棚田学会誌
Online ISSN : 2758-4364
Print ISSN : 2436-1674
20 巻
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論文
  • 菊地 稚奈, 清須美 匡洋, 石井 譲治
    2019 年 20 巻 p. 74-89
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/02/22
    ジャーナル フリー
     本論文は、「棚田米」という語がいつごろから使われるようになり、どのような文脈の中で語られてきたかについて、新聞四紙を対象に記事の内容から経時的変化を分析したものである。分析に当たってはテキストマイニングを用い、頻出語の抽出を行うと共にそれらの語同士の共起関係についてネットワーク図を作成した。  「棚田米」の語が含まれる記事は棚田保全活動が開始されるのとほぼ同じ一九九〇年代後半から出現し、次第に数を増して二〇〇〇年代テキストマイニングを用いた「棚田米」の語を含む新聞記事データの分析中期よりほぼ安定して見られるようになっている。  記事中の頻出語に着目し、それらの出現頻度の推移について、一次直線および二次曲線との回帰から、減少傾向にあるもの、増加傾向にあるもの、増加後に減少あるいは減少後に増加する語に分類すると、頻出語は大きく三期に分けられる特徴がみられることがわかった。すなわち「棚田米」という語の出現は、大きく「保全・交流活動」→「イベント・レジャー」→「商品としての情報」として移り変わってきたことが明らかになった。  次に、それらの語同士がどのような共起関係を持つか、三期それぞれのネットワーク図を作成すると、それらの傾向がより明らかになったほか、近年になって商品化への興味、社会性への関心などが強化されていることがわかった。
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