要旨: 目的: 高齢者の総胆管結石症に対する内視鏡的治療(EST,EPBDによる切石あるいは胆管ステント長期留置)の有用性を明らかにする.
方法: 総胆管結石に対して内視鏡的治療を行った389名を80歳以上の高齢者(A群: 90名)と79歳以下の非高齢者(B群: 299名)の2群に分けて検討した.
結果: A群は重篤な基礎疾患や抗凝固薬投与の頻度が高かった.切石例の完全切石率はA群91.4%,B群98.0%.A群25名,B群6名に重篤な基礎疾患等の理由で切石が困難なため胆管ステント長期留置を行った.両群の長期胆道偶発症の発症頻度に差を認めず,また重篤なものはなく全て治療可能であった.
結論: 高齢者の総胆管結石に対する内視鏡的治療は安全かつ有用である.
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