成人看護学実践実習では,成人期の社会背景を踏まえながら,急性期・慢性期の疾患を持つ対象者の看護を臨地で体験を通して学ぶことが目的とされている。しかし,社会の現状により,高齢化,入院の在院日数の短縮化の理由によって,入院患者の状況に変化が出現している。学内での講義内容として,成人期の社会背景をとらえた看護をポイントに講義内容を展開してきているが,今日の入院患者の状況の変化に伴い,成人看護学実践実習での目的とする対象者に違いが生じていると考えられる。そこで,今回実態調査を行い,成人看護学実践実習でどのような対象者の年齢を受け持ち,どのような疾患が多いのかを調査した。その結果,成人看護学実践実習での対象者は,成人期の実践実習でありながら,対象者の約7割が高齢者を学生が受け持ち,実践実習を行っていた。疾患に関しても年齢と比例して高齢者が罹患する疾患を多く受け持って実践実習を行っていることがわかった。
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