大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
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47 巻 , 1 号
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あおぞら
学生・若手研究者の論文特集(1)
原著
  • 浜 寛貴, 徳田 貴裕, 伊崎 陽彦, 大野 友子, 渡辺 有梨, 神田 哲雄, 唐 寧, 亀田 貴之, 鳥羽 陽, 早川 和一
    47 巻 (2012) 1 号 p. 1-8
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    石川県金沢市藤江の幹線道路脇において12年間(1999~2010年)の夏と冬の大気粉塵を捕集し、多環芳香族炭化水素(PAH)6種類(pyrene、benz[a]anthracene、chrysene、benzo[b]fluoranthene、benzo[k]fluoranthene、benzo[a]pyrene)およびニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)7種類(1,3-、1,6-、1,8-dinitropyrenes、1-nitropyrene、6-nitrochrysene、7-nitrobenz[a]anthracene、6-nitrobenzo[a]pyrene)をそれぞれHPLC-蛍光検出法、HPLC-化学発光検出法で測定し、その変遷を明らかにした。この間に、PAH濃度は冬63.9%、夏75.6%減少、NPAH濃度は冬88.0%、夏89.2%減少した。また[1-NP]/[Pyr]値は冬と夏ともに著しく減少した。自動車排ガス規制の強化によって排出源としての自動車の寄与率が低下したことが、大気中PAH、NPAH濃度および[1-NP]/[Pyr]値が顕著に減少した主要因と考えられた。
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  • 山崎 昌平, Emile Amedro Damien Jean, Jones Charlotte, 中嶋 吉弘, 加藤 俊吾, 梶井 克純
    47 巻 (2012) 1 号 p. 9-17
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    北米大陸原産のカナダトウヒ(picea glauca)から放出される生物起源揮発性有機化合物(BVOCs)のPTR-MSによる濃度測定並びにレーザー・ポンプ・プローブLIF法によるOH反応性測定を行った。温度を操作することでBVOCsの濃度並びにOH反応性が増減する事が観測された。その結果、アセトン、イソプレン及びモノテルペンを高い濃度で観測した。また、レーザー・ポンプ・プローブ法により得られたOH反応性とBVOCsの濃度測定から得られた各VOCの濃度並びにOHとの反応速度定数の積の和により定義されたOH反応性の整合性を調査した。その結果、温度が上昇するにつれて二つのOH反応性の差が大きくなったことが分かった。二つのOH反応性の差が当研究室の成分測定で把握出来ていないVOCsによるOH反応性への寄与に相当する。その値の変化の挙動を、観測した既知のVOCsであるβ-ピネンなどの環式モノテルペン、β-ミルセン(環構造を持たないモノテルペン)やイソプレンとOH反応性への寄与において比較検討を行った。その結果、環式モノテルペンと正の相関を示した事が分かった。したがって、カナダトウヒから放出されるVOCsの内、未計測のVOCsについてはOHとの反応性の寄与においてその大部分を占めるVOCsが環式モノテルペンと同様の放出挙動を示すVOCsであると考えられる。
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  • 小川 佳美, 兼保 直樹, 佐藤 圭, 高見 昭憲, 林 政彦, 原 圭一郎, 畠山 史郎
    47 巻 (2012) 1 号 p. 18-25
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    東シナ海周辺のPAHs濃度、n-アルカン濃度における長距離輸送の影響を把握するために、2009年の春季および秋季に沖縄辺戸岬、福江島、福岡市の3地点でエアロゾルの集中観測を行った。測定物質は、PAHs類15 種と、n-アルカン類20 種である。Σアルカン濃度、ΣPAHs濃度は福岡がもっとも高濃度となり、次に福江が高かった。エイジングの指標であるBaP/BeP比から判断すると、辺戸、福江で観測された気塊は長距離輸送されてきたことを示唆していた。CPI値は福岡で1に近い値を示し、人為起源を示唆していた。福江と辺戸では高等植物のワックスなどの自然起源がアルカン類の多くを占めていた。後方流跡線解析に基づいて、福江に到達した気塊を中国、韓国/日本、太平洋の3つに分類した結果、ΣPAHs濃度は中国由来、韓国/日本由来、太平洋由来の順に高濃度となった。輸送されてくる気塊の通過地域によって、濃度が変化することが示唆される。PAHs濃度は先行研究とは異なり、秋季の方が春季よりも高濃度となった。これは、秋季に黄砂を伴う大規模気塊が飛来したこと、気塊の発生源に中国起源が多かったことが原因と考えられる。PAHsの異性体比IcdP/(IcdP+BghiP)、FLT/PYRを用いた排出源推定によると、春季の主要発生源は石油燃焼となり、秋季はバイオマス及び石炭燃焼となった。
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  • 弓場 彬江, 定永 靖宗, 高見 昭憲, 清水 厚, 松井 一郎, 杉本 伸夫, 畠山 史郎, 竹中 規訓, 坂東 博
    47 巻 (2012) 1 号 p. 26-32
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    窒素酸化物はNO, NO2, NO3, HONO, N2O5, ガス状硝酸(HNO3), 粒子状硝酸(NO3-(p))などで構成され、その特性はそれぞれ異なる。清浄地域の大気環境に与える影響を評価するうえでその濃度および組成が重要となる。そこで沖縄辺戸岬において総反応性窒素酸化物(NOy) , HNO3, NO3-(p)の連続測定を行なった結果からNOy、HNO3およびNO3-(p)の日内変動を求め、清浄地域が近傍から受ける影響について解析を行なった。NOy, HNO3濃度はそれぞれ11時前後、14時前後に濃度ピークを持ち、NO3-(p)は日中に濃度が最小になる日内変動パターンを示した。NOy, HNO3, NO3-(p)の日内変動と気象条件との相関性について解析を行なった。その結果、HNO3/NOyの日内増加量と日射量との間に正の相関があることが明らかとなった。そのためHNO3濃度の日内変動の要因として清浄地域近傍におけるHNO3の光化学生成の影響が考えられる。HNO3については清浄地域において近傍からの影響が無視できないと考えられる。
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  • 小林 由典, 大河内 博, 緒方 裕子, 為近 和也, 皆巳 幸也, 名古屋 俊士
    47 巻 (2012) 1 号 p. 33-44
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    26種類のAVOCs(塩素化炭化水素17種、単環芳香族炭化水素6種類、二環芳香族炭化水素3種類)の大気および大気水相のサンプリングを、2007年から2010年まで富士山と新宿で行った。2010年における大気中AVOCs濃度は富士山頂で最も高く(7月の平均総濃度:11.6 ppbv、n=5)、新宿(10~12月の平均総濃度:7.9 ppbv、n=52)、富士山南東麓(7月の平均総濃度:6.8 ppbv、n=9)の順であった。富士山頂における単環芳香族炭化水素(MAHs)の大気中濃度は都市域の新宿や国内外の高高度観測地点に比べて異常に高く、局地的な影響を受けている可能性がある。一方、2010年における大気水相中AVOCs濃度は富士山南東麓の雨水で15.8 nM(n=8)、富士山頂の雲水で15.7 nM(n=19)であり、新宿の露水で5.33 nM(n=15)、雨水で3.36 nM(n=30)であった。富士山における大気水相にはAVOCsが高濃度に含まれており、とくに塩素化炭化水素(CHs)は富士山南東麓の雨水および富士山頂の雲水ともにヘンリー則からの予測値以上に高濃縮されていた。大気水相へのAVOCsの高濃縮は大気中濃度、気温、各AVOCsの疎水性だけでは説明ができず、大気水相中の共存物質の影響が大きいものと推測された。
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ノート
  • 重富 陽介, 弓場 彬江, 定永 靖宗, 高見 昭憲, 畠山 史郎, 加藤 俊吾, 梶井 克純, 竹中 規訓, 坂東 博
    47 巻 (2012) 1 号 p. 45-50
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究では沖縄県辺戸岬にて総反応性窒素酸化物 (NOy) 等の観測データの経年変動について調査し、近年における越境汚染の影響の現状把握および評価を行った。観測は沖縄県辺戸岬の (独) 国立環境研究所 辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションにおいて行った。NOy, CO, PM2.5, NH4+, SO4 (HSO4- + SO42-), Org (有機エアロゾル) の化学種について解析を行った。解析対象とした2006-9年では、辺戸岬におけるこれら化学種の濃度については年毎に増大する変動は見られなかった。その一方で2008年が他年と比較して平均的に高濃度であった。また、SO4, NH4+, Orgも2008年に高濃度であった。次に、後方流跡線解析から辺戸岬に到達する気塊の由来を分類し、これらの汚染物質について気塊別に同期間の経年変動を調査した。その結果、どの汚染物質も中国由来の影響が強いことが言えるが、北京より北東の中国北部方面からの大気汚染物質の排出寄与が年々大きくなっており、北京・上海など大都市の多い中国中部方面の排出寄与の大きさに徐々に肉薄してきていることがわかった。
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  • 鈴木 佳祐, 大河内 博, 緒方 裕子
    47 巻 (2012) 1 号 p. 51-57
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    東京都新宿区から33km離れた東京都八王子市の小規模森林(東京農工大学FM多摩丘陵、16ha)にある高さ30 mの観測タワーを用いてコナラ樹冠上部(14 m)、樹冠下部(1 m)、森林内の樹冠のない開けた地点を林外とし、計3地点で生物起源揮発性有機化合物(BVOCs; イソプレン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、δ-3-カレン)の採取を行った。イソプレンは3地点ともに明確な昼夜変動が見られ、日中に高く、夜間に低下した。樹冠上部で最高濃度11.1 ppbvを示した。モノテルペン(α-ピネン、β-ピネン、リモネン)は明確な昼夜変動は見られず、樹冠下部および林外で樹冠上部よりも高濃度になる傾向にあった。δ-3-カレンはいずれの地点も検出限界だった。イソプレンとモノテルペンには相関はみられず、モノテルペンではピネン類とリモネンの相関性が低いことから、イソプレンとピネン類とリモネンでそれぞれ別の放出源を持つ可能性を示唆した。一方、α-ピネンとβ-ピネンは正の高い相関性を示すことから、同一樹種からの放出と考えられた。FM多摩のBVOCs濃度は都心部の新宿の約10倍であり、日本の森林面積の約30%を占める里山におけるBVOCsの観測の重要性を確認した。
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一般論文
原著
  • 下原 孝章, 新谷 俊二, 三苫 智子, 吉川 正晃, 北田 敏廣
    47 巻 (2012) 1 号 p. 58-66
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    ACFの浄化特性を利用して、道路沿道のNOXを主成分とする大気汚染物質を削減するために、本報告 “II” では自然風を利用したシステムを検討した。分離帯にPAN系のスリット構造のACFフェンスを設置し、水洗浄なしに約2年経過したフェンスでもNO2除去能力の低下は認められなかった。一方、NO除去能力は僅かに低下していたが、水道水による簡易水洗を行った結果、NO除去能力の回復が認められた。
    ピッチ系ACF はPAN系ACFよりも安定に供給できて安価なため、基礎実験の結果をもとに、PAN系ACFと同等以上のNOX除去能力を持つピッチ系ACFを選択した。ピッチ系ACFに最適な焼成を行った後、ユニットを作成した。フェルト状ACFの厚みを0.7 cm、フェルト間のスリット幅を0.8 cmとして、スリット部分に網状波板を入れることで汚染空気とACFとの接触効率を高めた。その結果、野外の自然風に対して約20~30%の通風性を維持しつつ、NO、NO2除去能力を約16%、97%と大きく向上できた。
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  • 山田 裕之, 林 瑠美子, 戸野倉 賢一
    47 巻 (2012) 1 号 p. 67-74
    公開日: 2012/06/27
    ジャーナル フリー
    車道上および走行車室内中のNO2濃度を同時リアルタイム計測可能な計測車により調査した。また、車道脇と車道から7m離れた地点で、定置的にNO2、NOの濃度変化を計測し、車道上の窒素酸化物が生活環境に与える影響を調査した。一般幹線道路においては車道上のNO2濃度は重量車の割合が高い場合に高く、大気環境基準日平均値を越える150 ppb程度であった。また重量車割合が20%以下の低い条件においても50 ppb程度であった。高速道路上では、全域で大気環境基準日平均値を越え、重量車割合の高い上り坂では中央公害対策審議会の短期暴露指針値である200 ppbをも超越する結果であった。また、交通量が多く、延長10 kmにおよぶトンネル内部ではACGIHが定める 作業環境平均濃度(3 ppm)に迫る値であった。車室内においては、空調モードが外気導入の場合、上記のような車道と同等なNO2濃度レベルとなることが確認された。これは、空調モードを内気循環にすることにより改善されるが、その場合は乗員の呼気によるCO2濃度の上昇が懸念される。また、内気循環モードにおいても、NOはNO2に比べ相対的に高い割合で車室内に侵入し、長くとどまるため、このような状況でのNO2生成反応の活性となる可能性を検証する必要がある。車道上のNO2, NOが生活環境への拡散を調査した結果、NOは7 m離れるとほとんど計測されなくなったが、NO2では50%程度の減少率であることが確認された。この結果より、車道上の高NO2濃度状態が周囲の生活環境に影響を及ぼしていることは十分に考えられる。
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