O
3誘起によるHOx (OH, HO
2) ラジカル生成速度直接測定装置の開発を行った。大気試料にO
3を添加して反応管に導入し、生成したROx (OH, HO
2, RO
2) 濃度をPERCA/LIF (PEroxy Radical Chemical Amplification/Laser Induced Fluorescence) 法を用いて測定することで、反応により生成するHOx量を評価した。測定したROx濃度は添加したO
3濃度の関数として表される。測定したROx濃度についてO
3濃度が0 ppbv近傍での傾きを求め反応時間で除することによって、単位O
3濃度および単位時間あたりのラジカル生成速度である
PHOxを定義した。本実験装置におけるROxの壁面消失を見積るためisopreneとO
3を用いた基礎実験を行った。測定により得られたROx濃度とMCM計算モデル (ver. 3.2) により得られたROx濃度から、壁面消失を見積もる装置関数
Kを
K=0.42×[O
3]
0.048と決定した。測定した
PHOxの値は
Kを用いて補正した。実大気中のNO
xおよびO
3によるバックグラウンドの変動を避けるため、大気試料の
PHOx観測時には大気試料を一度テドラーバッグに捕集した。2013年7月の京都大学構内において、大気試料の
PHOxおよびROx濃度の観測に成功した。両者は昼高く夜低い同様の傾向を示した。
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