大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
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45 巻 , 6 号
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あおぞら
原著
  • 嶋寺 光, 近藤 明, 加賀 昭和, Shrestha Kundan Lal, 井上 義雄
    45 巻 (2010) 6 号 p. 247-255
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    本論文では,霧水沈着による酸性物質沈着量の空間分布の予測手法を示した。まず,森林植生への霧水沈着を予測する数値モデルを開発し,霧水沈着モデルによる霧沈着速度は風速と森林植生密度に依存することを示した。また,霧水沈着モデルと観測データとの比較により,霧沈着モデルが山地における霧水沈着量を概ね再現できることを示した。霧沈着モデルとともに,数値気象/大気質モデルMM5/CMAQによる2005年3月の予測結果を用い,近畿地方における霧水沈着量とそれに伴う硫黄および窒素沈着量の空間分布を推定した。その結果,山地の森林地域における霧水沈着量と降雨量の比は最大22.5%,平均3.4%となった。硫黄および窒素沈着量については,霧による沈着量が,降雨による沈着量に匹敵し,乾性沈着による沈着量を上回る地域も見られた。酸性沈着における霧水沈着の寄与は,気象場,大気環境,植生構造の季節変動によって変化すると考えられるため,さらなる研究のためには,より長期間で予測を行う必要がある。
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  • 米持 真一, 梅沢 夏実
    45 巻 (2010) 6 号 p. 271-278
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    大都市郊外の大気中に浮遊するサブミクロン粒子(PM1)の特性を明らかにするため,連続通年観測をPM2.5と並行して2005年4月から実施した。PM1捕集装置はSharp cut cyclone(SCC)を利用して作製した。PM1の年平均濃度は15.5-18.3 μg m-3の範囲であり,PM2.5は19.4-22.5 μg m-3であった。PM1とPM2.5の週平均濃度には高い正の相関(r = 0.92, n = 186)が見られ,PM1/PM2.5は0.84±0.11であった。主要化学組成の比較を行ったところ,NH4+,SO42-及びTCのPM1/PM2.5は年間を通じてほぼ一定であり,0.74-0.88の範囲であった。これに対して,Na+,Mg2+及びCa2+では値は大きく変動し,冬季に最も低い値となった。この要因として,乾燥した田園の表層土壌の一部が,冬季の強風によって巻き上げられ,PM2.5中に含まれたと考えられた。PM1及びPM2.5に含まれる成分毎の相関係数は,NH4+,Cl-,NO3-,SO42-及びTCでは0.90以上となったが,Mg2+は0.17,Ca2+は0.10でほとんど相関が見られず,Ca2+の回帰式の傾きは0.02であった。PM2.5中に一部含まれる土壌系粒子の影響がPM1ではほとんど見られないことが分かった。このことから,PM1は人為起源粒子由来の微小粒子の評価指標として優れていることが明らかとなった。
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技術調査報告
  • 井関 将太, 定永 靖宗, 松木 篤, 岩坂 泰信, 佐藤 啓市, 竹中 規訓, 坂東 博
    45 巻 (2010) 6 号 p. 256-263
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    石川県能登半島珠洲で2008年12月からオゾンと一酸化炭素の測定を行い、東アジアの汚染された地域からの長距離輸送の観点から、季節変動・日内変動について解析を行った。オゾンと一酸化炭素濃度は、季節変動として春に高濃度、夏に低濃度となった。珠洲に到達する気塊を、後方流跡線解析を用いて、ロシア・中国・日本由来に分類したところ、春にロシアや中国からの大陸由来の割合が高くなり、夏に日本由来の割合が高くなった。区分別に見ると、中国由来の気塊が一年を通して高濃度となり、同じ大陸由来でも、ロシア由来の気塊は日本由来よりも低濃度になる傾向が見られた。日内変動を見ると、各月においてO3は日中の午後に最高値を示すが、COは一貫した変動を示さなかった。O3の日内最小値の月変動は、気塊の由来と長距離輸送中の光化学O3生成によるものであり、日中のO3増加量の月変動は、観測値近傍での光化学O3生成であると考えられた。また、日中のO3増加量と積算日射量との間には高く正の相関があることが明らかになった。
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  • 武 直子, 板野 泰之, 山神 真紀子, 大原 利眞
    45 巻 (2010) 6 号 p. 264-270
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    ポテンシャルオゾン(PO)を用いて、光化学オキシダント(OX)測定値の異常値を検出する手法を検討した。まず、POの空間スケ-ルが大きいこと、近距離では測定局間のPOの相関係数が特に大きいことを示した。そして、窒素酸化物(NOX)排出量が多い地域においては、OXよりもPOを比較する方が、NOXの影響を受けずに測定値を相互に比較できる可能性があることを示した。次に、PO濃度変動がよく一致している概ね3km以内に位置する測定局A、B局間で、1対1の対応から外れるデータを異常である可能性が高い測定値として検出した。さらにもう1局(C局)のデータも加えて比較し、外れる原因がA局のOXであったと推測した。同様に、異なる測定局間のOXやNOXについても異常値スクリーニングを行うことが可能であると考えられた。これらのことから、複数の測定局のPO濃度を比較することによって、効率よくNOXとOX測定値の確定作業を行うことが出来ると考えられた。
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ノート
  • 小谷野 道子, 杉田 和俊, 稲葉 洋平, 山口 一郎, 谷保 佐知, 山下 信義, 遠藤 治
    45 巻 (2010) 6 号 p. 279-282
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    都市大気中のperfluorooctane sulfanate (PFOS) の測定を行った。東京に隣接する和光市で、大気中浮遊粒子 (TSP) を2006年7月3-29日 (夏期) と12月1-27日 (冬期) の毎日捕集した。捕集した試料はメタノールで超音波抽出し、LC/MS/MSで分析した。この方法によるPFOSの回収率は90%、繰り返し精度は13% (c.v.)であった。TSP濃度の幾何平均値は7月が48 μg/m3、12月が43 μg/m3とほぼ同等であった。これに対しPFOS濃度の幾何平均値は7月が6.8 pg/m3、12月が3.5 pg/m3と夏期の方が冬期よりも高かった。大気中のPFOS濃度は、平日に対して、土曜と日曜の週末に低い週間変化を示していた。
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  • 澤田 寛子, 河野 吉久
    45 巻 (2010) 6 号 p. 283-288
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    高濃度オゾンによる止葉の老化促進が水稲の収量に及ぼす影響をオゾン感受性が異なる6品種の水稲を用いて調査した。オゾン処理はガラス室にオゾンを送風したオゾン添加区(日中12時間平均77 ppb)と外気オゾン濃度と同程度の外気区(同31 ppb)において定植から収穫までの間暴露することで行った。止葉の老化はオゾン添加区においてきらら397とKasalathで顕著に促進され、またコシヒカリにおいてもわずかに促進された。一穂当たりの収量はきらら397、コシヒカリ、Jothiにおいてオゾン添加区で減少したが、これは主に一穂当たりの総籾数の低下が原因であった。オゾン処理により止葉の老化が促進されていたきらら397では千粒重の低下が、Kasalathでは登熟歩合の低下がそれぞれ見られたが、それらの低下が収量の減少に及ぼした影響はわずかであった。以上の結果から、老化の促進によって生じる登熟期間の短縮が水稲の収量に及ぼす影響は小さいことが示唆された。また、オゾン処理による一穂当たりの収量の低下は穂数の増加によって補償されており、生育時期ごとのオゾン暴露量の差が収量に影響を与える可能性が考えられた。
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速報
  • 金谷 有剛, 竹谷  文一, 入江 仁士, 駒崎 雄一, 高島 久洋, 鵜野 伊津志
    45 巻 (2010) 6 号 p. 289-292
    公開日: 2011/06/05
    ジャーナル フリー
    近傍の汚染源の影響が小さい九州福江島大気環境観測施設においてPM2.5質量濃度を連続測定し、大気環境基準が設定された2009年9月9日からの1年間にわたるデータを解析した。年平均値は17.3 μg m-3であり、欠測の期間の値やゼロ点の不確かさを考慮すると長期基準(年平均値15 μg m-3)を有意に超過しているとは結論されなかったが、日平均値の年間98パーセンタイル値を日平均値の代表値として選択し評価を行う短期基準では観測値(56.5 μg m-3)が基準値(35 μg m-3)を大きく上回り、環境基準非達成であることが明らかとなった。高濃度日の後方流跡線解析から、韓国~中国華北平原北部~華中付近から大陸を離れ福江島に気塊が到達するケースが多いことが示された。長崎で黄砂の影響が確認された日の前後に含まれない高濃度日も多く、また高濃度日にはブラックカーボン濃度も高濃度で検出されたことから、大気汚染の影響も強いことが示唆された。
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