地球温暖化の要因物質であるCO
2について, 既報のガソリン自動車に続いて, ディーゼル自動車とLPG自動車の排出係数と排出量を求め, さらにそれらにガソリン自動車の結果を加えて, 我が国における自動車からのCO
2の排出総量を推定した。
ディーゼル自動車, LPG自動車のCO
2排出係数は, 理論計算ではそれぞれ 2.61 (kg/
l), 3.09 (kg/kg) であるが, 走行時にはCO, HC, 粒子状物質等の生成によりその値は変化し, ディーゼル自動車について2.34 (kg/
l), LPG自動車について0.01 (kg/kg) という結果が得られた。これらの排出係数に自動車用軽油およびLPGの販売量の統計データを乗じ, ディーゼル自動車, LPG自動車からのCO
2排出量を求め, これらのガソリン自動車からのCO
2排出量を加え, 我が国における自動車からCO
2の排出総量を推定した。1987年度の自動車からのCO
2の排出総量は144,077×10
3トンであり, その内訳はガソリン自動車88, 554×10
3トン (61.5%), ディーゼル自動車50,996×10
3トン (35.4%), LPG自動車4, 527×10
3トン (3.1%) であった。経年的には, ほぼ毎年増加しており, 最近の1979年度~1987年度の9年間では前年度比で平均約2.3%の増加を示し, 特にディーゼル自動車の寄与が大きいことが認められた。
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