大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
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39 巻 , 4 号
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  • 下原 孝章, 植田 洋匡
    39 巻 (2004) 4 号 p. 171-187
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    酸性水, アルカリ性水, 水を張った各シャーレおよび乾いたシャーレを代理表面として用い, それらを1日間, 降雨を避ける条件下で環境中に曝露する調査を40日間実施した。同時に, フィルター捕集およびローボリウムアンダーセンサンプラーにより大気中のガス状物質および粒子状物質中のイオン成分濃度および粒径分布を測定した。大気中の酸性ガスはアルカリ性水面に沈着しやすく, アルカリ性のガスは酸性水面に沈着しやすい。すなわち, これらガス状物質の沈着時の溶液面での残差抵抗をゼロに近づけることで, 浮遊粒子状物質およびガス状物質の沈着を分別, 測定する方法を検討した。これらの測定により, 各代理表面に捕集された沈着フラックスの差分と大気中のガス状物質と粒子状物質の濃度との関係から, ガス状物質および粒子状物質の沈着機構, 沈着速度を分別して評価した。
    SO2, NH3, NOxの1日平均の沈着速度は各々, 0.76, 0.70, 0.04cm/secであった。NOxの沈着速度が, SO2, NH3のそれらより低いのは, NOxが水に対する溶解度が低いため, 他のガス状物質よりも水面での残差抵抗が大きいためと考えられた。微小粒子であるnss-SO42-, NH4+は各々, 0.24, 0.33cm/secであり, 微小, 粗大の両方に存在するNO3-は0.28cm/secであった。また, 粗大粒子Na+, K+, Mg2+は1.39, 1.18, 1.32, 粗大粒子の中でもサイズの大きいCa2+は2.01cm/secであった。Ca2+粒子は重力沈降の影響が強いことが理解できた。
    粒子状物質が乾き面上に沈着後, 風により乾き面から再飛散することは非常に少なかった。NO3-, NH4+およびC1-は乾き面に沈着後, 各々, その50%, 40%, 20%以上が揮散したことが推測された。一方, 水面に沈着したNH4+量の約70%はNH3の沈着による影響であること, 水面に沈着したSO42-量の約80%はSO2の沈着による影響であることが推測された。また, 乾き面へのSO2の沈着は殆どなかった。
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  • 吉門 洋
    39 巻 (2004) 4 号 p. 188-199
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    近年再び高濃度化が注目されている光化学オキシダント (Ox) について, 特に注意報発令レベルの高濃度の発生状況が系統的に変化したかどうかを概括的に調べた。対象地域は東京都・埼玉県と群馬県南東部に絞り, 1989-91年と1999-01年の各3年の6-8月の間の差異に注目した。まず昼夜別平均濃度や日最高濃度の出現頻度分布を調べた結果, 10年の期間に昼間 (5-20時) 平均で若干の例外を除き4-14ppb (体積混合比), 夜間平均でも2-8ppb上昇し, 日最高濃度が60ppb未満の日の比率は全域平均で66%から50%へ減少する一方で, 東京・埼玉には120ppb以上の高濃度の出現頻度が23日から50日というように倍加した地区が多いことがわかった。
    対象期間中の広域気象条件を毎日の天気図により概括判定した結果, 90年頃より2000年前後には梅雨期を含む夏季に高気圧圏内に入る日が増加したことがわかった。高気圧圏内の日が増加すれば局地風発達日の増加が予想され, 簡単な判定基準による判定の結果, その事実が確認された。好天日の増加はそれだけで平均気温の上昇や期間積算紫外線入射量の増加につながる可能性もあり, Ox高濃度の増加要因の一つに数え得る。
    東京湾から埼玉南部への海風の内陸進入パターンに注目して, その速度の速い日と遅い日のグループを抽出した。10年の間で速い日の頻度が増加している。速い日は東京や埼玉南部のOx濃度レベルにはあまり変化がなく, より内陸部で90年頃よりも高濃度になっている。遅い日のグループでは全域的に午後のOx濃度が大幅に増加したことがわかった。局地風とOx濃度のこれらの変化が重なって, 全般的なOx濃度上昇傾向の中でも地域的な強弱の差が生まれたといえる。
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  • 片山 学, 大原 利眞, 村野 健太郎
    39 巻 (2004) 4 号 p. 200-217
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    地域気象モデルRAMSと結合した物質輸送モデルHYPACTを用いて東アジアにおける硫黄化合物の動態をシミュレートし, 1995年7月と12月におけるソース・リセプター関係を定量化することにより, 日本列島への沈着量の発生源地域別構成とその季節変動を解析した。本研究で用いたモデルは, 従来のソース・リセプター解析用モデルとは異なり, 地域気象モデルで計算された時空間分解能の高い気象データを活用することにより物質輸送モデルで必要とする各種の気象パラメータを精緻に与えているところに特徴がある。変質・沈着プロセスを組み込んだHYPACTは国内各地で観測されたSO2とSO42-の地上濃度およびSO42-湿性沈着量を良好に再現する。このモデルを使って東アジアにおけるソース・リセプター関係を解析した結果, 日本への硫黄沈着量の発生源地域別寄与率は7月には火山36%, 日本28%, 中国18%, 朝鮮半島12%, 12月には中国58%, 朝鮮半島17%, 日本13%, 火山8%となり季節によって大きく変化する。すなわち, 7月と12月における日本列島の硫黄沈着を比較すると, 7月には火山を含む国内発生源の寄与が64%にも達するのに対して, 12月にはその寄与は21%に低下し越境汚染の寄与率が75%まで増加する。このように7月と12月において発生源地域別寄与率が大きく異なる原因は基本的に風系パターンの違いによって説明できる。また, 日本海側と太平洋側の季節別沈着量を比較すると, 太平洋側では7月の沈着量が12月の沈着量に比べて3倍程度増加するのに対して, 日本海側における12月の沈着量は7月の沈着量に比べて約10%増加する程度である。このため日本全体では, 越境大気汚染の寄与が大きな12月よりも火山を含む国内発生源の寄与が増加する7月の方が沈着量が20%程度多くなる。以上のことから, 日本での沈着量の季節変動を議論する場合, 越境汚染よりもむしろ火山を含む国内発生源影響の季節変動が重要である。
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  • 苗代 武志, 小暮 信之, 酒井 茂克
    39 巻 (2004) 4 号 p. 218-227
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    国際標準規格ISOに準拠した吸引流量100-200L/minの中容量ダスト試料採取システム実用化のための研究を実施した。各種特性試験を行った結果, 以下の通りにまとめられる。
    1) シリカ繊維ろ紙QR-100の0.3μmDOP粒子の捕集効率は, 試作システムでの吸引流量測定範囲以上においても, JISおよびISOの両規格を十分満たすことができる。
    2) 使用したシリカ繊維ろ紙QR-100の圧力損失は, PTFEコーティングガラス繊維ろ紙 (TX) のそれよりも約4/5と小さく, ろ材の構造, 形状等の違いによる影響が示された。
    3) 有効ろ過面積を大きくとることが可能な円筒ろ紙は, 円形ろ紙に比べて著しく圧力損失を低くでき, 150L/min前後の大きな吸引流量の試料採取により有効である。
    4) 実煙道における中容量法と小容量法の比較では多少ばらつきはあるものの, 両者の関係はy=1.05x (r2=0.98) であり, ほぼ一致した。
    5) 実煙道における高温排ガスの吸引流量は, 円形ろ紙で約100L/min, 円筒ろ紙で約170L/minが得られ, いずれも当初の目標であった吸引流量100-200L/minが達成された。以上, 一連の実験を通して, 試作した中容量ダスト試料採取システムの実用性が確認された。
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  • 環境省環境管理局
    39 巻 (2004) 4 号 p. A79-A86
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 祐川 英基
    39 巻 (2004) 4 号 p. A87-A94
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    人間の嗅覚を用いた臭気測定法における安全管理について説明した。測定の事前調査から試料採取, 試料の調製, 判定試験の工程ごとの注意事項とその対策について述べた。また, 管理体制, 主な施設ごとの注意点, 事故時の応急措置にもふれ, 実際に使用できるチェックリストについても述べた。2002年12月には, これらの内容をまとめた安全管理マニュアルが環境省環境管理局大気生活環境室により作成され, 環境省ホームページに全文が掲載されている (http://www.env.go.jp/air/akushu/seido/index.html)。
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