大気環境学会誌
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41 巻 , 5 号
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  • 吉田 保衡, 弓本 桂也, 鵜野 伊津志
    41 巻 (2006) 5 号 p. 235-248
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    領域気象モデルRAMSを用いて, アジア域を対象に2001年の通年計算を行い, その結果を各種の気象観測データと比較することにより, 東アジア域でのRAMSの気象場の再現性を評価するとともに, CTMへの入力条件としての妥当性の検討を行った. 本研究では, 中国から日本にかけて13ヶ所の評価領域を設定して, 気温, 風速, 降水量の時間変化についてシミュレーション結果と観測値との比較を行った. モデルは気温, 風速, 降水量ともに各地域の時間変化の特徴を良くとらえており, Skill score等の解析から, シミュレーション結果は十分に再現性があることが示された. モデルは, 各季節の降水分布の特徴もよく表現しており, 年間を通じた観測の総降水量の地域分布の傾向を再現していた. しかし, モデルは5日積算降水量で10mm以下の弱い降水を過小評価しており, 日本域の夏季と秋季で月積算降水量に約20-40%のモデルバイアスが見られ, CTMでの沈着量の見積もりへの影響が示唆された. 各領域の積雲降水量について解析した結果, 中国北部や朝鮮半島北部では夏季のみでなく春季でも降水量の24-36%が積雲起源となっていた. これらの結果は, CTM内での積雲の取り扱いが, 物質収支や濃度レベルに大きな影響を与える可能性があることを示唆している.
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  • 水野 建樹
    41 巻 (2006) 5 号 p. 249-258
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    常時監視局データを用いて関東都市部 (東京都・神奈川県・埼玉県) におけるSPM濃度の1996年以降の経年変化と各種施策の効果およびその他の影響との関係を解析した. ある地域内のSPM濃度について, 自排局平均値と一般局平均値の濃度差は自排局近傍道路からの1次粒子の影響だけを反映すると仮定し, 一般環境局における自動車起源の一次粒子濃度寄与分を推定した. その結果, 2002年度まではディーゼル車対策その他による自動車起源の1次粒子濃度削減への効果は東京都区内よりも埼玉県, 神奈川県, 東京都郊外で比較的大きな寄与をしていると推察された. NOxについても自排局と一般局の濃度差から自動車起源の影響をみたが, 自動車対策等の影響はSPMに比べ極めて小さい結果となった.
    次に, 各地域のダイオキシン類対策によるSPM濃度への影響をみるために, 一般局のSPM濃度から自動車1次粒子の濃度寄与分を除いたSPM濃度とダイオキシン類濃度を比較した. 両者はよい相関を示したので, ダイオキシン濃度との間に線型回帰式を当てはめ, ダイオキシン類対策によるSPM濃度低減効果を調べた. 結果的に, どの地域でも固定源である焼却施設へのダイオキシン対策はSPM濃度低減化に大きな効果をあげたと推察された. 一般局のSPM濃度からこれら1次粒子の寄与率が小さくなったことにより, 最近は二次粒子などによる夏季の濃度が相対的に目立つようになってきたといえる.
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  • 梶井 克純, 吉野 彩子, 渡邉 敬祐, 定永 靖宗, 松本 淳, 西田 哲, 加藤 俊吾
    41 巻 (2006) 5 号 p. 259-267
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    2003年から2004年にかけて, 東京都八王子市の首都大学東京南大沢キャンパスにおいてレーザーポンプ・プローブ法を用い大気中のOHラジカル反応性の測定を行った. OHラジカルの反応性とはOHラジカルの大気寿命の逆数であり, OHラジカルの消失過程に関する情報が得られる. また, 反応性の測定と同時に約70種類の化学種について大気中の濃度測定を行い, 実測したOH反応性と約70種類の化学種から見積もった反応性との比較を行った. その結果, 冬季は比較的よい一致を示したが, それ以外の季節では反応性のうち2-3割もが未知なるOHラジカルの反応相手によるものであることが明らかとなった. 反応性の差が生じた原因を探るため, OHとNO, の反応速度定数の不確かさやエアロゾルの影響について検討を行ったが, それらによる影響は有意でないことがわかった. その結果, 未知なるOHラジカルの反応相手が大気中で生成する2次的な化学物質である可能性が示唆された. 測定したOHラジカル反応性から, 大気中でOHラジカル1分子が生成しうるオゾン量であるオキシダントポテンシャルを導き, 大気質診断に対する有用性を示した. 週末にオゾン濃度が高くなるオゾンのウィークエンド効果が知られている. 首都大学東京におけるNOx濃度の連続測定の結果とオキシダントポテンシャルのNOx依存性からウィークエンド効果を説明可能であることが分かった.
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  • 渡辺 幸一, 朴木 英治, 吉久 真弘, 西野 幹, 柳瀬 友治
    41 巻 (2006) 5 号 p. 268-278
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    2004年および2005年の夏期から秋期に立山西側斜面の美女平 (標高977m) においてオゾン, 窒素酸化物および二酸化硫黄の測定を行った. オゾンは夏期や初秋期には, 午後に濃度が極大となる明瞭な日変化が観測されたが, 11月には日変化はほとんどみられなくなった. 一方, 二酸化窒素は日中に濃度が高く, 夜間に低濃度となる日変化が観測期間を通して観測された. 美女平におけるO3濃度の夏期と秋期の日変化の違いは, 主にO3の光化学生成の違いによるものと考えられる. また, 11月には高濃度の二酸化硫黄がしばしば観測された. 後方流跡線解析から, アジア大陸の工業地域が高濃度SO2の起源となっている可能性が示唆された.
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  • 林 健太郎, 野口 泉
    41 巻 (2006) 5 号 p. 279-287
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アルカリ含浸ろ紙を2段としたフィルターパック法を用いて, 茨城県つくば市のシバ草地における2004年6月29日~2005年1月11日のガス状の亜硝酸 (HONO) および硝酸 (HNO3) の濃度および濃度勾配を観測した. 暖候季および寒候季のHONO濃度はそれぞれ0.86および1.2ppb (v/v), HNO3濃度はそれぞれ1.0および0.23ppbであり, HONO濃度はHNO3濃度と同程度であった. 一方, 暖候季および寒候季の地上4-2m間のHONOの濃度勾配はそれぞれ-0.012および-0.027ppbm-1, HNO3の濃度勾配はそれぞれ0.10および0.008ppbm-1であった. 負の濃度勾配はネットフラックスが発生であることをあらわし, HONOが地表から発生していることに加えて, 発生量が乾性沈着量を上回っていることが示された. 地表からのHONOの発生は, 気相-地表系の不均-反応による二酸化窒素からのHONOの生成によると考えられる. 大気-地表間のHONOの交換はネットフラックスとして定量されるべきであり, 沈着速度の推計では地表からのHONOの発生を考慮する必要がある.
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  • 香川 順
    41 巻 (2006) 5 号 p. A55-A68
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    米国環境保護庁は, 2004年10月に, Air Quality Criteria for Particulate Matterの最終版を公表し, これに基づき2005年6月にはスタッフ・ペーパーが公表され, これらを参照して, 2006年1月17日付けのFederal Register (FR) で粒子状物質の環境基準の改訂の提案を行った. この改訂は, 現行のPM2.5の24時間の基準値である65/μg/m3では, 公衆の健康を適切に保護できないとして35/μg/m3に下げること, および新たにPM10-2.5のthoracic coarse particles (吸入性粗大粒子) の基準を設定することを提案している. 現在パブリック・コメントを募集中で, EPAは, 2006年10月には最終決定する予定である. そこで何故, PM2.5, の基準を厳しくし, さらに新たにPM10-2.5の基準を設定することになったのかをFRを基に解説した.
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