大気環境学会誌
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45 巻 , 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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あおぞら
原著
  • 井上 和也, 安田 龍介, 吉門 洋, 東野 晴行
    45 巻 (2010) 5 号 p. 183-194
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    関東地方の光化学オキシダント(オゾン)汚染を軽減させるための合理的な排出削減対策を決定するためには,各地点におけるオゾン濃度の前駆物質排出量に対する感度がNOx-sensitive,VOC-sensitiveのいずれの状態(感度レジーム)にあるのかを知ることが重要である。本研究では,関東地方内で注意報発令レベルのオゾンが出現した夏季の複数日(合計3日間)について,3次元化学輸送モデルによるシミュレーションによって,関東地方における地点ごとのオゾン日最高濃度に対する感度レジームの地理分布を推定した。ここで,モデルに入力する植物起源VOC排出量は日本に自生する植物種を対象にして行なわれた近年の放出量測定結果を考慮して推定した。感度レジーム地理分布は,都心部およびその周辺のわずかな地域ではVOC-sensitiveであるが,その他の地域は,注意報発令レベルオゾンの出現日数が多い地域を含めて大部分がNOx-sensitiveであると推定された。一方,より小さめの既存の植物起源VOC排出量推定値を入力した場合のシミュレーション結果では,VOC-sensitiveの領域が顕著に多くなっており,植物起源VOC排出量の入力値によって感度レジームの推定結果が大きく左右されることがわかった。
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  • 井上 和也, 吉門 洋, 東野 晴行
    45 巻 (2010) 5 号 p. 195-204
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    各地点におけるオゾン濃度の前駆物質排出量に対する感度レジームを種々の2次生成物質の濃度比など光化学指標と呼ばれる指標を実測することにより推定する方法が提案されている。本研究では,最初にこれらの指標が日本の関東地方においても適用可能であるのかを第I報のシミュレーション結果を用いて調べ,オゾン/全硝酸濃度比は適用可能であること,VOC-sensitive,NOx-sensitiveと判定する際の閾値は,それぞれ,8.6(以下),9.0(以上)であることを示した。そこで,実際に,オゾン/全硝酸濃度比(の分母にあたる全硝酸濃度)を東京都・埼玉県内の5地点で同時に測定し,注意報発令レベルのオゾンが生じやすい夏季の晴天・高温日における各地点の感度レジームを推定した。その結果,オゾンが日最高濃度を示す時間帯においては,都心部の2地点を除くすべての地点でNOx-sensitiveであると推定された。本研究のオゾン/全硝酸濃度比実測に基づく感度レジーム推定結果は,第I報の,日本に自生する植物種に対する近年の放出量測定結果を考慮して推定した植物起源VOC排出量を入力した場合に得られるシミュレーション結果と概ね整合した。
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  • 松本 淳, 三澤 健太郎, 石内 俊一, 藤井 正明, 林 俊一, 田中 光太郎, 山田 裕之, 後藤 雄一
    45 巻 (2010) 5 号 p. 205-211
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    シャーシダイナモメーター上にてモード走行するディーゼルトラックの排出ガスについて、レーザー多光子イオン化法を用いてリアルタイム個別成分分析を実施した。ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、フェノール、の6成分を個別に測定し、排出ガス中の体積混合比が運転・走行条件とともに変動する様子を 1 秒値にて捕捉した。測定された体積混合比に排出ガス流量を考慮して、成分ごとの排出係数および OH 反応性を算出した。その結果、放出量や反応性について、全炭化水素量 THC やモード平均値の測定では捕捉できない成分や時間帯が一部に見られた。特に、高速走行時(>70 km/h)において、特異的に高いフェノール放出量を捕捉した。さらに、成分放出量および OH 反応性の 1 秒値データを用いて、環境影響の車速依存を調べた。その結果、中速域(50-70 km/h)が走行距離あたりの放出量や OH 反応性が最小となり、環境影響の点で効率的な走行条件であることがわかった。モード走行試験における自動車排出ガス成分の個別リアルタイム分析の有効性を確認した。
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  • 森野 悠, 茶谷 聡, 速水 洋, 佐々木 寛介, 森 康彰, 森川 多津子, 大原 利眞, 長谷川 就一, 小林 伸治
    45 巻 (2010) 5 号 p. 212-226
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    O3とPM2.5の予測性能を評価するために、関東地方において化学輸送モデル(CTM)の相互比較を行い、2007年夏季の観測データと比較した。参加した4グループ全てがCTMとしてCMAQを利用しており、排出インベントリは各々が異なるデータを利用していた。全てのCTMがO3濃度とその経時変動を比較的良く再現していたが(r>0.5)、PM2.5を過小評価し、郊外においてはその経時変動の再現性も低かった(r<0.5)。PM2.5成分について、CTMはSO42-を濃度・経時変動ともに比較的良く再現していたが(r>0.5)、元素状炭素エアロゾル(EC)、有機エアロゾル(OA)を過小評価していた。また、CTM間でNO3-濃度に10倍程度のばらつきが見られた。OAはPM2.5濃度の31%-41%を占めており、その過小評価がPM2.5濃度の過小評価の大きな原因であった。今後、PM2.5の再現性向上のためには、OA再現性の向上が不可欠である。また、NOxやECなどの一次排出成分濃度のCTM間のばらつきは、排出量の差異によって概ね説明されたが、二次生成成分であるO3、TNO3(=HNO3+ NO3-)、二次有機エアロゾル濃度のCTM間のばらつきは境界濃度や前駆物質の差異によって説明されなかった。これらの成分の化学生成速度は前駆物質濃度に非線形に応答する事を反映しており、今後詳細な濃度制御要因解明が必要である。
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  • 兼保 直樹, 高見 昭憲, 佐藤 圭, 畠山 史郎, 林 政彦, 原 圭一郎, Chang Lim-Serok, Ahn Joon-Youn ...
    45 巻 (2010) 5 号 p. 227-234
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    アジア大陸起源の汚染物質がわが国のPM2.5汚染状況に与える影響を明らかにするため、五島列島福江島と、その東方約190 kmに位置する福岡市において2009年春よりPM2.5濃度の通年観測を開始し、さらに4月に集中的に大気中エアロゾルの観測を行った。この結果、春季の福岡でのPM2.5濃度は福江島より半日程度遅れて変動していること、また濃度レベルも同程度または福江島の方がやや高く、日平均の環境基準値を超過する高濃度が度々出現した。組成分析の結果、高濃度時のエアロゾルの主成分は、硫酸塩と粒子状有機物が支配的であり、硫酸塩や総硝酸濃度は福江島の方が福岡より高かった。韓国済州島でのPM2.5測定データでは、福江島よりさらに早い時間に濃度増加を開始しており、長距離輸送による九州北部への汚染物質の到達を示している。このときの気圧配置より、4月上旬の2回の顕著な高濃度出現は、典型的な2つの長距離輸送パターン、すなわち前線後面型と移動性高気圧周回流型による輸送であると考えられる。月平均濃度でみても、4月の福江島のPM2.5濃度は福岡市よりやや高く、2009年春季の九州北部地域では、福岡のような大都市域においても、PM2.5濃度は域外からの長距離輸送による広域的な汚染状況に支配されていたと考えられる。
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  • 河原 純子, 田中 千晶, 田中 茂穂
    45 巻 (2010) 5 号 p. 235-245
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    本研究は、三次元加速度計を用いた幼児の分時換気量推定法について検討を行った。5-6歳児28名を対象として、日常生活にみられる9つの活動時の身体加速度と分時換気量を測定し、身体加速度による分時換気量の推定式を導出した。分時換気量はダグラスバッグ法を用いて測定し、身体加速度は三次元加速度計アクティブトレーサーAC201(GMS社製)を用いて測定した。アクティブトレーサーによる合成加速度と分時換気量の間には有意な相関関係が見られた。合成加速度と分時換気量の実測値から導いた回帰式は、安静状態、座位作業、歩行、走行時の体重あたりの分時換気量を12-18%過大評価する一方、中強度の活動である階段昇降およびボール投げ時の分時換気量を20%程度過小評価した。身体の水平方向と垂直方向の加速度の比から‘歩行タイプ’と‘歩行以外の活動タイプ’の活動を判別し、活動タイプごとに導出した回帰式を用いて分時換気量を推定した結果、実測値と推定値の差は著しく低減された。先行研究におけるエネルギー消費量を用いた推定法と比較した結果、本研究の三次元加速度を用いた推定式は、安静、座位作業時の分時換気量をより少ない誤差で推定した。
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