水中衝撃波による体外からの胆石破砕法が普及しつつあるが,その生体に与える影響に関し基礎的実験を行った.雑種成犬の肺,肝,胆嚢に衝撃波フォーカシングを行ったところ, それぞれ肺出血, 肝門脈周囲の浮腫, 胆嚢粘膜下出血を認めた. また, 雑種成犬の胆嚢に最大径15~20mmの結石を埋め込み,100~500発の衝撃波フォーカシングを行ったところ,結石は砂状のものから最大径11mm以下の破片までに破砕された.またキャビテーション気泡が生体に与える影響についてのモデル実験では,寒天に直径3mmの気泡を付着させて球状衝撃波を作用させたところ,寒天内に液体ジェットが3~15mm入り込んでいく現象が観察された,したがって,生体損傷は衝撃波の直接の高圧とキャビテーション現象,ならびに気泡に衝撃波が作用して発生した液体ジェットなどが関与しているものと考えられた.
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