胆管十二指腸吻合6例, 胆管空腸Roux-en-Y(R-Y)8例を対象に, 胆道シンチを行い, 胆汁排泄動態, 術後の胆道感染, duodenogastric reflux について検討した.
[結果]胆管空腸R-Y症例では挙上空腸脚にTcの鬱滞を認め, 上位小腸への到達時問は55±8分であった. 一方, 胆管十二指腸吻合では, 胆汁の流れはスムーズで上位小腸への到達時間も40±5分とコントロールに近似した. また胆道感染率も胆管空腸 R-Y 1/8, 胆管十二指腸吻合0/6であった.しかし, duodenogastric reflux は胆管十二指腸吻合では, 胆道シンチにて, 6例中4例に認められたが, いずれも臨床症状はなかった.一方, 胆管空腸R-Yでは, duodenogastric reflux はいずれの症例においても胆道シンチにおいて認められなかった.
[結語] 胆管十二指腸吻合術は侵襲の少ない術式であり, 胆道シンチにおいても, 胆管空腸R-YにみられるようなTcの鬱滞もなく生理的な術式である.しかし, 胆道シンチにてduodenogastric reflux が高率に認められた. しかし, いずれの症例においても有意な臨床症状は認められなかった.
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