太成学院大学紀要
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20 巻
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  • ―日本語教授法から見る日本の英語教授法と英語教育―
    井手 裕美
    2018 年 20 巻 p. 1-11
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    来日し, 日本に様々な目的で滞在する外国人の多くは日本語学校で日本語を学ぶ。日本語教授は基本的に全て日本語で行われ, 彼らは“聞く, 話す, 読む, 書く”の4技能を, 語彙, 文法と共にバランスよく習得し, 日本語学校卒業後は大学を初めとし, 各々の目的に沿って日本社会へと入っていく。  日本語教授法と日本の公立中学校での英語教授法との違いはどこにあるのか。多くの日本語学校で使用されている『みんなの日本語初級Ⅰ/初級Ⅱ』による教授法を分析, 研究することにより, 日本公立中学校での英語教授法と比較検討し, 2021年より実施される新中学校学習指導要領による英語授業, 且つ2020年4月よりの新小学校学習指導要領による外国語授業への手がかりとし, グローバル化の進む中で日本が如何に進んでいくべきなのか検討する。 また“英語授業を英語で行うこと”という現在の流れを, 本稿筆者のドイツ語によるドイツ語習得経験から一考する。
  • :国家社会主義ドイツ労働者党1925-1934 (2)
    金杉 高雄
    2018 年 20 巻 p. 13-24
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1933年1月30日(月),ヒトラーはドイツの首相に就任した。ヒトラーが政権を掌握したときのドイツ帝国は約500万人にも及ぶ登録失業者を抱えていた。3月以降,ヒトラーはナチ党の政治に対する世界観を確固たるものにすることを目的に幾多の法令を制定することに取り掛かる。共和国大統領令を発令することに加えて,1933年3月23日(木)には全権委任法を可決させ絶対的な独裁政治へと国民を引きつり込むのである。独裁政治への道のりとして国民を扇動することに長けていたゲッベルスはナチ党の政治に対する世界観を国民に刷り込むことを目的とした様々なプロパガンダを企画・展開し陰の総統として大きな役割を果たした。政権掌握後,初めての党大会は1933年8月30日(水)~9月3日(日)にかけてニュルンベルグのツェッペリン広場で行われた。参加者は40万人に上り大成功を収めた。1934年8月2日(木),ヒンデンブルグ大統領が崩御すると,ヒトラーは大統領の全ての権限を首相に併合させた「総統」という新たな地位に就いた。「総統」の是非を問う国民投票では90%以上の賛成票を得ていたのである。
  • 河上 俊和
    2018 年 20 巻 p. 25-31
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,大学教育においては,学生の能動的な学修活動の促進に焦点を絞り,授業方法や教育評価に関連した教育開発の推進が急務の課題となっている。本研究では,健康スポーツを専攻する学生の授業の実践方法として,スポーツ指導法(サッカー)におけるアクティブラーニング型授業の開発と教育効果を検討した。アクティブラーニングの授業実践では,サッカーのコンタクトプレーにおけるファウルの判定を学修課題とし,グループディスカッション,プレゼンテーションの要素を含むグループワークを構成した。実践後の自己評価では,自己評価得点が高い受講生は成績評価が高い傾向が認められた。サッカーのコンタクトプレーに関する映像資料を用いたグループワーク(アクティブラーニング)の実践は,受講生全体の競技規則の理解を促す一助になることが考えられた。
  • -教育実践と世代継承性-
    河合 篤史, 大久保 敏昭, 石田 千晶, 田中 好浩, 門原 眞佐子
    2018 年 20 巻 p. 33-43
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,2017年の日本心理臨床学会第36回秋季大会における自主シンポジウムを基に,臨床心理士の資格をもつ教師の活動の可能性を明らかにすることを目的としたものである。一昨年,昨年に引き続き,本年度は教育実践と世代継承性をテーマに議論した。その結果,臨床心理士の資格をもつ教師の教育実践は,両者のアイデンティティを両方(ダブル)をもつ存在として,教育実践を積み重ねてきたことが明確になった。また,その世代継承性は,次世代に対し守りの場という枠組みをつくりながら,実践を通して,単にテクニックやスキルにとどまらず,技(アート)とも呼ぶべき教師としての人間的な成長を図るものであることが浮き彫りとなった。
  • 工藤 英男, 多方 一成
    2018 年 20 巻 p. 45-52
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    伝統的に長い間,「食は関西にあり」といわれてきた。そして,旅行者,訪問者にとって「食」は,魅力的なことの一つとして捉えられるのではないか。あるいはまた,「関西の食」は,旅行者にとって誘発する積極的な要因となるのではないか。  したがって,このような今日的状況を本稿では,一般的歴史的に上記2つの視点に立ち,「食」あるいは「食産業」,「食関連産業」が取り巻く現状と課題を考察することは十分意味のあることと思われる。  さらに加えて本稿において,関西におけるフードツーリズムの主たる目的をいくつか提案することにある。
  • ― 3組の中学生の母娘関係の因子構造の比較 ―
    小高 恵, 紺田 広明
    2018 年 20 巻 p. 53-61
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究においては,中学1年生の女子とその母親を対象に,日々の母娘関係について調査を行い,日々の母娘関係の変化から,それぞれの母娘関係に潜在する因子をP技法因子分析により検討した。その結果,日々の母娘関係の構造は,母と娘それぞれにおいて3~4因子の因子で構成されている結果となった。また,これらの因子には,3組の母と娘に共通する因子とそうでない個別の因子があり,共通する因子として「母娘の親和的コミュニケーション」に関する因子と「娘の自己主張」に関する因子が存在していることを考察した。
  • -インフォームドコンセント-
    田中 俊明
    2018 年 20 巻 p. 63-69
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    我が国では,医療行為に対する同意の規定がなされていないままに,同意能力がないと判断された者に対して,誰が本人に代わって行なうべきかについても明白となっていない現状がある。 石田(2014)は,「現実的に家族が行なっているものの,多くの問題を抱えているのが現状」と言っている。 特に,精神障がい者の場合には,精神保健福祉法により,家族及び成年後見に対して,入院に関しての手続き全般,代理同意権を委ねられている現状がある。 つまり,代理同意者は入院から退院まで,過剰な責務が課せられる現状は,代理者にとって,過度な心理的負担が予測される。 また,民法においても「精神障がい者や,成人年齢に達していない場合等の,制限行為能力を欠く者には,親権者や成年後見人の法定代理に代って判断する」と明記されている。 しかし,原則患者本人の同意が基本であるにもかかわらず,代理同意に関しては,今だ,議論がされておらず,本人が置き去りにされている現状がある。 この現状を鑑み,権利擁護のうえからも示唆を得ることは意味があり,本研究により代理同意者における心理動向の示唆が得られた。
  • -概念分析-
    田中 俊明, 田中 眞里子
    2018 年 20 巻 p. 71-75
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,看護系大学が増加しつつある現状は,実習施設の確保が,困難となる場合が少なくなく,複数施設や遠隔地にて実習を行うことがある。そのため短期間で実習施設に適応し,複数の実習施設への通学に伴い,施設の数だけ初めて接する指導者と受け持ち患者を通しての看護援助に戸惑を生じる。  この現状は,学生にとって内的及び外的環境とともにストレスの要因となり,臨地実習に臨む学生は,精神的にも身体的にも疲労する可能性が高いことであろう。 奥(2011)は,「近年の同世代若者同様,看護学生の基本的な生活能力や,常識,学力の低下が問題視されている」1)と言っている。つまり,奥が言う近年の学生は,あらゆる分野で低下を問題視しているが,学生にとって,将来の目標達成のために,跳ね返す力と回復するレジリエンス能力は少なからず存在する。 つまり,看護学実習はストレッスフルな環境である現象を意識し,問題を共有するには,意識したいことの内容,意味を的確に伝えることのできる概念が重要であり,本研究において, 精神看護学実習の環境要因における学生のレジリエンス概念モデルとなる示唆が得られた。
  • ―卒業生へのインタビュー調査を通して―
    長田 律子
    2018 年 20 巻 p. 77-84
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では,専門学校で連携教育を受けた卒業生が,連携教育の成果をどのように実感しているか明らかにし,改善すべき課題を探ることを目的とした。 連携教育を実施している医療系専門学校の卒業生9名に半構造化インタビュー調査を実施した。逐語録におこし意味づけは22生成された。3分類し整理を行い15のサブカテゴリー,6つのカテゴリーが生成された。 卒業生は連携教育を通じて他職種の専門性への関心を持ち,チームワークの重要性を実感していた。チームワークに必要なコミュニケーションの力,他者の意見を受け入れ考え方を更新するような姿勢を身につけていた。実践では,自分の専門領域の専門性が他職種に理解されていない現実に矛盾や疑問を持つ事ができていた。しかし卒業生自身も他職種への理解が不足している部分があった。その背景には、継続的,横断的,包括的な連携教育の体系が取れていない現在の専門学校の連携教育の課題が明らかとなった。
  • 新川 朋子, 中山 徹
    2018 年 20 巻 p. 85-92
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    子ども子育て支援新制度の小規模保育における先取り事業において,①市区町村の役割,②待機児童問題,③保育者の要件,④連携施設の課題,⑤外部環境を含めた低年齢時期の子どもたちの保育環境の5点についてその実態を把握し,本格実施に向けて小規模保育のあり方についての示唆を得ることを目的として,保育環境の実態調査を実施した。小規模保育のあり方について検討した結果,行政からの巡回指導や施設長との会議の必要性が示唆された。また, 短時間のパート保育士は有資格者でない者が保育にあたっていることが明らかになった。さらに,38施設のうち30の施設が卒園後の受け入れのない状態であるとともに,園庭無の施設が82%を占めていた。これにより,これまでの小規模保育事業を巡る議論を裏付ける結果が得られた。
  • ―心理的な問題を抱える学生に対しレジリエンスを高める教育とは―
    錦織 史子, 新田 弘子
    2018 年 20 巻 p. 93-100
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,看護学生には様々な心理的問題が指摘されている。そこで今回の研究目的は第1に看護学生の性格特性を調査する事を目的とした。第2に「情緒不安定」や「社会的不適応」の性格特性を持つ看護学生はどのようなレジリエンス因子に影響しているのかを,資質的,獲得的レジリエンス要因の両方から検討した。結果,近年の看護学生は概ね社交的だが,3割以上の学生は「情緒不安定」や「社会的不適応」の性格特性であることが分かった。そのような学生は遺伝的にも環境的にも総じてレジリエンスが弱く,精神の健康障がいを引き起こしやすいことが推測された。 今回の結果から,レジリエンスを高め,健康的に学校生活を送るためには,どのような教育が必要なのか手がかりを得ることが出来た。
  • 林 準平 , 黒田    岳志, 西島  吉典
    2018 年 20 巻 p. 101-110
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,サービス速度を高めるための動作要因を導き出すため,三次元動作解析法を用いて,各種テニス選手権の上位群および下位群に大別した男性選手のサービス動作を検討した。得られた結果を以下に要約する。①上位群の平均サービス速度(169.4±4.4km/h)は,下位群の値(135.6±23.6 km/h)より有意に高値を示した。②上位群の左股関節伸展角速度最大値が出現するタイミングは,下位群に比し,有意にインパクトに近い局面で出現した。③上位群の角速度最大値が出現する順序性と下位群のそれには相違が認められた。④上位群の両肩右回旋角度および両膝左旋回角速度と,下位群のそれらとの間には有意な群間差が認められた。これらのことから,今回対象とした下位者のサービス速度を上位者の値に近づけるためには,膝および股関節運動の出現タイミングを上位群のそれに近似させるとともに,両肩右回旋角度および両膝左回旋角速度の増大を目指すことが重要であると示唆された。
  • 福岡 珠美  , 西山 円
    2018 年 20 巻 p. 111-122
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    成人看護学では,講義・演習や実践実習でヒューマン・ケアに重点を置き教授し,パンフレットを学生に作成をさせているが生活体験が少ない学生が実習中に患者を理解し個別性に応じたパンフレット作成には苦悩があると考えられる。しかし学生は患者のために何かできないかと考えて退院指導や運動指導や治療意欲を高める目的や入院生活に活気が出るよう考え,何回も作り直して手作りパンフレットを作成している。そのパンフレットは患者さんの趣味を取り入れたり,患者の顔を書いたり,イラストを入れたりして個性豊かな物で世界に1つしかない工夫を凝らした手作りパンフレットになっている。そしてそれを患者や患者の家族に説明し渡す時に,感謝の言葉を受けることで,「この患者さんのために役に立つことができた」と言う学生の成功体験となり自己効力感が高まり,実践実習の一場面ではあるが自己有用感が高められ教育効果に繋がったと考えられた。
  • 福田  真規夫, 吉川  博史, 工藤  英男
    2018 年 20 巻 p. 123-130
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    我が国の産業界,特に機械や電気製品などのハードウエア産業においては,製品を企画,設計し,製造するという一連の工程を,国内だけでなく,海外の市場に近い場所で行うことが半ば常識的になっている。  一方,コンピュータの特にソフトウエア産業においては,海外で製造する体制は,2017年現在,一部の大手企業を除いて,まだまだ普及半ばである。そのため,ソフトウエアは,日本国内での製造がほとんどで,新興国に比べ,国内の人件費が高いことから,コスト競争力が低いままに置かれており,製造も市場も日本国内に限られている状況から,世界がグローバル化に突き進む中,明るい未来が見えてこない。  本研究は,このような状況を改善し,日本の得意分野であるICT産業のグローバル化を進めていくためには,特に大学などの高等教育機関におけるソフトウエアの開発教育の改善が必要と考え,教育の内容および実践について研究するものである。
  • -子どもの情意面を重視した問題解決的な学習モデルの構築「コピー用紙の秘密(白銀比)」-
    藤田  英治
    2018 年 20 巻 p. 131-140
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    算数教育(数学教育)という視点に立ったとき,算数・数学で人間教育をめざすことが重要であると考える。人間形成,特に,人間性の育成にとっては,「心の教育」が大きな位置を占める。 また,2017年3月に公示された小学校学習指導要領には,子どもに育みたい資質・能力として,「学びに向かう力,人間性等」と明記されるようになり,人間性の涵養が重視されている。 ここでは,算数・数学における「心の教育」のあり方を大きく「学習内容」と「学習方法」のカテゴリーで考え,子どもの情意面を重視した問題解決的な学習,特に子どもの問題意識の醸成や言語活動の活性化に向けた学習モデルの構築を行う。 そして,その学習モデルの実施における評価と検証について追究していく。
  • 八木  一成
    2018 年 20 巻 p. 141-147
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    太成学院大学人間学部子ども発達学科2年次に配当されている「理科概論」において行っている授業内容を溝上慎一著『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』と対比しながらアクティブ・ラーニングの観点から分析を行った。能動的なアクティブ・ラーニングへ授業形態を変換する過程の分析から学生にとって有益な授業方法は何であるのかを考察する。
  • 吉岡  由喜子, 石橋  佳子, 金木  美保, 原嶋  朝子, 今宮  弘子, 石澤  靖子
    2018 年 20 巻 p. 149-157
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    卒後5年目までの看護師の仕事上の困難感が無いと思える要因について調査した。困難感が無い看護師は32%であり,その要因は卒後1年目の看護師では『周囲の配慮』,『相談できる環境』,2年目は『働きやすい環境』,『成長できる環境』,『ワーク・ライフ・バランスがとれている』であった。また,3年目は『協力体制』,『適応できてきた』,『ワーク・ライフ・バランスがとれている』,4年目は『協力体制』,『成長できる環境』,『ワーク・ライフ・バランスがとれている』,5年目は『協力体制』,『働きやすい環境』だという結果が得られた。
  • ―国交樹立150周年に因んで―
    寺田  治史
    2018 年 20 巻 p. 159-170
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    「デンマークと日本の人間教育」と題する拙著論文は前稿Ⅳで終わる予定であったが,読者諸氏の希望もあり,また知育偏重が進み増々人間教育から遠ざかっていく感のある世界の情勢からみて,さらに書き進めることにした。 その読者諸氏の一人は,神尾政明である。 神尾については,本論文Ⅰで触れたが,1965年,21歳の時に単身デンマークに渡って以来,今日までで52年となる。彼は昨2016年より自叙伝を書き始めている。草稿文は現在随時筆者に送られている。 彼は成人してからのデンマーク生活であるが,渡航後,デンマーク語を居住地の小学校で学び,その後アスコウ校に入学,卒業後はコペンハーゲン(KOBENHAVN)大学にも入学している。その後,妻道子と結婚してコペンハーゲンで生活,二人の男児も生まれ育てている。 1960年代にアスコウ校に在籍した日本人は彼一人であったと思われる。神尾がデンマークで生活し学んだ52年間の体験を通して,グルントヴィ縁の「生の啓発」と呼ばれる人間教育と池田大作の「人間教育」の関係性について考えてみるのも,意義深いことと考える。 且つ,デンマーク教育についての諸研究者の論考を織り交ぜながら,世界における人間教育の未来像を探りたいものである。
  • ―「Before/After型やる気度調査法」を用いて―
    冨島  磨由美
    2018 年 20 巻 p. 171-177
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,情報量が多い中,日々の生活を便利よく,簡単にWeb上で必要な情報をリアルタイムにリサーチしながら済ませて,自己満足をしがちである。そのような環境において,日々かかわる様々な事柄で「やる気」の気持ちがどのように変化して行くのかを考察したいと考えた。本調査では,課外活動の中で一般の人たちに交じってボランティアという活動に参加した学生たちに着目し,ボランティア活動前と活動後の意識の変わり具合を調査として,PDCA型質問形式の「Before/After型やる気度調査法」を試みることにした。今回の調査は,2016年と2017年の2年間にわたり調査した「意識の変化」すなわち「やる気」の様子について報告する。
  • 中井  正弘
    2018 年 20 巻 p. 179-186
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    今回,新たに知見できた江戸時代延享期の大山古墳(仁徳陵)の絵図を詳細に検討すると,現状の姿や復元模型などとは異なっている。江戸時代の新田開発策によって周濠と堤がかなり耕地化され,外観に大きな変化が見られる。しかし,よく検討すると築造時の周濠と堤の原型を知ることができる。築造時の復元をするには,各時代の政治や政策による変形の検証が大事になってくる。そのための研究に役立てたい。 また,行政を中心に進められている百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録運動の問題点にも論及したい。
  • ―履修生への質問紙調査より―
    中塚  健一
    2018 年 20 巻 p. 187-192
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    学校教育現場におけるICT機器の導入が顕著になった。パソコンだけでなくいわゆる電子黒板の設置教室も,普通教室の2割を超えるという。一方で,ICT機器を十分活用して授業等を行える教員は必ずしも多くないという課題もある。また,効率性,利便性だけをICT機器に求めてしまっては,教育の本質を見失ってしまう。本稿は,これから教職を目指す教職課程学生のICT機器に関する意識を垣間見ることで,今後の教員養成・教師教育に生かす研究につなげることを目的とする。
  • ― Before/After 型やる気度調査法を用いて ―
    増尾  美恵子
    2018 年 20 巻 p. 193-202
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は,筆者が勤務するTGU(太成学院大学)の課外活動における2年間(2016年,2017年)のPDCA(Plan-Do-Check-Act)型やる気度調査(Before/After型調査法)による分析結果の心理的側面の記述である。対象は課外活動としてのTGUでの大学祭のイベントについて,学生たちのやる気度をその行事の実施前と実施後での変化について比較検討した。 本稿ではイベントの前後において,どのように大学生活に影響を与えたかなども比較検討するために,イベントの目的理解度・期待度など質問紙調査も取り入れた。そしてBefore/After型調査法の指針からのやる気度の高い学生と低い学生を抽出し,本人が記述した要望・コメントの内容について質的分析も行なった。考察では,学生を抽出したことで,より快適な学生生活へのやる気度を高め,今後の教育支援の在り方・心理的傾向を模索することができた。なお,今後もこの調査研究は継続する予定である。
  • 吉川  寿一
    2018 年 20 巻 p. 203-214
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    日本国憲法は国民の基本的人権を保障し,第25条で,健康で文化的な生活を営む権利を認め,国の責務として公衆衛生の向上増進に努めなければならないとしている。この理念は食生活における衛生と安全・健康から実現されるものでもある。従来の食品衛生法に上位する食品安全基本法も制定されたことから,安全の法意を考究することとする。
  • ~若者の朝食調査~
    井野  よし子, 川原  直輝, 川口  莉世
    2018 年 20 巻 p. 215-218
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    学外組織連携型PBLの一環として,大阪府堺市美原保健センター保健推進課の管理栄養士や同市美原区健康づくり食生活改善推進協議会(通称,みはらヘルスメイト1)と協働企画し,堺市が推奨している「早寝早起き朝ごはん」活動の一端として,若者の朝食についての現状を把握するため生活習慣や食への意識など朝食状況についてゼミ研究として取組む。調査期間及び対象者は2016年11月に実施された学園祭に参加した17歳から23歳の男女92名に質問票による自己記入式アンケートを実施。質問項目は,同居者の有無,朝食の摂取,朝食欠食の理由,朝食の改善,朝食内容の充実及び支援方法である。結果,朝食を摂取するには,早寝早起きの習慣づけが必要など自身の健康管理,食育の大切さを再認識する。
  • 工藤  英男
    2018 年 20 巻 p. 219-224
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    テレビドラマ「北の国から」でお馴染みの富良野は,北海道の大雪山系の麓にある富良野盆地にある。その近隣の上富良野町,中富良野町,富良野市における産業と観光の事例を紹介する。 産業は農作物の栽培が主で,米作中心から,玉葱,人参栽培や付加価値の高いメロンやぶどう栽培への転作やファームレストランの経営などによる第6次産業化による地域創造についてもふれる。
  • ―ヨーロッパ近世の他者のイメージをさぐる―
    黒川  正剛, 小林  繁子, 楠  義彦
    2018 年 20 巻 p. 225-235
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は,科研費の助成を受けた公開シンポジウム「魔女とマス・メディア―ヨーロッパ近世の他者のイメージをさぐる」(2017年11月19日・太成学院大学)の報告である。シンポジウムでは,ヨーロッパ近世社会における他者として魔女と犯罪者を取り上げ,それらと当時のマス・メディア(ビラ,パンフレット,木版画等の図像)の関係について報告した。全体は,黒川正剛「魔女はなぜ信じられるようになったのか?」と小林繁子「犯罪者と悪魔―近世ドイツの印刷メディアから―」の二つの研究報告と楠のコメント「魔女とマス・メディア」から構成される。
  • ―実施校へのインタビュー調査から―
    長田  律子
    2018 年 20 巻 p. 237-242
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,全国の連携教育を実施している福祉医療系専門学校の連携教育の現状を把握することを目的とした。福祉医療系専門学校が連携教育を行っている条件として,福祉系学科と医療系学科があり連携教育を目的に複数の学科が合同して授業や事例検討等の演習等により教育を行っていることとした。 専門各種学校案内誌,ホームページ,学校パンフレット等を用いこの条件を備えた学校を検索した結果,対象校は6校であった。これらの学校への訪問調査により専門学校のカリキュラム構成では学科間の時間調整が困難であることが6校という現状に繋がり,基礎教育の学習過程に沿った連携教育の継続を難しくしていると考えられた。  今後は各学科間の教員の理解を得て連携を図り教授方法を検討していくこと,専門学校における連携教育を客観的に分析し多角的な評価を行うことで専門学校における連携教育システムの構築を行うことが重要である。
  • 若宮  達夫
    2018 年 20 巻 p. 243-247
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1975年,テレビテニスゲーム(以下,テレビテニスと略す)が製品として世に登場した。当時,筆者はこれを自作。専用LSIにてボール,ラケット,コート,スコアがテレビ画面に表示され,ボールを打ち合うことができる。これらの映像信号は,LSI内部の論理回路により作り出される。初学者にとって,論理回路は身近な例がなくイメージしにくい,という特徴がある。これを契機として,論理回路が実際に使われていることを説明するための教材として,このテニスゲームを利用することを思いつく。かかるLSIは,現在すでに製造されていないのであるが,偶然これを入手することができ,当時の体験を元にテレビテニスを再現設計・製作した。
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