高濃度CO
2環境が森林土壌への温室効果ガスであるメタン(CH
4)の吸収に与える影響を調べるために、開放系大気CO
2増加(FACE; Free Air CO
2 Enrichment)システムを利用して調査を行った。北海道大学札幌研究林実験苗畑のFACE試験地にFACE区(Elevated CO
2: 大気+130 ppmv)と対照区(Ambient CO
2: 370 ppmv)を3つずつ設置し、各プロットに2種類の土壌(褐色森林土/火山灰土壌)を設定した。CH
4フラックスは2008年と2009年の植物生育期間に各プロットの1個所で1年に4回ずつ閉鎖系チェンバー法を用いて測定した。CH
4濃度はガスクロマトグラフ(GC-8A及びGC-14B、島津、京都)で分析した。測定期間中、土壌へのCH
4吸収量は対照区に比べてFACE区で約半分に減少したが、土壌タイプの間には有意的な差は見られなかった。対照区ではCH
4は全測定地点で土壌に吸収されていたが、FACE区ではCH
4が発生している地点が観察された。
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