太成学院大学紀要
Online ISSN : 2423-8945
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16 巻
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • 新中学校学習指導要領による英語テキストの分析と検討
    井手 裕美
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 1-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    英語科学習指導要綱は, 平成24年4月1日から全面的に改善実施となり新英語テキストに反映されている。公立中学校での指導に用いられる教材は「聞くこと」, 「話すこと」, 「読むこと」, 「書くこと」, の4技能を総合的に活用できるように作られている。 文法はそれらの基礎と位置づけられ, 言語活動と一体的に指導される。これに伴い単語数は, ゆとり教育時代の約900語から1200語に増加した。本稿使用の『NEW CROWN ENGLISH SERIES 1/2/3』では計1470語が提出されている。授業時間数は105時間から140時間と増加したものの, 新テキストによる指導内容を通じて, 言語や多様な文化を理解させ, コミュニケーション能力の基礎を作り, 高等教育につなげていくために, 1, 2, 3学年の各々において, 内容構成はどのようになされているのであろうか。またこれらの内容を有効に指導するためには何が必要であろうか。
  • 猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 11-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    フィールドワークの評価は,学生の主体性や行動力を点数化することで表している。点数は学修成果の評価となり,学修成績として扱われる。一昨年まで学修成果はレポート等で行っていた。しかし,昨年度よりフィールドワークの評価方法の改善を模索の中で,評価基準表を作成し試行錯誤的に活用して実施した。今年度は,前年度の評価基準表の問題点を改善して学生に取り組ませた。このことにより,前年度を上回る学生のパフォーマンスが期待された。しかし,例年より参加者が減少し,少人数でのフィールドワークであったため。改善された評価基準表では,教員が求めているパフォーマンスをうまく引き出せなかった。一人の学生の発言や行動が少人数であるゆえ,他の学生に及ぼす影響が大きかった。
  • 津山市在住者を対象とした観光地認知度調査と分析
    猪池 雅憲
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 19-25
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    前回,平成22(2010)年に津山市の街頭にて調査票調査による観光地認知度調査1)を実施した。調査結果は,10歳代の回答者において他の年代とは著しく異なる結果が出された。今回,平成25(2013)年は20歳以上の津山市在住者を対象者として調査を実施。また,観光地を精査して調査票を再作成。調査8項目の観光地認知度は,津山城(鶴山公園)100%,津山自然のふしぎ館81%,津山洋学資料館88%,衆楽園96%,城東町並み保存地区88%,長法寺(あじさい寺)80%,城西浪漫館70%,旧津山扇形機関車庫73%。調査7項目(注1)において認知度(注2)は前回調査より高い評価が得られた。調査対象の観光地は,観光地認知度が70%を超える調査結果であった。しかし,観光資源として活用するならば,地元・地域の人が「知らない」と回答した割合の大きい観光地については,魅力ある施設として改善していくことが求められる。津山市観光協会は,積極的に観光資源をPRし,地元・地域の観光認知度を高め,観光資源により磨きをかけていってほしい。それが,津山市を来訪する観光客にとって,魅力ある観光地になるのではないかと考える。
  • 金杉 高雄
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 27-36
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    「毎度 ! 儲かってまっか 」,「えぇ、ぼちぼちでんなぁ」。大阪人のことばの文化, 話の本題へ入る前のこのようなあいさつの文化の背後にはその地域の人々にしか分からない伝えることばの奥深さがある。ことばを使って相手に自分の意図を伝える場合, 直接的もしくは間接的に伝える方法がある。話し手が字義通りに解釈することを聞き手に期待するのではなく, 言外の意味を読むことを聞き手に期待する間接的な表現の場合, ことばと真意との間にはギャップが生じる。間接的に自分の意図を相手に伝える場合では, 聞き手はそのことばの背後に隠された素顔の人間心理を顔の表情, 声のトーン, 身振り, 手振り等から読み取らなければならない。このような自分の意図するところを字義通りではなく間接的に相手に伝える活動は人間のみが発達させた手法である。そこでは, 時にメタファー・メトニミーのレトリックが用いられる。言外の意図を探ることを話し手が聞き手に求める人間心理の背後には話し手の置かれた状況と生まれ育った環境、経験からの背景知識が相互に関わりあっている。話し手が伝えたい真の意図を聞き手がうまく捉えられない場合に考えられることは認知主体間の主観性が大きく影響を及ぼしていることである。
  • 小高 恵
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 37-48
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    青年期の親子関係は,親離れ子離れの時期であり,変動の時期である。本研究においては,母との関係に焦点を当て,青年の認知する「母の子に対する態度・行動」と「子の母に対する態度・行動」の構造分析を行った。また構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling)を適用し,男女の 2集団の同時分析により,両者の関連について検討した。
  • 嶋崎 裕志
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 49-56
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    文化は,人間の精神的・内面的な生活にかかわるもの,文明は,人間の技術的・物質的所産と考え,「近代合理主義」の担い手である,デカルトとカントの主張である,「神の存在の実証性」の問題点を取り上げ,カントの「神の存在の証明は不可能である」という提案,そして「文化を支えている宗教の実証性の問題点」を確認した。このカントの論証は,近代合理主義を後ろ盾として,人間の意識と人間の人格を支える,人間の文化と文明を一段上に止揚したと考えられる。文化だけでなく,文明,そして文明の利器により,人間の意識は変容を遂げるので,人類の狩猟期における「矢じり」,そして現代における「電磁気」が,具体的な実体をもったものとして,人間の日常的な意識レベルと人格の形成過程において,強力なサポーターとして働きかけている。
  • 初期柄谷行人の主題について
    田中 秀生
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 57-66
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    柄谷行人の仕事は,初期の文芸批評から形式化および外部性の問題へ,そして2000年前後からの現実へのコミットメントへ,といくつかの転回を経ているが,その核となっているものは重心を移動させつつ連続していると思われる。本稿では,この核につながる一つの主題,即ち,本性的に欺瞞的な意識に対し真正なる違和を突きつけるものとしての存在の次元を見定める,という視角の内容と意味について,主に初期の批評作品および当時に関する証言等を題材に照明を試みる。
  • 太成学院大学の関西学生バスケットボールリーグ戦4部リーグでの戦い
    高橋 清
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 67-72
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は2012年9月1日〜10月14日まで開催された,関西学生バスケットボールリーグ戦4部リーグで太成学院大学バスケットボール部が対戦した11試合を対象とし,「攻撃回数」,「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」,「リバウンド獲得数」,「ターンオーバー数」が試合にどのような影響を及ぼすかについて,分析を試みたものである。 その結果,2012年度関西学生バスケットボールリーグ戦4部リーグでの太成学院大学バスケットボール部の戦いが明確になった。「攻撃回数」においては,目標数値の76.0回を上回る,76.8±5.8回であった。「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」は,2012年度のチームの特徴を活かした,オフェンスを展開することが数値より認められた。「リバウンド獲得数」においても,日々の取り組みが数値として認められた。「ターンオーバー数」では,フェンダメンタルの重要性が再確認された。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
  • 高山 昌子
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 73-77
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では,大学新入生を対象に大学体育実技授業を通してどのような気づきや変化があるかを検討することである。対象者は,「レクリエーション実習」を受講している大学新入生である。授業の初回と最終回に質問紙調査を実施し,分析をおこなった。その結果,ライフスキル尺度を構成する目標設定因子と適応感尺度に授業前後で得点が有意に向上した。また,学生の課題を分析し分類したところ,ライフスキル獲得につながる要因を得ることができた。
  • 英語教育における母語話者英語の規範と学習者の志向
    道本 ゆう子, 中村 真規子
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 79-87
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,国際化社会に適応した英語力を身につけるため,英語教育において目指す英語のモデルが「母語話者(native speaker)」の英語であるべきか,それに代わるモデルであるべきか,活発に議論されている(e.g. Munro, 2008; Kachru and Nelson, 2008)。しかし,結論は出ないまま,議論が終息する気配はない。一方で,英語学習者自身はどのような「英語」目指し,学習しているのか,多様な「英語モデル」に対する学習者の志向について多くの実証研究が行われている(e.g. Kachtu, 1976; Shaw, 1983; Benson, 1991)。本論では,Subtirelu(2013)の研究を中心に,学習者が目標とする「英語モデル」(Learner's preference)について論じる。また,それに関連して,言語習得に影響を及ぼす学習者の社会・心理的適応に関する"integrativeness"についても論じる。
  • 自己の視点の獲得との関連から
    林 美代
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 89-95
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,幼児の道徳性の芽生えを培うための実践モデルを構築することを目的としている。そのために,幼児の対話(このことに関しては,「幼児の生態」として捉えた詳細な観察記録(未発表)から抜粋した)とその内容に注目し,該当幼児(今後は事故と表現することもある)の視点を獲得する過程における教師の援助を考察した。その結果,(1)トラブルの当事者同士が主張できる環境作り,(2)主張理由の重要性,(3)納得できる意見に従うこと,の3点が重要であるとした。
  • 八木 一成
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 97-100
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    石油生産の頂点である石油ピークが2010年から2020年に到来すると言われる1)中で,可能な限り化石燃料に依存しない食糧生産とその流通の仕組みの構築は日本の食糧自給の観点からも重要である。自然の循環を最大限に利用する有機農業を中心に地域社会の構築を見直すことは,環境負荷を低減させるだけでなく,生産者と消費者の垣根を越えた食糧生産の仕組みを作り出すことを意味している。本稿では第14回日本有機農業学会大会での議論の内容を踏まえ,有機農業を取り巻く問題,特に有機JAS認証制度の問題点と参加型有機認証制度(PGS)の可能性について論じるものである。
  • 大学生リポートによる回想と評価
    尾島 重明, 杉山 佳菜子
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 101-112
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    キャリア教育とは,中教審の答申で「一人一人の社会的・職業的自立に向け,必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して,キャリア発達を促す教育である」と定義されている。端的に言えば,「生き方」探究教育である。そのため就学前の幼児期の段階から大学に至るまで,全ての学校種で体系的・系統的に実践されるものである。本研究では,青年期を迎えた大学生が,「今の私が完成されるまで」という課題作文を通して,幼少期から現在に至るまでの生活をどのように想起し,評価しているのか,そしてそれが自分にとってどのような意味があったのか,を明らかにし,キャリア発達の過程を探る。今回は,自分の幼児期(幼稚園・保育所など)の生活体験などを回想し,それをどのように自己評価しているのか,そして幼児期に必要な「キャリア教育」とはどのようなものであるか,その一端について探る。
  • 瀬川 滋
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 113-122
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    産業革命以降人の価値観の源泉は所有が全てであったが,そのような中でも貸物屋とか銭湯のような利用の文化が存在していた。しかし近年リ-スという考え方が現れてこの方,人々の考え方が多様化し,また世の風潮がストックからフローへと変わっていったこともあって,所有しなくても利用すればという考え方が蔓延っていった。その後のICTの大きな進化,さらには環境問題の深刻化から廃棄にもコストがかかるという時代を迎えたこともあって,所有から各種サービスの利用へという流れが加速した。このように価値観が変化していく中で,個人も企業もそのような変化を踏まえた行動・サービスの提供をしていかないと世の中から取り残されてしまう。
  • Rural Development Management Strategies to address a Vital Element of Rural Alaska Sustainability
    Hiroyuki MATSUURA, Anthony Tadashi NAKAZAWA, Ted JACOBSON, Doug HU ...
    原稿種別: Article
    2014 年 16 巻 p. 123-134
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    Alaska's small remote rural or "Bush" communities rely on barges from Seattle or airplanes from Alaska regional centers to bring in fuel and other supplies. Their solid waste problem is significantly impacted by high transportation costs for these off-the road system villages. It is too expensive for remote rural communities to ship solid waste out by barge or airplane. The situation in remote rural Alaska has been neglected and there are serious challenges to air and water quality. The focus on the global environment is also bringing international attention to their Solid Waste Problem. We will provide an analysis of Bush Alaska's solid waste problems based on facts gathered from our field work and presented are some possible technology transfer solutions with involving some evolving Japanese environmental technologies.
  • 尾上 孝利, 豊留 静香, 中島 江梨, 徳野 朱保, 花木 美穂, 今宮 弘子, 末吉 弘子, 丸尾 進, 足立 裕亮
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 135-146
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    看護補助者が院内感や排泄援助の知識と技術を高める資料を得るために排泄介助時(おむつ交換)にディスポーザブル手袋やエプロンに付着した細菌の実態を検討した。看護補助者(以下補助者と略す)5名に各2人の便のある患者のおむつ交換を依頼し,手袋とエプロンおよび手の細菌分布と細菌数を調べた。その結果,1人の患者のおむつ交換をすると補助者の手袋の手掌側に多数の細菌が付着していた。グローブジュース法で手当りの細菌数を測定すると104〜106cfu/片手袋の細菌が検出され,手当りの細菌数に匹敵していた。選択培地を用いて菌種を調べるとブドウ球菌とMRSAはほとんどの補助者と患者の組み合わせで認められたが,大腸菌の頻度は低かった。エプロンからもほとんどの補助者と患者の組み合わせで細菌とブドウ球菌を分離した。以上の結果は,おむつ交換時には高齢者から補助者にたくさんの生きた細菌が移動することを示している。
  • 文献検討
    松井 達也
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 147-155
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的はアルコール依存症患者の看護における具体的な関わりに関する文献検討を行い,その現状を明らかにすることである。アルコール症の看護における関わりに関連する国内文献53編の文献検討を行った結果,看護ケアや看護師に焦点を当てた論文は53編であり,調査研究は18編,事例研究は35編あった。調査研究には,患者からの攻撃的言動と看護師の対応,業務内容に関する調査など,事例研究には急性期から治療の動機づけ,依存症の自覚のようなものを持ってもらうなどの関わりが報告されているが,いずれも事例報告に終わっていた。また国外文献は24編あり,スクリーニングや初期介入が行われている一方でスタッフの知識面の不十分さや態度面における消極的な態度が見られ,教育の必要性が指摘されていたが,具体的な看護の関わりや介入方法についての実態調査は見られなかった。このようにアルコール依存症患者の具体的な看護の関わりや介入方法については十分に行われておらず,実態調査が求められていた。
  • 「生きる力」・社会人基礎力・「キー・コンピテンシー」の比較考察を通して
    吉岡 由喜子
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 157-165
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    複雑化した現代の医療現場を生き抜くために看護師に求められる人間力を,「生きる力」,社会人基礎力,「キー・コンピテンシー」の3つの力の比較考察を通して検討した。 「生きる力」は,試験で測定できる「確かな学力」に偏る傾向があった。社会人基礎力は,「働くための基礎の能力」に特化しているため,具体化しやすく,また,働く場によっても変化させやすいことがわかった。一方,複雑な社会での行動,ワーク・ライフバランスについては述べられていなかった。「キー・コンピテンシー」は,複雑で矛盾もある社会を,「個人の人生の質(quality of life:QOL)」と「うまく機能する社会」の両方のバランスを取りながら生活するために考えられており,複雑な社会での行動の仕方,自己と他者,自己と社会,現在と将来のバランスをとる重要性が述べられていた。このことから「キー・コンピテンシー」と社会人基礎力を組み合わせることで,現代の看護師に求められる人間力に近づく可能性が示唆された。今後,具体的な教授方法の検討が必要である。
  • 普遍経済学における
    髙橋 紀穂
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 167-175
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿の目的は,意識のエネルギーと生産的労働によってもたらされるエネルギーを同一の地平で考えるジョルジュ・バタイユの思考を明確化することにある。議論は以下の手続きによって進められる。まず,バタイユの労働概念を,次に,彼の労働と言語との関係の思考を見る。続いて,彼が,ヘーゲル哲学の分析の中で,労働と言語的意識の両者を,エネルギー論というひとつの視点から捉えたことを示す。その後,その正当性をデリダの言語論から考える。そして,彼が思考した消費の倫理を示す。最後は,バタイユが現代のわれわれにもとめた「自覚」について考える。
  • 冨島 磨由美, 工藤 英男, 小高 恵, 吉川 博史
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 177-182
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    学習者がWebシステムの構築を学習する課題の一つとして「エゴグラム」を用いたWebプログラムの学習システムを構築した。この「エゴグラム」は,学習者が「ありのままの自分を知る」手がかりとして,「交流分析(Transactional Analysis)」1),2)の一技法である。本研究においては,さらに,交流分析を用いたWebシステムである「エゴグラムシステム(Ego-Gram system)」検証を行った。
  • 対話による啓発
    寺田 治史
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 183-194
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    前著論文(1)では,グルントヴィと牧口における人間教育の目的を「子どもの幸せ」にあることに言及した。その上で牧口,戸田を師と仰ぐ池田と,グルントヴィ,コルを師と慕うヘニングセンとの対談の内容を「対話」,「師弟論」,「生涯学習」の三つの視点から考察することを提案した。1)本稿では,対談集全体を上の三つの視点から考察するとともに,池田・ヘニングセン両者が持つ教育論および構想が深い理念部分で共鳴しており,且つ実践的に遂行されつつある様を紹介する。なお,筆者は2013年8月20日から10日間に渡って,14名の希望者を引率して6度目のデンマ-ク研修を行い,その途中,本論文を書くに当たって,ヘニングセン氏との語らいの場を持った。また,11月にはデンマ-クからの旅行者23歳の青年, E君のショ-トステイを我が家で受け入れ,デンマ-クに於ける若者文化について語り合った。さらに12月にはデンマ-クの女性シンガ-ソングライタ-,アンナケイを案内して広島市を訪れ,原爆慰霊碑に献花すると共に,市長をはじめ平和センタ-理事長らとの会談の場に同席した。筆者のこれら一連の行動も,池田・ヘニングセン対談に触発されたものである。両者における人間教育の思想理念が心ある人々の間で共有され始め,両国民の人間交流という形で友情,平和,連帯という方向に進み始めていることを実感している。本論文(2)では,両者の人間教育を志向する教育論が,子どもの幸せという教育のミクロから世界の平和,人類の幸福という教育のマクロまでを鳥瞰している様を読み解き,世界における「教育のための社会」実現の必要性についての考察を試みる。
  • いじめ自殺対策といじめ対策の基礎づけ
    中塚 健一
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 195-202
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,断続的に発生している学校でのいじめを苦にした自殺事件の報道などにより,「いじめ」が大きな社会問題となってきた。ただ,いじめが深刻な問題として認識されるのはよいが,いじめをタブー視し,気軽に議論できない風潮になっている側面もある。本稿は,児童・生徒の自殺事件によってクローズアップされることの多い「いじめ問題」の本質を,自殺と距離を保ちながら整理し,いじめの課題に取り組むための基礎づけとなることを目的とする。
  • 宮田 延実
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 203-212
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    学校行事に関する質問項目を学校評価の外部アンケートに設定する学校は多い。そこで,地域や保護者と連携して学校づくりを進めるといった学校評価の目的において,学校行事の果たす役割について考察した。まず,「学校評価等実施状況調査結果について(文部科学省)」の資料をもとに学校が自己評価をする上での課題として,学校の自己評価における客観性が低いこと,学校と保護者との評価観点がずれていること,学校の自己評価に対する学校の主体性が低いことを挙げた。次に,これらの課題を踏まえて,学校評価において学校行事が果たすための指針として,次のことを挙げた。それは,学校行事により育成する力の焦点化を図り,そのための指導方法を確立し,教職員が共通理解することが大切であること,そして,学校行事における一人一人の指導成果について学校が主体となって自己評価を行うとともに,外部アンケートの資料として実証的な方法で情報発信を行うことである。このような学校行事における指導と評価を学校評価に取り入れることにより,地域や保護者と連携した学校づくりができることを提案した。
  • 147の英語表記調査
    井手 裕美
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 213-219
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    我々は普段日本国内において多くの英語表記を目にしている。しかしながら, その中のどれ程を認識しているのかは不明である。本稿では日本国内で使用されている英語表記を, 日本人がどれだけ認識しているかを調査した。英語は, JR電車内, JR大阪とその周辺の駅, JR東京駅構内, 東京地下鉄電車内, 東京地下鉄駅構内, 神戸空港, 関西空港, 羽田空港, モノレール, 新幹線内の各場所で収集した。一般的に日本人は, どの英語標識表記を認識し, どれを認識していないのであろうか。
  • MS-Excelで解く実験計画法データの処理のプログラム化
    坂元 保秀
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 221-228
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    複雑に絡む要因系となる因子が特性に及ぼす影響を把握するためには実験が行われる。実験に取り上げられる要因の効果は,事前に計画された要因の水準の組合せで実験された特性のデータを採集して把握することになる。実験の計画に基づいて得たデータを統計的に解析・処理する方法は,実験計画法に基づく解析を行うのが基本である。本論は,一般的な実験計画法に基づいて得られたデータをMS-Excel上のファイルにコピーし,ボタンクリックでデータの解析結果を表示する方法としてマクロ(VBA)を用いてプログラム化したファイルシステムを紹介する。水準の増加やグラフ化もボタンクリックで表示できるようにした。
  • 長谷川 幹子, 戸田 千枝, 今宮 弘子, 山本 弘恵
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 229-235
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は,本学看護学部2年生の学生を対象に,看護学生に必要な接遇・マナーを身につけるために必要な日常生活態度の見直しについての教育方法を検討し,アセンブリ・アワーにおいて実施した内容・結果について述べるものである。実施した内容は,「主体的活動」と称した学生主体のグループ学習やハンドブック作成を通して,看護学生に必要な接遇・マナーを身につけるための日常生活態度の検討である。その結果,接遇やマナーに関する意見交換・触発・新たな視点の構築を認めた。また,自分たちが取り組んだ課題がハンドブックという形で可視化されたことは,達成感や意欲を高め,日常生活態度に関して多くの気づきをもたらした。今後は,今回の試みを評価する一貫としてアンケート調査を行うとともに,学生自らが考えたマナーや接遇の実践に向けて継続した接遇・マナー教育が必要である。
  • 梨木 昭平
    原稿種別: 本文
    2014 年 16 巻 p. 237-243
    発行日: 2014年
    公開日: 2017/05/10
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    養護教諭養成課程における「教職に関する科目」が養護教諭にとってどのような意義を持つのかを実践記録から明らかにし本学での取り組みを報告する。
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