大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
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48 巻 , 1 号
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あおぞら
原著
  • 三好 猛雄, 高見 昭憲, 下野 彰夫, 畠山 史郎
    48 巻 (2013) 1 号 p. 1-11
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    沖縄県辺戸岬において、2003 10 月から2004 7月にかけて、エアロゾル質量分析計による大気エアロゾルの化学組成(対象とした成分は、アンモニウム、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、有機物)および粒径分布の観測を行った。化学組成については、期間を通して硫酸塩濃度が最も高く、全期間の平均で3.8 µgm-3であった。また、粒径分布はすべての成分で類似しており、500 600nm付近にピークがあった。バックトラジェクトリー解析を用いて、データを観測ステーションに到達した気塊の起源により、10 のグループに分類した(太平洋、日本、朝鮮半島、中国北部、中国南部およびそれらの境界地域)。大陸由来の気塊が来るとき濃度が高く(各成分の質量濃度の合計で5.010.9 µgm-3)、太平洋由来の気塊が来るとき低かった(2.5 µgm-3)。さらに、バックトラジェクトリー解析の結果に基づいて、五つの季節(秋季、冬季、春季、夏季前半、夏季後半)にデータを分類し、エアロゾル中の各成分の季節変動を調べた。冬季における中国北部由来の気塊を対象として、気塊の観測ステーションまでの輸送時間と相対湿度を求めた。これらとエアロゾル化学組成との関係を調べることで、輸送中のエアロゾルの変質について考察した。SO2の硫酸塩への時間変換率を求めたところ、相対湿度50%未満では 1.6h-175%以上では 6.5h-1となり、高湿度条件下では SO2 から硫酸塩への変換が速やかに進むことがわかった。これは、SO2 の硫酸塩への変換が気相反応だけでなく、雲や霧粒子との不均一反応や液相反応により進んでいることを示唆している。
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  • 藤田 慎一
    48 巻 (2013) 1 号 p. 12-19
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    非海塩起源の硫酸イオンに対する硝酸イオンの濃度比(NO3-/nssSO42- 濃度比)は、降水の酸性化に及ぼす硫酸と硝酸の寄与を評価するうえで便利な指標である。本報では1976 年から2011 年の期間にわが国で実施された湿性沈着の観測データを収集し、(1)綾里、狛江、五島におけるNO3-/nssSO42- 濃度比の経年変化と季節変化;(2)近年のNO3-/nssSO42- 濃度比の地理分布と時間変動の変化;(3)日本列島のNO3-/nssSO42- 濃度比に及ぼす東アジア地域のNOx/SO2排出量比の変化の影響について検討を行った。日本列島におけるNO3-/nssSO42- 濃度比の経年変化をみると、濃度比が大きく増加したのは、いずれの地点でも1980 年代から1990 年代であり、2000 年代になると変化は明瞭でなくなった。狛江と綾里における濃度比の変化には、2000 年夏季に始まった三宅島の噴火の影響が認められる。1980 年代から1990 年代に綾里と五島でみられた濃度比の増加率は、この間の東アジア地域におけるNOx/SO2 排出量比の増加率に近い。これに対して狛江における濃度比の増加率は、綾里や五島よりもかなり大きく、首都圏の大気中で生成された硝酸の影響を受けたことが示唆される。日本列島におけるNO3-/nssSO42- 濃度比の地理分布をみると、濃度比は太平洋側と日本海側を含めた本州の中央域で全般に大きく、北東域と南西域では小さい。2000 年代のなかごろまで横ばいで推移してきたNO3-/nssSO42- 濃度比は、2000 年代のおわりには増加に転じた形跡がある。その傾向は日本列島の広い地域で認められるが、とりわけ西日本地域の日本海側で顕著である。もしこうした濃度比の変化が、当該地域における排出量の変化と関係したものなら、その理由としては NOx 排出量の増加、あるいはSO2排出量の減少、さらにはその両方が関係しているのではないかと考えられる。既往のnssSO42- 沈着量とNO3- 沈着量に対する排出源寄与率の解析結果をふまえると、中国大陸における排出源の変化、とくにSO2 排出量の頭打ちが濃度比の増加に関係している可能性は大きい。
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  • 神成 陽容, 國領 和夫
    48 巻 (2013) 1 号 p. 20-34
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    1980年から2010年にかけてのNOx, PM, SO2, CO, NMHC, NH3 , CO2等の我が国における自動車からの総排出量を、最近の知見をふまえて推計した。推計モデルは、排気管から排出されるホットランニング排出、コールドスタート排出、NMHC の蒸発排出の各モデルからなる。各汚染物質の排出量は、走行量の変化、貨物車のディーゼル化の進行、一時的なディーゼル乗用車の流行、2ストローク軽自動車の退場、排出規制の段階的な強化、それに対応した排出対策技術の革新、燃料中の硫黄分の大幅な低減、ガソリンRVP の抑制 等の歴史的な変化を受けて、固有の推移をたどったことが推定された。これらの知見は、環境濃度の推移に関するデータ解析やシミュレーションによる再現、あるいは社会学的評価において有益であると考えられる。
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  • 松本 淳
    48 巻 (2013) 1 号 p. 35-42
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    光化学オキシダントの秒~分単位での現象を捕捉するため、レーザー誘起蛍光法(LIF)を活用した NO2, ポテンシャルオゾンPO (= NO2 + O3) の同時連続測定装置を構築した。装置は、1 台のレーザー光源と真空ポンプに2 つの LIF セルを直列に配置してある。PO 測定時には、LIF セル導入前の試料に NO を添加し、O3 NO2 に変換した。NO 添加条件を最適化した結果、O3 の変換効率0.98 を達成した。 NO2, O3 の検出下限は 2.7 ppbv, 2.9 ppbv1 s, S/N = 3)となり、秒単位の時間分解能で ppbv レベルの連続測定を実現した。標準ガスおよび実大気試料について、本装置の応答は既存オゾン計と良く一致し、O3 定量の妥当性を確認した。夕方の都市郊外大気について実用試験を行なった結果、今回の観測では、ポテンシャルオゾン34 ppbv の空気塊に発生源排気(NO2/NOX 0.12)が混合した大気試料を捕捉していたことがわかった。
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ノート
  • 前島 裕介, 松本 潔, 石井 康一郎, 石川 剛弘 , 今関 等, 中村 紀雄, 井川 学
    48 巻 (2013) 1 号 p. 43-48
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    スギ花粉のためにわが国の都市部において花粉症患者が増加し、大気汚染物質がこの症状に影響を与えていると考えられる。われわれは飛散していないスギ花粉と飛散したスギ花粉を採取し、分析した.エアロゾル中のスギアレルゲンCry j 1 の濃度は大気中の花粉濃度とともに増加したが、様々な要因に影響されて値は変動した。マイクロビームスキャニングPIXE による元素分析を行った結果、花粉表面にエアロゾルが付着していることが確認され、付着した元素の濃度は大気中のエアロゾル中の元素濃度とともに増加していた。
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技術調査報告
  • 鳥山 成一, 溝口 俊明, 近藤 隆之, 木戸 瑞佳, 中谷 訓幸, 田中 敦, 西川 雅高
    48 巻 (2013) 1 号 p. 49-64
    公開日: 2013/04/22
    ジャーナル フリー
    立山地域の標高2,450mの立山室堂と標高1,180mの立山ゴンドラにおいて大気サンプルを採取し、VOCs30成分を測定して解析を行った。採取期間は2009 年8月中旬~10 月末、2010 年5月初旬~10 月末、および 2011 年5月初旬~10 月末であり、両地点での採取回数はそれぞれ165回、171 回であった。VOCs30 成分の年度別平均値では、2009 年度から2011年度にかけて低くなる傾向を示し、少しきれいな環境になっていることが示された。VOCs30 成分中比較的高い濃度を示したものは、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、p-ジクロロベンゼンであった。後方流跡線解析から発生源地域を分類したところ、東アジア由来が立山室堂で 64%、ゴンドラで 38%を占めた。月別では、夏季には、ベンゼンの濃度が低く、同時に東アジア由来の割合が少ない傾向が見られ、ベンゼン濃度は東アジア由来と連動していると考えられる。両地点での濃度は、都市部と比べるとクロロホルムが同等である以外は、全ての成分で低く、かつ、沖縄県辺戸岬とはほぼ同程度であった。山岳地帯との比較では、両地点でのベンゼンとトルエンの濃度がスイスのユグフラウヨッホよりわずかに高かった。ベンゼン/トルエン比が東アジア由来の指標となることは、この3年間の両地点でのデータでも確認された。
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