 今回の観測では, 期間中の最高濃度は1時間平均値で70ppb弱であり, 過去に観測された100ppbを超えるような高濃度は観測されなかった。また, 長期間の統計的な03濃度変化を調べることにより, この地点で03が高濃度になるのは夏季の卓越した南風に加えて, 日射強度が大きい時であることが分かった。これは強い日射により, 都市域で発生した一次汚染物質が光化学反応を起こしながら, 広域な海陸風循環によって輸送されてきた為であると考えられた。また, 9月以降の秋季には03の平均濃度が上がると共に日変化が小さくなった。これは山頂付近では自由対流圏大気の影響が大きくなり, アジアのバックグラウンドオゾンが輸送されていて, 関東平野部からの汚染空気の寄与が小さくなるためと考えられた。
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  • 伊豆田 猛, 小川 和雄
    39 巻 (2004) 3 号 p. A65-A77
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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