ハツカダイコンを20/13℃, 25/18℃, 30/23℃ (日中/夜間) の3種類の温度条件下で生育させ, 乾物生長に対するオゾン (O
3) の影響を調べた。自然光型ファイトトロン内で各温度条件区において, ポット植えの個体に播種後11日目から17日目までの7日間毎日0.1ppm (v/v) のO
3を1日当たり4時間 (10: 00~14: 00) 暴露した。O
3暴露後 (播種後18日目), 葉面積と各植物器官の乾重量を測定し, その結果より生長解析を行った。25/18℃ 区および30/23℃ 区の個体当たりの乾物生長は7日間のO
3暴露によって20%減少した。生長解析の結果より, 乾物生長の低下は純同化率の低下が原因であると考えられた。これに対して, 20/13℃ 区では個体当たりの乾物生長は7日間の0
3暴露によって影響を受けなかった。
純光合成速度に対する0.1ppm O
3の影響を調べた結果, 4時間のO
3暴露によって25/18℃ 区および30/23℃ 区の純光合成速度はO
3暴露前に比べてそれぞれ10.8%および13.5%減少した。しかし, 20/13℃ 区の純光合成速度はO
3による影響をほとんど受けなかった。4時間の03暴露中の平均純光合成阻害率と単位O
3吸収量当たりの平均純光合成阻害率は30/23℃ 区≧25/18℃ 区>20/13℃ 区の順であった。
これらの結果より, 20/13℃ 区に比べて25/18℃ 区および30/23℃ 区のような高温条件においてO
3による乾物生長の阻害が大きくなるのは, 高温条件下においてO
3による純光合成の阻害が大きくなることが原因であると考えられた。
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