大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
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45 巻 , 2 号
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あおぞら
総説
  • 藤巻 秀和
    45 巻 (2010) 2 号 p. 49-55
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    外気や室内の化学物質による低濃度の曝露の健康影響は、生体に備わっている神経ー免疫ー内分泌からなる恒常性維持機構が、個々人が持つ遺伝素因、発達期、性、アレルギーなどの既往歴に依存して化学物質による異なる修飾を受けた結果を反映していると考えられる。
    環境化学物質の影響の受けやすさを扱う感受性要因について明らかにするため、われわれが行ってきた大気中の化学物質曝露による脳領域や免疫組織での神経栄養因子、その受容体、及び炎症に関わる因子への影響についてマウス系統間での比較、および生物因子としてのアレルゲンと化学物質との複合曝露に対して鋭敏な神経免疫指標についての研究成果の概略を述べる。
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原著
  • 田島 洋介, 加藤 俊吾, Jeeranut Suthawaree, 梶井 克純
    45 巻 (2010) 2 号 p. 56-65
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    東京郊外での大気質の評価を行うために、八王子市の首都大学東京南大沢キャンパスにて揮発性有機化合物(VOCs)58種類の7年間にわたる長期観測を行った。観測は2002年5月から2008年12月までで、サンプルはおよそ1週間に1個のペースでサンプリングを行い、GC-FIDを用いて分析を行った。7年分のデータから経年変化を調べたところ、ベンゼンでは濃度に減少傾向が見られたが、測定したそれ以外の物質では明確な傾向は見られなかった。植物起源のものや燃料の揮発による影響をうけるVOCsは夏季に濃度が高くなる季節変化をしたが、多くの物質は明確な季節変化は見られなかった。測定したVOCs濃度からOHとの反応性(kOH)とオゾン生成ポテンシャル(OFP)を算出した。VOCs濃度、kOH、OFPを季節ごとで比較すると、それぞれで重要になるVOCsが異なっていた。また、アルカン・アルケン・芳香族・植物起源VOCsの寄与はVOCs濃度、kOH、OFPで違いが見られた。大気質の診断には目的に応じた指標を使うことが重要である。
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  • Kundan Lal Shrestha, 近藤 明, 加賀 昭和, 井上 義雄
    45 巻 (2010) 2 号 p. 81-88
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    気候変動に対する河川流域の影響を予測するためには、地域気象モデルと水文モデルを統合することが不可欠である。大気モデルは、降水と蒸発散によって水文モデルの地表面過程と結合される。日本の地域規模では、降水の空間精度が、地表流を含む全体的な水循環を正確に予測する上で決定的となる。この研究では、淀川流域の降雨を、3km格子を用いたWRFメソ気象モデルを用いて高解像度に計算し、さらに標高を加味して1km格子にスケールダウンし、レーダーGPVデータとティーセン法により1km格子に分割された観測データと比較、評価をした。WRFによって計算された淀川流域の2006年1年間の全流域および支流域の積算降雨量は、観測された積算降雨量を精度よく再現できた。降雨の時間変動も、琵琶湖周辺で僅かに過大である点を除いて再現することができた。また、降雨の空間変動も、山岳地帯で降雨が増加する現象を再現することができた。
    以上の結果より、WRFによる降雨計算は、気候変動による淀川流域の水文-気象の将来予測にとって、十分に有効であることが示された。
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  • 坂本 美徳, 嶋寺 光, 瀬戸 文久, 近藤 明, Shrestha Kundan Lal, 加賀 昭和, 井上 義雄, 平木 隆年
    45 巻 (2010) 2 号 p. 89-95
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    兵庫県では、常時監視測定局で光化学オキシダント(OX)濃度を測定しているが、測定局は瀬戸内海沿岸の都市域に集中しているため、県下全域の実態を把握できていない。そこで、本研究では兵庫県下のOXの空間分布を把握することを目的に、MM5/CMAQにより2008年を対象にOXの大部分であるオゾン(O3)濃度について数値解析を行った。平均O3濃度の計算値は5月が最も高濃度を示し、次いで7月、9月、12月の順であり、観測値と一致した。平均O3濃度は、5月、7月共に日本域以外からの越境汚染の影響を受けて10ppb以上高くなると考えられた。5月は日本海側から流入した気塊が兵庫県下全域を覆い、地域的に排出されたNOX(NO)によるO3の消失反応によりO3濃度の空間分布が生じていると考えられた。7月は越境汚染に加え到達した気塊の経路により地域汚染によるO3生成の影響を受けていると考えられた。
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  • 大久保 さゆり, 高橋 日出男
    45 巻 (2010) 2 号 p. 96-106
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    国内の常時監視データを用いて,SPMの季節性や地域性に着目し,1991-2006年度のSPM濃度の長期トレンドと年々変動について整理した.SPM濃度は,冬季,夏季,春季に濃度のピークを持ち,人為起源の粒子による寄与が高い冬季や夏季には,大都市域を中心に濃度の低下が広くみられた.冬季のSPM濃度は,人為発生源の多い都市域で期間を通じて大きく減少しており,対象期間中に実施された様々な発生源対策による効果が表れたものと考えられた.一方で,夏季のSPM濃度は,おおむね減少傾向にあるものの,一次粒子の寄与が大きい冬季に比べると,減少の度合いは小さかった.春季のSPM濃度は明確なトレンドを示さず,冬・夏季に比べると人為起源粒子による寄与が相対的に小さいために,発生源対策の効果が表れにくかったと推定された.
    また,SPM濃度には,多くの地域で同位相の年々変動がみられることを明らかにした.高濃度年/低濃度年について気象場のコンポジット解析を行なったところ,冬季の高濃度年/低濃度年には弱い/強い北西の風系が卓越すること,および,夏季の高濃度年には太平洋高気圧の日本付近への張り出しが,低濃度年には冷夏型または南東気流型の気象場が,それぞれ卓越していたことを示した.
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技術調査報告
  • 岡 憲司, 大山 正幸, 竹中 規訓
    45 巻 (2010) 2 号 p. 73-80
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    動物曝露実験等に使用するために、ガス状亜硝酸を大量(15 L/分)に、かつNO2等の他の窒素酸化物の副生の少ない連続発生法を開発した。すなわち、硫酸と亜硝酸ナトリウム溶液をベリスタルティックポンプで送液し、両液を合流させた後、ガラス管内に装着した多孔性ポリテトラフルオロエチレン(ポアPTFE)チューブに流すと、混合液はポアPTFEチューブ内を流下しガラス管外へ排出される。一方、発生したガス状亜硝酸はポアPTFEチューブ壁面を拡散通過してガラス管内へ移動する。密閉したガラス管内にキャリアガス(クリーンエアー)を送風して、発生したガス状亜硝酸を曝露チェンバーに送り込んだ。しかし、発生したガス状亜硝酸には約2割のNOと1割のNO2が含まれた。NOやNO2の副生を減少させる方法やその条件を検討した結果、硫酸と亜硝酸ナトリウム溶液を大量のキャリアガス中に飛散、ミスト化して、それをポアPTFEチューブ内に流し、壁面ろ過する事により、発生した窒素酸化物中のガス状亜硝酸の存在比を95%まで上げることができた。発生するガス状亜硝酸の濃度は亜硝酸ナトリウム溶液濃度および送液速度と良い相関関係があった。また、硫酸が低濃度ではその対数濃度とガス状亜硝酸の濃度とに相関関係があったが、高濃度では関係しなかった。また、発生した窒素酸化物中のガス状亜硝酸の存在比は送気速度が速いほど向上した。
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ノート
  • 板野 泰之, 若松 伸司, 長谷川 就一, 岡崎 友紀代, 紀本 岳志
    45 巻 (2010) 2 号 p. 66-72
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    2007年8月4日から9日にかけて大阪にて行われたエアロゾルの集中観測結果から,東アジアから越境輸送されるエアロゾルが日本のPM2.5濃度に与える影響を考察した。観測には湿度コントロール機能を持たない測定器を用いた。周辺の一次発生源からの影響やその場の二次生成の影響は観測期間を通して大きく変化しなかったが,PM2.5濃度には期間の前半と後半で20‐30 μg/m3の差がみられた。期間の前半には東アジアからの人為エアロゾルを含む汚染気塊が観測地点に輸送されていた一方,後半には太平洋由来の清浄大気が移流していたことが,PM2.5濃度レベルの差の主な要因と考えられた。期間前半に捕集されたPM2.5濃度および粒子の個数濃度と水蒸気濃度の間には正の相関が認められ,吸湿性成分による水分吸収の影響が考えられた。国内のPM2.5に対する東アジアから輸送される人為エアロゾルの影響として,バックグラウンド濃度として直接付加されるものに加え,湿度コントロール機能を持たない機種での測定値に対しては,多く含有される吸湿性成分による水分吸収という間接的な影響があることがわかった。
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