胆道
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3 巻, 3 号
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  • 佐藤 智丈
    1989 年 3 巻 3 号 p. 227-233
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌の血行性転移の進展様式を知るためには,胆嚢静脈の解剖を理解することが必要である.今回,この目的から52例の肝鋳型標本を作製し,胆嚢静脈の走行について検討した. 胆嚢静脈はすべて肝内の門脈系に流入しており, その走行形態によって, (1) 胆嚢肝床部を介して肝内の門脈系に流入するものと,(2) Calotの三角部を介し肝内の門脈系に流入するものの2群に大別することができた.胆嚢肝床部を介する胆嚢静脈は33例に認められ, それらはすべて第三分枝より末梢のS4もしくはS5の門脈枝に流入していた. 一方,Calotの三角部を介する胆嚢静脈は38例に認められ,流入部位において多くのvariationが認められたが,第2分枝である右前区域の門脈枝に流入するものが13例と最も多かった.
  • とくに臓器障害の検討
    北山 修, 伊勢 秀雄, 新谷 史明, 阿部 裕, 高橋 良延, 鈴木 範美, 松野 正紀, 高山 和喜
    1989 年 3 巻 3 号 p. 234-241
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    水中衝撃波による体外からの胆石破砕法が普及しつつあるが,その生体に与える影響に関し基礎的実験を行った.雑種成犬の肺,肝,胆嚢に衝撃波フォーカシングを行ったところ, それぞれ肺出血, 肝門脈周囲の浮腫, 胆嚢粘膜下出血を認めた. また, 雑種成犬の胆嚢に最大径15~20mmの結石を埋め込み,100~500発の衝撃波フォーカシングを行ったところ,結石は砂状のものから最大径11mm以下の破片までに破砕された.またキャビテーション気泡が生体に与える影響についてのモデル実験では,寒天に直径3mmの気泡を付着させて球状衝撃波を作用させたところ,寒天内に液体ジェットが3~15mm入り込んでいく現象が観察された,したがって,生体損傷は衝撃波の直接の高圧とキャビテーション現象,ならびに気泡に衝撃波が作用して発生した液体ジェットなどが関与しているものと考えられた.
  • 高江洲 裕, 武藤 良弘, 名嘉 悟平, 石川 恒夫, 川崎 康彦, 山田 護, 戸田 隆義
    1989 年 3 巻 3 号 p. 242-247
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の女性で,某医で胆石症の診断で開腹され,進行した胆嚢腫瘍が認められたため当科を紹介され入院した.諸検査の結果,胆石および肝内血腫を伴う胆嚢腫瘍と診断し,手術を行った.手術の際,腫瘍は胆嚢を中心として肝右葉下部,大網および横行結腸へ浸潤し,少量の血性腹水と腹膜播種を伴っていた.胆嚢摘出と肝右葉ならびに内側区域下半と結腸肝曲部の合併切除を行った.しかしながら,10日後から類白血病反応と腹膜播種からの大量出血をきたし,術後39日に死亡した.病理組織学的にはいわゆる癌肉腫,すなわち未分化癌であった.本例の特徴として,術後の類白血病反応と腹膜播種からの大量出血があげられる.造血系に影響を与える腫瘍は古くから知られており,現在のところ本例にみられた特徴は腫瘍によるcolony stimulating factorの分泌が原因であると考えられている.
  • 1989 年 3 巻 3 号 p. 249-363
    発行日: 1989/04/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
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