太成学院大学紀要
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19 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 2016年度学生について
    池辺 晴美
    2017 年 19 巻 p. 1-6
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本学の人間学部健康スポーツ学科の実技授業受講学生を対象に文部科学省の新体力テストを実施した。その結果,2016年度の受講学生においては,全国平均と比較し,男子は握力が有意に低値を示し,長座体前屈は差がなかった。女子においても,握力・長座体前屈は差がなかった。日常生活活動については2015年度受講学生と比較をおこなった。朝食の有無については,全く食べないと回答した学生は減少したものの,時々欠かすと回答した学生が2015年度学生よりも有意に増加した(p<0.05)。1日の睡眠時間も短縮している傾向にあり,今後は要因を含め,検討する必要がある。
  • 昭和37年度全国中学校学力調査『英語』より一考察
    井手 裕美
    2017 年 19 巻 p. 7-18
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    昭和37(1962)年7月, 当時の文部省が全国中学校学力調査を日本全国の国立, 公立, 私立の中学校の第2学年の全生徒約238万人, 第3学年の全生徒約243万人を対象に実施した。(全国実施率は, 100%に近い。)学力調査は英語学習の習熟度を見るものであることより, この調査問題を検討することから, その背景と当時の英語教育が何に力を入れていたのかを調査した。当時の英語教育は過重な授業内容とパターンプラクティスによる暗記と文法が重視されたとして批判を浴び, 以降様々な改革がなされ, 現在の英語教育へと移行してきている。  昭和37(1962)年度の調査問題を1) その問題の構成とねらい, 2) 学習指導上の留意点から検討し, 現在の文部科学省が日本の外国語教育において目指しているものを平成20(2008)年の中学校学習指導要領外国語編, 目標と内容から比較, 平成25(2013)年12月の文部科学省による英語教育計画を検討した。
  • 自治体の公式WEBからの分析と検討
    猪池 雅憲
    2017 年 19 巻 p. 19-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    自治体における観光情報の発信と観光情報への取り組み状況を調査した。背景には,大学のフィールドワークにおいて,学外活動を実施する際に,調査地の観光資源をはじめ,交通,食事,宿泊施設等を調べる機会がある。観光情報をWEBで調べるも肝要な情報が得られない場合がある。そこで,自治体からの観光情報の発信と観光情報の取り組みはどのようになっているのかを,大阪府内43自治体の公式WEBから調査した。その結果,自治体における観光情報の発信と観光情報の取り組みは十分とは言えない現状であることがわかった。自治体は,これからの基幹産業となりつつある観光産業に十分に対応できるよう,自治体の公式WEBのさらなる改善が必要とされる。もっとも,自治体は,日本人観光客が訪れないような魅力的でない観光地にならないためにも,観光情報を発信できる観光資源になる様,さらに磨きあげ,高めることも課題として挙げられる。
  • 国家社会主義ドイツ労働者党1925-1934 (1)
    金杉 高雄
    2017 年 19 巻 p. 31-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ミュンヘン一揆によってヒトラーは国家反逆罪による実刑判決を受けた。ナチ党は裁判所から解党処分を言い渡される。当時のニューヨークタイムズはナチ党が解党処分になったことにより,すでにドイツ全土で著名となっていたヒトラーが今後,活動することはないであろうと報じるほどであった。しかし,ヒトラーは服役中にナチ党を再建するための構想を著した『わが闘争』を口述筆記により完成させたのである。出所後,ナチ党の解党処分が解かれたのと同時にヒトラーはナチ党を一から立て直すことに着手,成功する。そして,完全にドイツ国民を扇動することになる。これはヒトラーの手腕と共に国民啓蒙宣伝省の担当大臣を務めたヨーゼフ・ゲッベルスがラジオ,新聞,映画等のメディアと特異な街頭演説の一つである「早朝プロパガンダ」そして「夜間の松明行進」等,斬新なプロパガンダを導入し功を奏した結果であると言っても過言ではない。人の能力を正確に見ぬくヒトラーの眼識がゲッベルス流のプロパガンダを開花させ,ナチ党を国会での第一政党に,さらにはヒトラーを首相・総統にまで押し上げたのである。
  • 特別支援教育と発達障害
    河合 篤史, 吉川 修司, 拝野 佳生, 大久保 敏昭, 正木 佐代子
    2017 年 19 巻 p. 41-52
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,2016 年の日本心理臨床学会第35回秋季大会における自主シンポジウムを基に,臨床心理士資格をもつ教師の活動の可能性を明らかにすることを目的としたものである。昨年に引き続き,今年度は特別支援教育と発達障害をテーマに議論した。その結果,教師と子ども,あるいは子ども同士の「関係性」を重視し,理解を深めていくアプローチは,従来から特別支援教育にある診断に基づく自立に向けたアプローチというスタイルにはない新たな視座を提供するものであることが見出せた。
  • 小高 恵
    2017 年 19 巻 p. 53-62
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,青年期の母子関係に焦点を当て,青年が認知する母親の養育態度と青年のパーソナリティとの関連を構造方程式モデリングにより検討した。その結果,男女共に,母の受容的な養育態度の認知が,青年の「協調性」と有意に関連していた。また,母の養育態度の認知と青年パーソナリティとの関連について,男女の違いが認められた。
  • チーム・アイデンティフィケーション,行動意図との関係性の検討
    長谷川 健司, 清川 健一, 出口 順子
    2017 年 19 巻 p. 63-70
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は,ファンコミュニティ・アイデンティフィケーションが,チーム・アイデンティフィケーションや行動意図とどのような関係にあるのか,試合満足・サービス満足が行動意図に対してどのように影響を与えるかを検討することである。具体的には、V・プレミアリーグ堺ブレイザーズのホームゲーム観戦者から収集したデータを用い,検証を行った。その結果,ファンコミュニティ・アイデンティフィケーションは,チーム・アイデンティフィケーションに対して,バレーボールへの愛着や選手への愛着よりも強い影響があることが示された。 また行動意図に対しては,試合満足やサービス満足からは有意な影響が示されず,チーム・アイデンティフィケーションおよびファンコミュニティ・アイデンティフィケーションは有意な影響を及ぼしていることが明らかとなった。
  • 保護者との連携を求めて
    林 美代
    2017 年 19 巻 p. 71-76
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年幼児教育において家庭との連携が強く求められている。そのような中で保育計画を構想するにあたっては,保育者の意識と保護者の意識の差を把握しておくことが重要であると考えられる。そこで,初歩的・基礎的な知見を持つために,保育者と保護者の意識,とりわけ道徳性に関する意識の差から保育の在り方を探ることを本研究の目的とし,2015年6月から7月にかけて保育者20名,保護者60名を対象にアンケート調査を行った。その結果,保育者も保護者も子どもの人間関係に関わる事項について期待しているが,紙芝居・絵本の読み聞かせなどは立場によって期待することには相違があることが分かった。
  • 社会的スキルとの関連からの検討
    大熊 淳子
    2017 年 19 巻 p. 77-86
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    看護学生の「共感性」の学年変化を明らかにし,「社会的スキル」との関連を検討する中で看護学生の共感性を育成するための教育的な示唆を得ることを本研究の目的として,3年課程A大学短期大学部の学生248名の学生に質問紙調査を行った。看護の専門的教育による共感性の変化については経年的に有意な差はなかった。 臨地実習体験による社会的スキルの向上については,1年生と2.3年生の変化は確認されたが経年的な向上はなかった。また共感性と社会的スキルの関連としては,「共感的配慮」は「攻撃に代わるスキル」と正の相関,「想像性」は「初歩的スキル」と正の相関を示した。また「視点取得」は全ての社会的スキルと正の相関を示し,社会的スキルは,「視点取得」と「共感的配慮」に有意な正の相関を示した。さらに「初歩的スキル」と「攻撃に代わるスキル」が高いほど共感性に影響をあたえることが明らかになり,「社会的スキル」を高める教育の中に「共感性」を育む手がかりとなる教育的な関わりについての示唆を得た。
  • 黒木 雅美
    2017 年 19 巻 p. 87-91
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    精神看護は癲狂院という独自の環境の中で発展し,時代に翻弄され,社会的な背景が色濃く関連している。そして、精神障がい者における処遇は、歴史的に繰り返され,国としての施策の結果,明治期における医療体制の改革として西洋文化を取入れたことにより始まった。精神看護においてもその萌芽が目覚め始め,精神障がい者に対する看護が息吹をあげ始めた。また,「相馬事件」を契機に,全国的に統一した「精神病者監護法」が成立し,精神病者への治安維持的要素が強まるなか,精神看護教育が始まったことで,精神病者に対する人道的な関わりが始まったものと考えられる。
  • 樋口 優子
    2017 年 19 巻 p. 93-100
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は,「母性看護学援助論:分娩期」における授業展開の効果と今後の学習を継続しうるための諸要因について,学生の授業評価の分析を通して明らかにすることである。A大学看護学部3年次生83名の授業評価を分析した。結果は,多くの学生が事例の対象理解と看護の役割について理解できたと評価し,達成感を感じていた。しかし,学習方法による負担感についても少なからず明らかとなった。本結果より,教員は学生が学習効果を実践実習で効果的に活用・発展させうるよう,再学習できるように指導を継続していくことが必要である。
  • 吉岡 由喜子, 石橋 佳子, 金木 美保, 原嶋 朝子, 今宮 弘子, 石澤 靖子
    2017 年 19 巻 p. 101-110
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    卒後1~5年目の看護師の仕事上の困難感を調査した。その結果,卒後1年目の看護師は85%,それ以外の卒後年数の看護師も半数以上が困難を感じていた。そして,人間関係,多忙,仕事内容についてのカテゴリーが全ての卒後年数の看護師の困難感の内容にあがっていた。また,現在の仕事の量や質と自分の能力に差を感じており,自信がない,というカテゴリーも卒後2~5年目の看護師にあがるなど,卒後1~5年目の看護師の困難感は類似項目が多かった。また,その年度に特徴的なカテゴリーとして卒後3年目,4年目の看護師に離職・転職への想い,があがっていた。
  • バタイユにおける
    髙橋 紀穂
    2017 年 19 巻 p. 111-120
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿の目的はバタイユ理論における「自然」の意味を把握することにある。議論は次のようになされる。最初に,バタイユが自身の議論の基底に「自然」を置いていること,また,その「自然」の意味づけが変化しているという観点を示す(第1節)。次に,1927年頃に書かれたと思われる最初期のエッセイ「太陽肛門」において描き出されている「自然」を明らかにする(第2節)。続いて,雑誌「ドキュマン」においてバタイユが発表した論考から彼の「自然」概念の変化を考える(第3節)。次に,「社会批評」に1932年に発表された論文「ヘーゲル弁証法への基底への批判」における「自然」概念の展開を見る(第4節)。われわれはこれらの探求によりバタイユの考える「自然」が詩的・文学的なイメージを超え,ひとつの政治哲学的思想を支える基礎にまで展開されていることを示す。最後に,これらの探求を踏まえた上での今後必要となる研究に触れる(第5節)。
  • 福岡 珠美, 西山 円
    2017 年 19 巻 p. 121-130
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    成人看護学援助論Ⅰ(急性期)では,周手術期をメインの授業展開を行っているが,周手術期の患者が手術を受けるまで,以前は1週間前に入院して手術を受ける患者が殆どであったが,近年の急性期の在院日数の減少により手術が行われる1~2日前や当日に入院して手術を受けられる患者が殆どである。本学の実習病院でも在院日数が平均11.8日との説明も受けている。学生が急性期病棟での実習を行う時,患者を受け持った日が手術であったり,次の日の手術であったりなど,実習開始から受け持ち,手術までの期間が非常に短く,その中で患者を理解して,術後の看護問題を考え看護展開を行っていく事は,学生のとって過酷な状況である。そのため学生が理解できる講義,実践実習に活かせる講義内容の工夫が不可欠であった。今回アクティブ・ラーニングを強化し,専任教員も兼任教員も学生と一緒に考え,タイムリーな教育環境つくりが教育効果を上げることが出来た。
  • 日本の教科書と海外の教科書との比較研究
    佐々木 豊
    2017 年 19 巻 p. 131-140
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    これは,筆者が2013年度版太成学院大学紀要で著した「子どもの詩の書かせ方」の第3部に当たる小論である。ダブリン勤務の保護者に帯同した小学4年児童が,平日通学しているダブリンの現地小学校で使用している国語教科書と,日本国内の小学4年児童が使用している国語教科書とにおける,「詩の書き方」の指導の在り方を比較調査する。
  • 若宮 達夫
    2017 年 19 巻 p. 141-150
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    発光ダイオード(以下,LEDという)は消費電力がきわめて少なく,堅牢,長寿命である特徴を生かし,現在ではたいていの電気製品にLEDが用いられている。言うまでもなくLEDは今やたいへん身近なもので,価格,入手性もよく,これを教材として活用できないかを検討した。LEDはその扱いが簡単であるところから,筆者のゼミにおける学生の電子実習用教材として表題の制御回路の設計・製作を行なうに至った。本回路で実習を行なうことによりLEDの制御方法を理解し,マイクロコンピュータによる点灯,消灯および点滅プログラミングの手法を修得することができる。
  • カタルシス機能が及ぼす自他理解の促進
    寺田 治史
    2017 年 19 巻 p. 151-156
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    「写真コラ-ジュ法」は,人間関係をよくするために筆者らが開発した対話法の一つである。当初は「写真対話法」と呼んでいたが,後に「写真コラ-ジュ法」と呼称変更したものである。写真コラ-ジュ法の活動手順は,①活動者がカメラを手にして自由撮影をする。②現像した写真を使ってコラ-ジュし,絵や言葉などを挿入して写真コラ-ジュ作品を作成する。③その作品を見せ合って,感想などを語り合う。一連の活動の中で,①では,自然との触れ合いやリラクゼーションによるストレス軽減効果があり,②では,オリジナルな作品作りで,カタルシス効果があり,③では,お互いの感情表出の言語化で,参加者間の親和関係が深まる,という複合的な効果が認められている。要約すれば,写真コラ-ジュ法の最終目的は対話力の向上にあると考えており,自由撮影の時点は「外界と自己との対話」,コラ-ジュ作品の作成時点は「アナログ活動による自己内の対話」,発表交流の時点は「感情の言語化による他者との対話」と位置づけており,これら対話交流の要諦は心の触れ合いと言葉の交流にあるという観点に立っている。本稿では,2008年から2015年までに3つの大学で授業の一環として実施した写真コラ-ジュ法について,その結果と効果について報告する。
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