大気環境学会誌
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49 巻 , 4 号
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あおぞら
総説
  • 黒川 純一
    49 巻 (2014) 4 号 p. 167-175
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    急速な経済成長に伴う大気汚染物質、地球温暖化関連物質の排出量の増大により、アジアの大気環境の悪化は深刻化している。したがって、効果的な発生源対策の実施が急務であるが、そのためには、まず、アジア諸国の排出構成が詳細に把握されていなければならない。また、大気環境と発生源との関係の把握や、対策効果の検討には大気化学モデルが必要であるが、それにはグリッド化された高精度の排出量データが不可欠である。本総説では、これまでボトムアップ法、インバージョン法の両面から実施してきた、アジアを対象とした排出インベントリ研究の概要を紹介する。ボトムアップ法を用いた研究については、アジア域排出インベントリREAS (Regional Emission inventory in ASia) 2.1 (http://www.nies.go.jp/REAS/) の概要と、その結果に基づき、近年のアジアにおける大気汚染物質、地球温暖化関連物質の排出状況を解説する。インバージョン法を用いた研究については、衛星観測データと排出量逆推計モデルによるボトムアップ型排出インベントリの検証について、中国NOx排出量を事例に概要を解説する。
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原著
  • 岩田 智秀, 中井 里史
    49 巻 (2014) 4 号 p. 176-186
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    摂取比率 (Intake Fraction, iF) は、対象とした排出源から、環境中に排出された汚染物質のうち、最終的に人に摂取される比率であり、様々な政策評価に利用されることが想定されている。平成14年(2002年)に提案されて以降、海外では特に自動車排出ガスを中心に、様々な大気拡散モデルを用いてiFが推計されているが、日本ではiFに関する研究は皆無に等しい。本研究では、プルーム・パフ型大気拡散モデルAIST-ADMER 2.5.0を用いて、各都道府県から排出される自動車排ガスに対するiF値を推計し、わが国でのiF値の特徴を検討した。iF値の推計結果は、ベンゼンが2.7×10-6~130×10-6、1,3-ブタジエンが1.8×10-6~84×10-6と、発生都道府県によって最大で約50倍の違いがみとめられた。海外におけるiFの報告値と比べると、全般的に高い傾向を示していた。また、解像度を増加させるとiF値が増加する可能性があることや、排出速度と気象条件の経時変化を考慮することでiF値が大きく低下する可能性があることが示唆されたため、異なる推計方法によるiF値の違いに関するさらなる定量的検討が、今後必要になると考えられる。
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  • 村岡 俊彦, 古澤 尚英, 今村 修, 北岡 宏道
    49 巻 (2014) 4 号 p. 187-197
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    大気汚染防止法に基づく有害大気汚染物質の九州・山口地方でのモニタリング調査において、経年的な濃度増加傾向の可能性が見られた1,2-ジクロロエタンについて、その経年変化に対する大陸越境移流の影響に関する解析を行った。九州・山口地方の低濃度地点の経年変化は、2004年度頃から明らかな上昇傾向を示し、また他地域の経年変化よりも増加傾向が大きかった。また、後方流跡線より、各地点の調査日を気塊の大陸経由の有無で区別することで、大陸越境移流の影響を検証した。その結果、大陸経由時の方が、濃度レベルが明らかに高く、さらに、大陸経由時の濃度レベルが最近上昇傾向にあることがわかった。これらの解析結果から、この地域での1,2-ジクロロエタン濃度の経年的な上昇傾向は、大陸経由の気塊の濃度レベルの経年的増加の影響を受けたものと判断された。その一方で、南方海域方面のバックグラウンド域を気塊が経由する場合においても、大陸経由時ほどではないものの、経年的に増加する傾向が認められ、対流圏内での大気循環により、1,2-ジクロロエタンの対流圏濃度レベルが上昇していることが示唆された。したがって、1,2-ジクロロエタン濃度の経年変化は、この対流圏濃度レベルの上昇をベースに、大陸越境移流の影響が上乗せされた状況にあるものと考えられた。
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技術調査報告
  • 大石 興弘, 濱村 研吾, 藤川 和浩, 村野 健太郎
    49 巻 (2014) 4 号 p. 198-206
    公開日: 2015/01/19
    ジャーナル フリー
    福岡県(福岡県保健環境研究所)における1995年度から2011年度までの17年間の湿性沈着の分析結果を基に経年変化を検討した。pHの全平均値は4.68で、やや低下傾向にあったが、ここ数年横ばい状態にある。初期酸度を示すpAi=-log (nss-SO42-+NO3-) はpH同様低下傾向にあったが、最近やや高くなる傾向にある。主な成分であるnss-SO42-、NO3-、NH4+、nss-Ca2+濃度はいずれも参照値(全環研協議会酸性雨全国調査結果2003~2008年度の平均値) より高い値であり、沈着量も同様であった。成分組成では、秋期、冬期は海塩の割合が大きいが、春期、夏期は小さかった。春期、夏期の非海塩由来成分ではnss-SO42-が陰イオンの約50%、NO3-が約25%を、陽イオンではH+、NH4+、nss-Ca2+がそれぞれ20~30%を占めた。各成分沈着量の季節別経年変化について、nss-SO42-沈着量は各季節共に2000年度前後にやや減少しそれ以後増加傾向を示すが、2008年度前後から減少に転じる傾向が見られた。特にこの傾向は冬期に見られ、中国のSO2の排出量の経年変化に類似していることから、これを反映している可能性が考えられた。NO3-もほぼ同様の経年変化を示すが、NO3-/nss-SO42-比は高くなる傾向にあり、冬期に顕著であった。 NH4+ の沈着量はやや減少傾向にあるが、nss-Ca2+の沈着量は2000年代半ば以降、春期にやや高い値となっており、nss-Ca2+/NH4+比は0.4を超える値で推移していた。最近、pHは低下傾向から横ばいとなり、nss-SO42-の湿性沈着量も減少傾向が見られており、東アジアから九州北部への移流影響は減じていることが推測される。
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