胆道
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2 巻, 3 号
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  • 堀内 至
    1988 年 2 巻 3 号 p. 239-247
    発行日: 1988/07/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    日本人健康成人男性を対象として,胆石溶解作用を持つウルソデオキシコール酸(UDCA)とケノデオキシコール酸(CDCA)のコレステロール吸収に与える影響についてコール酸(CA)と比較しながら検討した.
    UDCAはコレステロール吸収を有意に抑え,CDCAは一定の傾向はなく,CAは吸収を亢進させる傾向があった.胆汁中の胆汁酸はそれぞれ投与したものが優位となり,UDCAとCDCAは胆石形成指数が低下し,CAは低下しなかった.血清脂質に対してはHDLコレステロールを除き明らかな影響はみられず,CA投与によってのみHDLコレステロールが低下した.
    従来,ヒトではコレステロールの吸収に対するUDCAの作用について一定の見解が得られていなかったが,この研究で改めて吸収抑制がみられることが証明され,胆石形成指数の低下機序にUDCAとCDCAに異なった機序が存在していることが明らかとなった.
  • -とくに遺残結石の問題点について-
    内山 勝弘, 高田 忠敬, 安田 秀喜, 長谷川 浩, 土屋 繁之, 三須 雄二, 斉藤 康子, 四方 淳一
    1988 年 2 巻 3 号 p. 248-255
    発行日: 1988/07/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆石症手術において遺残結石を予防するという観点から術中胆道造影が必須のものとなっているが,遺残結石を完全に防止し得るかどうかについては問題があり,術中胆道鏡の施行を唱えるものもある.しかし,遺残結石の発生率の面から両者を対比した報告はない.そこで術中胆道精査法としての術中胆道造影と術中胆道鏡の意義を評価すべく,胆管結石手術における結石の見逃し遺残率について検討した.対象は過去6年間に胆管切開切石を施行した総胆管結石症84例,肝内結石15例の計99例中,術中に結石を故意に遺残しなければならなかった総胆管結石7例,肝内結石3例の計10例を除く89例である.
    術中には完全切石と判断されながら,術後に遺残結石(見逃し遺残結石)が発見されたのは89例中11例(12%)であった.これらの内訳は,術中胆道造影のみ施行した56例では見逃し遺残結石が10例(18%)に,術中胆道鏡を併用した33例では1例(3%)であった.術中胆道鏡併用群に有意(p<O.05)に遺残結石の発現率が低かった.これらの結果は,胆管結石手術において術後の遺残結石予防には術中造影のみにとどまらず,術中胆道鏡の施行を意義づけるものである.
  • 中村 努, 今泉 俊秀, 三浦 修, 松山 秀樹, 長谷川 正治, 山瀬 由美子, 林 朋之, 佐藤 浩之, 羽生 富士夫, 別宮 啓之
    1988 年 2 巻 3 号 p. 256-262
    発行日: 1988/07/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    十二指腸憩室内結石は十二指腸憩室の稀な合併症である.今回,われわれは胆石症・胆嚢十二指腸憩室痩に合併した十二指腸憩室内結石の1例を経験したので報告する.
    症例は76歳女性.上腹部重圧感を主訴に来院.ERC,CTで胆嚢頸部と十二指腸憩室との間に痩孔があり,憩室内に結石像を認めた.開腹すると,胆嚢は萎縮し,十二指腸と癒着していた.剥離していくと胆嚢頸部で十二指腸後壁の憩室と痩孔を形成,憩室内に結石を認めた.胆嚢摘出後,痩孔を切除,憩室内結石を摘出し憩室壁を縫合閉鎖した.十二指腸憩室内結石は胆嚢結石と同様,混合石であり,成分分析の結果コレステロールとビリルビンカルシウムが含まれていた.本症例を報告するとともに,過去の報告例の文献的考察を加えた.
  • 佐藤 浩一, 野田 尚一, 鹿野 奉昭, 雷 哲明, 加藤 哲男
    1988 年 2 巻 3 号 p. 263-267
    発行日: 1988/07/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆管癌の診断において,経皮経肝胆道造影や内視鏡的膵胆管造影などの胆道造影は,最も有用な検査の1つである.しかし,稀に限局性胆管狭窄を示す良性疾患もあり,胆管癌との鑑別は重要である.
    我々は,胆道造影を経時的に行い,また胆汁細胞診や胆道生検などの病理組織学的検索を行うことにより,より正確に診断し得た.
  • 1988 年 2 巻 3 号 p. 272-273,303
    発行日: 1988/07/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
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