森林樹冠による大気エアロゾル中微量金属の捕捉能の解明を目的として、2012年4月から12月まで神奈川県川崎市多摩区にある日本女子大学西生田キャンパス内水田記念公園(約18 ha)で、主要樹種であるスギとコナラの地上から5 m付近の生葉とともに林外雨と林内雨を一ヶ月ごとに採取し、ICP-AESで微量金属元素10種 (Al, Cd, Cr, Cu, Fe, Mn, Ni, Pb, V, Zn) を測定した。このうち、5元素 (Cd, Cr, Ni, Pb, V) は検出限界以下であった。森林端のコナラ葉中金属含有量は葉の展開とともに増加し、11月に葉中金属含有量が最大となった (8.9 µg/cm
2)。森林内に比べて森林端で2.5倍高く,森林のエッジ効果によるものと考えられたが、エッジ効果は元素によって異なった。観測期間中のコナラ樹冠による総金属捕集量を推計したところ、35〜81 kgであった。
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