大気汚染学会誌
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29 巻, 1 号
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  • 伊豆田 猛, 大津 源, 三宅 博, 戸塚 績
    1994 年 29 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    3品種 (ユキコマチ, コメット, ホワイトチェリッシユ) のハツカダイコン (Raphanus sativus L.) に, 播種10日後から, 0.15μl・l-1のオゾンを, 1日当たり4時間 (10: 00~14: 00), 5日間/週で, 野外に設置したオープントップチャンバー (OTC) を用いて暴露した。播種17日後に, 植物を収穫し, 葉面積と乾重量を測定した。また, 播種13日後の個体に, 0.15μl・l-1のオゾンを4時間暴露し, ガス交換速度を測定した。
    個体当たりの乾物生長に基づいたオゾン感受性は, ユキコマチ>コメット>ホワイトチェリシュの順に高かった。また, 純同化率および平均純光合成阻害率におけるオゾン感受性も同様な傾向が認められた。ユキコマチのオゾン吸収速度は, 他の2品種と有意な差はなかったため, オゾン吸収速度の違いによって, 純光合成速度におけるオゾン感受性の品種間差異は説明できなかった。これに対して, 単位オゾン吸収量当たりのCO2吸収量の阻害率は, 各品種間で異なり, ユキコマチ>コメヅト>ホワイトチェリッシュの順に高かった。
    以上の結果より, ハッカダイコンにおいては, 乾物生長に基づいたオゾン感受性の品種間差異に, 単位オゾン吸収量当りの純光合成阻害率が関与していると考えられた。
  • 坂本 和彦, 広田 祐二, 根津 豊彦, 君島 克憲, 奥山 正喜
    1994 年 29 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    自動車の走行に伴って大気中に排出される, 大気浮遊粉じん中のタイヤトレッド摩耗粉じんの熱分解生成物であるチオフェン, 2-メチルチオフェンおよび3-メチルオフェンの定量方法について検討した。大気浮遊粉じんの熱分解生成物中のこれら3成分を定量する際に妨害物質になると考えられるものは, 粉じん中に存在する硫酸塩とアスファルト粉じんであるため, これらの除去方法について検討した。大気浮遊粉じん中の硫酸塩についてはその熱分解生成物であるSO2ピークが大きく現れ, そのテーリングにより, チオフェン類の定量は不可能であったが, 粉じんを捕集したフィルターをイオン交換水により洗浄抽出することで, 粉じん中の水溶性硫酸塩を定量的に (平均抽出効率99.4%) 抽出除去することができ, 3成分の定量が可能となった. 一方, アスファルト粉じん由来のチオフェン類からの妨害についても, ベンゼン/エタノール (4: 1, V/V) 溶液で洗浄抽出することでその妨害をほぼ完全 (99%以上) に除去することができた。以上により, 大気浮遊粉じん中のタイヤトレッド摩耗粉じんの熱分解生成物であるチオフユン, 2-メチルチオフェンおよび3-メチルチオフェンの定量が可能となった。本定量方法を実試料に応用したところ, 大気浮遊粉じん中のタイヤトレッド熱分解生成物である3成分の濃度は一般にチオフェン, 2-メチルチオフェン, 3-メチルチオフェンの順に高かった。
  • 個人曝露レベルと屋外空気汚染レベルとの比較
    高木 敬彦, 羽田野 昭, 光崎 研一, 後藤 純雄, 松下 秀鶴
    1994 年 29 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    空気中のがん・変異原物質への個人曝露へ及ぼす要因に関する研究の一環として, 1991年2月, 5月, 7月および10月にそれぞれ1週間ずつ連日, 携帯用ミェポンプおよびハイボリウムェアサンプラーで個人曝露浮遊粒子および大気浮遊粒子をそれぞれ採取し, その変異原性をSalmonella typhimuriumTM677株によるultramicro forward-mutation法を用いて測定した。また, 各試料の採取と共に, 質問表を用いて喫煙, 受動喫煙などの状況を調査し, 変異原性データの解析に用いた結果, 協力者の喫煙の本数が多くなるとそれに比例して当該物質への個人曝露濃度レベルも高くなる傾向が認められた。また, 喫煙の影響を含まないと考えられる個人曝露試料の試験値のみを用いて, 大気浮遊粒子試料の試験値と比較検討した結果, 大気中濃度と個人曝露濃度との明確な相関は認められず, 喫煙以外の曝露要因, 例えば暖房, 換気などの影響が示唆された。これらの結果から当該物質への人体曝露量の把握には, 屋外空気を対象とした調査ばかりでなく個人レベルでの調査が重要であることが認められた。
  • 上野 広行, 辰市 祐久, 岩崎 好陽
    1994 年 29 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    一般ごみを焼却する焼却炉施設におけるN2Oの排出状況を調査した。その結果ごみ焼却炉から排出される排ガス中のN2O濃度は1~20ppm程度であり, その濃度は焼却炉の炉内温度に大きく依存していた。炉内温度が700℃以下では25PPm程度でほぼ一定であるが, 900℃以上では5PPm以下になっていた。また, 排ガス中のNOx濃度とN2O濃度とは, 逆相関の傾向にあった。これらのことは, N2O分解実験の結果から, 高温になるとN2Oの分解反応が優勢になるためと考えられた。尿素噴霧, アンモニア注入による触媒脱硝は, N2O濃度を増加させる傾向にあった。
    さらに, ごみ焼却炉から排出されるメタン濃度については, 焼却能力が150t/d以上の炉では1ppm前後であったが, 焼却能力がそれ以下の炉では500ppmを超える場合もみられた。
  • 池浦 太荘
    1994 年 29 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1974年4月より1990年3月までの16年間デポジットゲージ法による降下ばいじんの調査を, 行橋市内8カ所において実施した。その結果, 水溶性成分降下量は調査開始以来おおむね低下傾向にある事, 貯留水のpH値は大部分が4.00~4.99の間にあり調査開始以来酸性化の傾向を示している事が分かった。また, 冬季の行橋市は降雨量が少なく乾燥しており西寄りの季節風が卓越するために, 採掘現場やセメント工場等で発生した粉塵が行橋市まで到達し, 酸性の貯留水をある程度中和するためにpHが他の季節と比べて高くなる事が示唆された。
  • 幸田 清一郎
    1994 年 29 巻 1 号 p. A1-A9
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 大気汚染研究に関連して
    遠藤 朝彦
    1994 年 29 巻 1 号 p. A10-A21
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 電気自動車用急速充電スタンドの現状と今後
    中村 正治
    1994 年 29 巻 1 号 p. A22-A24
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 白戸 睿
    1994 年 29 巻 1 号 p. A25-A29
    発行日: 1994/01/10
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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