胆道
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2 巻, 4 号
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  • 亀田 治男
    1988 年 2 巻 4 号 p. 421-431
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • Anders Lunderquist
    1988 年 2 巻 4 号 p. 432
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 兵頭 春夫
    1988 年 2 巻 4 号 p. 433-436
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • IV型高脂血症に伴う胆石モデルとしての一考察
    小出 和伸, 平田 康彦, 大谷 博正, 佐々木 晴敏, 水野 重樹, 田妻 進, 高田 耕基, 堀内 至, 梶山 梧朗
    1988 年 2 巻 4 号 p. 437-443
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    ヒトIV型高脂血症に発生するコレステロール胆石の実験モデルとして,ハムスターにグルコース食を投与し, 肝におけるコレステロールおよび胆汁酸代謝につき検討した.グルコース食投与により,肝におけるコレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素, および胆汁酸合成の律速酵素であるコレステロール7α水酸化酵素ともに活性が亢進するが,前者が後者よりも第2週以降において活性亢進が著しい.肝におけるこの両酵素活性の解離を反映して胆汁中へのコレステロール分泌量は著増するが,総胆汁酸分泌量は不変で, その結果胆汁はコレステロール過飽和になり, コレステロ一ル胆石が形成されることが明らかになった.
  • 小川 薫
    1988 年 2 巻 4 号 p. 444-450
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    1972年1月から1987年12月までの16年間に経験した胆石症2,515例中,無症状胆石は493例(19.6%)であった.内訳は当科を受診した278例および離島での成人病集団検診により診断した215例で,その頻度は当科受診例では胆石症の12.8%,集団検診例では胆石症の62.7%であった.無症状胆石は無症状のまま長期間経過するものが多く,最長経過観察例は16年間であった.経過中に症状が出現する頻度は比較的低く(12.9%),症状が出現して手術を要した症例でも予後は良好であった.胆嚢癌の合併は1例(0.4%)のみであった. 以上の成績から, 無症状胆石の治療は早急に手術を行う必要はなく, 経過観察をして症状が出現した時に手術を考慮すればよいと考えられた.
  • 新しい型分類とその臨床的意義について
    松代 隆, 山本 協二, 山口 尚, 今岡 洋一, 針生 常郎, 長嶋 英幸
    1988 年 2 巻 4 号 p. 451-458
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    塩酸負荷胆道内圧測定法を施行した良性胆道疾患212例の臨床所見,手術所見,遠隔成績を再検討し,内圧曲線の新しい型分類を行うとともに,その臨床的意義を検討した.内圧曲線を灌流圧が平坦で塩酸刺激により大きな振幅の反応波が出現するI型(正常型),灌流圧が上昇するII型(緊張型),灌流圧が平坦でしかも低く経過するIII型(低緊張型)に大別した.さらにII,III型を塩酸に対する反応の有無によりa,bの亜型に細分した.IIa型は乳頭狭窄の状態を示すと思われるが,その乳頭組織像は急性炎症であり,遠隔成績からみて可逆性乳頭炎と推察した,IIb型の85%は乳頭部結石嵌頓例であった.III型,とくにIIIb型(閉鎖不全型乳頭炎)の乳頭組織像は結合織増生が特徴的であったが,筋層が完全に結合織で置換された症例はなかった.十二指腸乳頭炎が進行する場合はその多くはIIa,IIIa,IIIbの順に進行すると推察した.
  • 三浦 修
    1988 年 2 巻 4 号 p. 459-465
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    1978年7月から1986年12月までに経験した肝門部胆管癌のうち,切除例34例,非切除例15例の計49例を対象として, 胆管像と血管像から切除可能性を検討した. 胆管像での変化は癌腫そのものの存在範囲を示しているものの,肝葉切除の適応の広がった現在では切除可能性を左右する主たる因子とは言えず,切除可能性は主に血管像に規定された.すなわち動脈像でみると,肝動脈枝に浸潤像の見られないものは全例切除可能であった.片側の肝動脈に浸潤像の認めるものは80%が切除可能であった.左右肝動脈ならびに固有肝動脈のうち,2カ所以上に浸潤像を認めるものは全例切除不能のあった.門脈像でみると,門脈本幹および左右門脈枝に浸潤像のみられないものは全例切除可能であった.右または左の門脈枝に浸潤像の認められるものは73%に切除が可能であった.左右門脈枝のいずれか,または両者の浸潤像が門脈本幹に及ぶものは,全例切除不能であった.
  • 檜山 英三, 横山 隆, 市川 徹, 宮本 勝也
    1988 年 2 巻 4 号 p. 466-475
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    小児胆道穿孔は,従来,特発性胆道穿孔として報告されてきたが,近年原因として膵管胆道合流異常が注目されている.膵管胆道合流異常を伴った小児胆道穿孔例3例について詳細に検討し,以下の知験を得た.3例とも穿孔前に膵管胆道合流異常による腹部症状に乏しく,合流異常は膵管が胆管に合流する形態で,大井の分類のIIIaまたはIIIb型に属していた.また,共通管に拡張を認め乳頭の通過障害が示唆され,胆汁中のアミラーゼ値は著しく高値であった.切除胆管の病理組織では胆管上皮は保たれ,壁の線維化は軽度で好中球を主体とする高度の炎症細胞浸潤が認められた.以上より,大井のIII型に属する合流異常形態の症例に,なんらかの原因で乳頭の通過障害が起こると,膵液が多量に胆管内に逆流して,胆管壁の重篤な急性炎症を惹起し,穿孔に陥るものと推察された.なお,2例に術前診断し得たが,診断には腹部CTおよび超音波が有用であった.
  • 森崎 隆, 佐藤 裕, 伊藤 隆康, 岸川 英樹
    1988 年 2 巻 4 号 p. 476-483
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    抗生物質,鎮痛剤にて症状の軽減のみられない11例の急性胆嚢炎に対し,超音波ガイド下経皮経肝胆嚢穿刺吸引術を施行した.この方法は超音波下に胆嚢をPTC針にて穿刺し,胆汁の吸引と抗生物質の注入を行った後,針を抜去するもので,全例に著明な症状の改善を認め,重症胆嚢炎の有用な初期治療と考えられた.また,総胆管結石を主因とし,超音波で肝内胆管の拡張を認めない急性閉塞性胆管炎7例に対し,超音波ガイド下経皮経肝胆嚢ドレナージ術を施行した.黄疸をはじめ諸症状の改善を認め,PTCDの施行し難い時期での救命治療的ドレナージ手段として安全に容易に行い得る方法と考えられた.
  • 斎藤 隆三, 三好 志雄, 河田 純男, 稲田 正己, 田村 信司, 野田 修造, 今井 康陽, 南 雄三, 門田 守人, 黒田 知純, 桜 ...
    1988 年 2 巻 4 号 p. 484-489
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は36歳男性.右背部痛を主訴に来院し,腹部超音波検査で肝右葉後区域に5×3cmの領域に限局した多発性嚢胞性病変を発見された.腹部CT上多房性嚢胞の形態をとり, 壁の石灰化はなく, 嚢胞は隔壁形成を伴っていた. 選択的腹腔動脈造影では, 動脈枝の圧排と実質相で嚢胞壁の濃染が見られた.CT-angiographyでは動脈枝の圧排像と嚢胞壁の濃染部はより詳細に観察され, 腫瘍性嚢胞と考えられた, 胆道シンチグラフィで99mTc-N-pyridoxyl 5-methyltryptophan(99mTc-PMT)のわずかな取り込みが後期にみられ,嚢胞が胆道由来の性質を有することが示唆された.以上よりbiliary cystadenomaを強く疑い,肝右葉後区域の亜区域切除を施行し,組織学的に粘液産生性の高円柱上皮を証明し本症と診断した.本症例の所見はbiliary cystadenomaの各種画像診断法上の特徴を示すものと考えられ,ことに胆道シンチグラフィで陽性所見を示した最初の報告である.
  • 加藤 岳人, 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, 前田 正司, 河野 弘, 塩野谷 恵彦, 中島 伸夫, 深津 俊明
    1988 年 2 巻 4 号 p. 490-495
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    術中所見,切除標本所見から胆嚢管原発と診断した低分化腺癌の1例を報告した.文献上胆嚢管原発の低分化腺癌の報告はなく,非常にまれな症例であると思われた.
    本症例は,術前の画際診断の所見に比べ肝十二指腸間膜内進展が高度で,肝門部胆管,右肝動脈,門脈への浸潤を認め,肝右葉切除,尾状葉全切除,胆管切除,門脈切除が必要であった.
  • 金子 哲也, 秋田 昌利, 川辺 博, 北川 喜巳, 太田 章比古, 吉田 英人, 名郷 直樹, 山下 満, 梛野 正人
    1988 年 2 巻 4 号 p. 496-500
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性,黄疸と右季肋部痛のため経皮経肝胆道鏡検査(以下PTCS)施行.右前下行枝と左尾状葉枝に結石が存在したためPTCSにて完全に切石した.その後,胆嚢結石症も存在したため胆嚢摘除術施行.結石成分分析の結果,肝内結石は98%コレステロ一ルの純コレステロール結石であり,胆嚢結石はコレステロール70%,炭酸カルシウム30%の混合石であった.成分分析結果が異なることと,右前下行枝は円筒状拡張を,左尾状葉枝は嚢胞状拡張を示しており,原発性肝内結石症の形態的特徴を有しているため原発性肝内コレステロール結石症と診断した. 術後8カ月を経た現在, 再発徴候はない. 以上,肝内結石の診断・治療に対しPTCSは有用であった.
  • 長谷川 浩, 高田 忠敬, 安田 秀喜, 内山 勝弘, 四方 淳一
    1988 年 2 巻 4 号 p. 501-505
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    嚢腫状胆管拡張症を伴う再発性総胆管結石に対し, 拡張胆管切除および胆管十二指腸端側吻合を施行,術後4週後に原因不明の熱発を認め,上部消化管透視および内視鏡,腹部CTにて食物残渣の胆管内逆流・欝滞による胆管炎と診断し保存的治療を施行し,症状の消失をみた1例を経験した.症例は63歳女性,胆嚢結石,総胆管結石にてそれぞれ開腹手術を受けている.今回,胆道再建後38℃ 台の弛張熱を認め,内視鏡,腹部CTにて残渣の欝滞を確認し胆管炎と診断,体位変更などの保存的治療にて軽快した.従来,吻合孔が大きければたとえ逆流をみても問題とならないと指摘されているが,消化管内容の胆道への逆流と胆管炎の発生を論ずる上で有意義な症例と考えられた.
  • 武藤 良弘, 石川 恒夫, 山田 護, 川崎 康彦, 高江 洲裕, 伊佐 勉, 内村 正幸
    1988 年 2 巻 4 号 p. 506-509
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    46歳,男性の胆嚢IFP症例を報告した.
    この症例は交通事故による肝破裂のため開腹術を受け,その後の4年間に胆管胆石症に対して総胆管空腸吻合と,3年後にはこの胆道バイパス術式が胆嚢空腸吻合に変更された.9年後の昭和57年3月に,胆石症と総胆管狭窄に対して肝管空腸吻合を施行した.胆嚢内には3個のビ石があり,粘膜はうっ血性で軽度の壁肥厚を呈していた。胆嚢底部の空腸吻合線に接した部位に,3×3×4mmの有茎性のポリープを偶然発見した.このポリープは幼若な結合織細胞と小・細血管の増殖と炎症性細胞浸潤より成り,表面粘膜は剥離していて茎部は固有筋層に連なっていた.胆嚢は“acute on chronic”cholecystitisの所見がみられた.
    この症例は胆嚢におけるIFPの最初の報告例と考えられ,自験例ではIFPが特異的に好発する消化管と胆嚢が吻合されていた点は,その成因を考える際に興味ある症例と思われた。
  • 蓮実 透, 三沢 一仁, 柿田 章, 内野 純一, 栗林 弘, 佐藤 信司, 栄浪 克也, 藤岡 保範, 佐野 公昭
    1988 年 2 巻 4 号 p. 510-516
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    最近,われわれは消化管カルチノイドの中でも極めてまれな胆嚢カルチノイドを経験したので報告した.
    症例は42歳の女性で,主訴は右季肋部痛.胆嚢腫瘍,膵管胆道合流異常の診断で,胆摘,胆管切除,リンパ節郭清および総胆管空腸吻合術を施行した.胆嚢底部腹・側に36×23mmの乳頭状腫瘍を認め,病理組織学的に胆嚢癌と併存した胆嚢カルチノイドと判明した.腫瘍の深達度はm,Grimelius染色は陽性,Fontana-Masson染色は陰性,免疫組織染色ではセロトニンが陽性であった.本邦では胆嚢カルチノイドは15例が報告されており,腺癌との併存,いわゆるcomposite tumorは自験例を含めて6例のみである.われわれが検索した限りでは,本症例のように膵管胆道合流異常を伴う報告はなかった.
  • 大岩 孝幸, 横地 眞, 池田 和雄, 水野 清, 大石 真広, 上松 俊夫, 岩瀬 正紀, 北村 宏, 小栗 孟, 津崎 修, 東克 謙, ...
    1988 年 2 巻 4 号 p. 517-523
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    早期胆管癌の症例はいまだ少ないが,無黄疸例はさらに少ない.われわれは無黄疸の早期胆管癌を経験し,その診断過程においてCT-cholangiogvaphyの有用性,癌の脱落,脱落後の病理組織豫など臨床的に興味ある経過を示した1例を報告した.また併せて本邦における無黄疸の早期胆管癌14例を収集し,分析を試みた.症例は74歳男性で,発熱および軽度の肝機能異常のためUSを施行した.上部胆管に異常陰影を認め,各種画像診断を施行したが,CT-cholangiographyは胆管結石との鑑別上有用性が高かった.また胆管ドレナージを実施し,ドレナージ前後の胆管像の変化より隆起性腫瘍が脱落したと考えられる像を呈し,PTCSにおいてはその内視鏡像を捉えることができた.病理学的には上部胆管に発生した乳頭状腺癌で,粘膜内に限局していた.無黄疸14例の分析を含めて考えると,軽度の肝機能異常,肝内胆管の拡張などを積極的に拾い上げることが重要と思われた.
  • 内山 勝弘, 高田 忠敬, 安田 秀喜, 長谷川 浩, 土屋 繁之, 三須 雄二, 斉藤 康子, 四方 淳一, 永井 純
    1988 年 2 巻 4 号 p. 524-531
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は62歳女性. 他院で十二指腸傍乳頭憩室により胆管炎症状を呈するLemmel候群の診断にて乳頭形成術を施行された.その後,再び発熱などの症状が出現症し当科転院となった,US,CT,肝動脈造影などの画像診断上, 胆管細胞癌との鑑別が困難であったため病変部を含め肝右葉切除を行った.摘出標本の所見では後区域に限局した拡張胆管内の蓄膿,および胆管周囲のびまん性小膿瘍の形成をみた.本例はretrospectiveに検討すると,初回手術時に肝後区域内の胆管の狭窄と拡張病変を見逃したため,乳頭形成術後に肝膿瘍の形成をみたものと考えられる.また,本例は画像診断上,肝腫瘍性病変との鑑別が困難な活動期の形成途上の肝膿瘍の画像として興味深い.
  • 中原 正雄, 安藤 秀樹, 柴田 耕司, 法橋 建, 亀田 治男, 福永 真治, 伊藤 善一
    1988 年 2 巻 4 号 p. 532-538
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍に伴う好酸球増多症の報告は時にみられるが,胆嚢癌との含併の報告は本邦では初めてであり,若干の文献的考察を加え報告する.症例は48歳,女性,上腹部不快感を主訴として入院.アレルギー歴なし.入院時現症:黄疸を認め,腹部にて表面不整の硬い肝を6横指,脾を2横指触知した.末梢血白血球数52,500/mm3,好酸球数15,200/mm3と著明な好酸球増多を認めたが,IgEは720U/mlと正常範囲内であった.骨髄像では異型細胞は認めず,irritatcd bone marrowの像を呈した.寄生虫疾患は血清学的に否定された.各種画像診断から転移性肝癌および胆嚢癌または膵頭部癌が疑われたが,確診は得られなかった.癌性腹膜炎に対して施行したmitomycinC腹腔内投与後,好酸球数の著明な改善を認めた.剖検所見は胆嚢原発のadcnocarcinomaで,原発巣および転移巣に好酸球の浸潤はなかったが,骨髄で好酸球の賦活を認めた.
  • 浜崎 啓介, 三村 久, 戸田 佐登志, 合地 明, 津下 宏, 柏野 博正, 折田 薫三, 武南 達郎, 浮田 実, 伊藤 俊雄, 友田 ...
    1988 年 2 巻 4 号 p. 539-546
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    患者は51歳男性で,上腹部痛を主訴として来院,胆道系酵素およびビリルビンの上昇がみられたことよりERCを施行,胆管内に陰影欠損が認められた.US,CT,Angioにて肝内に異常所見は認められず,またAFPの変動が認められなかったことより胆道癌と診断した.その後ビリルビン,主に直接ビリルビンの増加がありPTCDを施行,PTCDよりの造影では肝内胆管より総胆管にかけて連続性の陰影欠損がみられた.減黄後手術を施行した.手術所見では尾状葉に1.8×1.5cm大の肝細胞癌があり,胆管内へ浸潤発育したものであることがわかったため左尾状葉切除を施行した.
    胆管内発育型肝細胞癌は,佐川の報告以来すでに100例をはるかに超えている.しかし,切除例の報告は27例にしかすぎず,さらに2cm以下の細小肝癌に至っては7例の報告があるのみである.われわれは胆管内発育型細小肝癌の1例を経験したので,診断および治療を中心に文献的考察を加えて報告した.
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