胆道
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3 巻, 4 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 水本 龍二
    1989 年 3 巻 4 号 p. 373-377
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 大菅 俊明
    1989 年 3 巻 4 号 p. 378-383
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 香月 武人
    1989 年 3 巻 4 号 p. 384-388
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
  • 平岡 武久, 内野 良仁, 豊永 政和, 田中 秀明, 斉藤 如由, 宮内 好正, 水谷 純一
    1989 年 3 巻 4 号 p. 389-394
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    肝胆膵領域癌では他の消化器癌に比し肝転移巣が多く,これらでのいかなる病態が肝転移巣形成に関与しているかは,治療上極めて重要である.閉塞性黄疸下では細網内皮系機能が低下し,肝転移巣形成に大いに関係すると思われる.そこで,閉塞性黄疸と肝転移巣形成との関係をDonryu ratを用い実験的に検討した,肝転移巣は,腹水肝癌AH130,106個を経門脈的に注入して作成した.閉塞性黄疸群として胆管結紮切離後7日目にAH130を注入した群,対照群としてsham operation後7日目に注入した群とし,両群間で注入後11日目に屠殺し肝転移巣数を算定し,また注入前のT cell subsetと血液凝固・線溶能を比較検討した.肝転移巣数は閉塞性黄疸群で59.2±30.0,対照群で9.0±13.3と有意差がみられたが,T cell subset,血液凝固・線溶能には差は認めなかった,閉塞性黄疸下では遊離した癌細胞は肝で着床発育しやすいことがわかった.機序については今後の課題である.
  • 海保 隆, 宮崎 勝, 宇田川 郁夫, 越川 尚男, 飯沼 克博, 伊藤 博, 神野 弥生, 寺本 修, 中島 透, 木村 文夫, 松本 潤 ...
    1989 年 3 巻 4 号 p. 395-402
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌の術式,予後を決める因子として,組織学的肝内直接浸潤度(hinf)および胆管側浸潤度(binf)は重要な要素である.今回われわれは,術前の血管造影所見により胆嚢癌のhinfおよびbinfをどの程度まで判定できるかを,胆嚢癌切除例において検討した.術前血管造影を施行し,切除可能で組織学的浸潤度と比較できたものは23例であった.(1)胆嚢動脈の拡張はhinf0でも75%に認めたが,encasementはhinf2,3に多く,hinf陽性例の80%にencasementを認めた.(2)腫瘍濃染像はhinf陽性例に多く認められたが,hinf陰性例にも認めた.(3)肝内動脈枝および門脈枝にencasementを認めたものはhinf2,3のみであったが,hinf陽性例におけるencasement陽性率は,動脈60%,門脈40%であった.(4)胆嚢動脈本幹にencasementを認めたものは,すべてbinf陽性であった.
    以上より,術前血管造影は胆嚢癌のhinf,binfの推定に有用であることが示された.
  • 伊藤 彰規, 岡村 毅與志, 柴田 好, 岡野 重幸, 北守 茂, 真口 宏介, 小原 剛, 高井 幸裕, 並木 正義, 武田 章三
    1989 年 3 巻 4 号 p. 403-413
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    内視鏡的乳頭括約筋切開術(以下EST)施行の前後,および施行後比較的長期間経過を追い得た胆道機能の変化をみるために,胆道シンチグラフィによる検討を行った.対象は1983年8月から1987年12月までの期間にESTを施行した129例のうち,総胆管結石を有する22症例で,このうち有胆嚢例は14例である.
    ESTを施行し排石した後は,胆道シンチグラフィ上,胆道機能に有意の改善がみられた.有胆嚢例で,EST後の期間が比較的長い症例は胆汁排出能が低下する傾向にある.胆道シンチグラフィは侵襲もほとんどなく,安全な検査であり,EST前後の胆道系機能の変化を知り得るだけでなく,その機能の長期にわたる経過観察にも有用な方法である.
  • 吉田 順一, 岸仲 正則, 森崎 隆, 伊藤 隆康, 佐藤 裕, 岸川 英樹
    1989 年 3 巻 4 号 p. 414-420
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    胆嚢・総胆管結石症に対する総胆管切開後の胆道ドレナージ法を3群に分け,6年経過したので統計分析を行った.3群は,胆嚢管から挿入した胆管造影チューブを留置するC群(n=16) , T チューブ使用のT 群(n=14), およびNélaton カテーテルを総胆管に挿入したN群(n=16)である.
    17の背景因子を比較したところ, C - T 群間ではすべて有意差がなかった. N群は2因子でC,T群と有意差があった.結果因子ではC群で有意に早くチューブ抜去,そして退院(C群:28日,T群:44日,N群:32日)できた.背景因子分析と併せ,経胆嚢管ドレナージ法はT チューブドレナージ法より優れた胆道ドレナージであると結論された.
  • 武田 功, 中野 哲, 熊田 卓, 杉山 恵一
    1989 年 3 巻 4 号 p. 421-426
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    1980年から1987年に経験したPTBD症例346例,405回を対象に,ドレナージチューブの腹腔内逸脱例の検討を行った.逸脱は19症例で22回(5.4%)にみられた,PTBDの方式別にみると,前腹壁二管法では10/257(3.9%),前腹壁一管法では0/69(0.0%),右側胸壁法では12/79(15.2%)であった.胆管の閉塞部位別には逸脱率に差は認められなかった.チューブの逸脱のために5例に胆汁性腹膜炎を合併した.今回の検討から,右側胸壁法に比べて前腹壁法はドレナージチューブの逸脱が少ないことがわかった.PTBDの手技選択にあたっては逸脱例の少ない前腹壁一管法を第一選択にすべきであると考える.右肝管の閉塞例などの前腹壁一管法が応用しにくい例では前腹壁二管法を用いるとよい.右側胸壁法を用いる場合には,逸脱の頻度が高いので逸脱防止のための工夫が必要である.
  • 多賀谷 信美, 金子 光男, 田島 充, 田島 芳雄, 大山 修身
    1989 年 3 巻 4 号 p. 427-433
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    超音波誘導下胆嚢穿刺造影および経皮経肝胆嚢ドレナージの有用性を検討するために,有石胆嚢炎15例,無石胆嚢炎4例,閉塞性黄疸2例,先天性胆管拡張症,胆嚢癌,胆管癌各1例の計24例に対してこの2つの手技を施行した.超音波誘導下胆嚢穿刺造影および穿刺吸引細胞診は胆嚢病変の診断に,経皮経肝胆嚢ドレナージは急性胆嚢炎および肝内胆管拡張を伴わない閉塞性黄疸の治療に有用であり,さらにドレナージ瘻孔を利用した経皮経肝胆嚢内視鏡下砕石術を経験し,非観血的胆石除去法は今後大いに活用すべき治療法であると思われた. しかし, これらの方法には時に合併症の発生する可能性があり, 慎重な対処が必要である.
  • 脈拍,血圧,心電図変化を中心に
    菊池 英亮, 中山 雅樹, 松本 昌美, 大隅 教之, 辻田 重信, 菊川 政次, 塚本 昇, 山尾 純一, 久保 良一, 西村 公男, 植 ...
    1989 年 3 巻 4 号 p. 434-441
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)施行前,施行中および施行後の患者の血圧,脈拍および心電図を記録し,さらに一部の症例については血漿コルチゾール,ノルアドレナリンを測定した.ERCP施行過程において,血圧はほとんどの例で上昇するが,特に高血圧治療中の高年齢者では血圧の上昇幅が大きい傾向にあった.脈拍数もERCP施行により増加する傾向にあり, 心電図では高年齢層において期外収縮やST-Tsegmentの低下が散見され,特にST-Tの低下は胆管造影時に多く観察された.またERCP施行後コルチゾールは有意に上昇し,ノルアドレナリンは上昇傾向を示した.
    ERCP施行による循環器系への影響は一過性であり,検査終了後には血圧,心拍数は検査前値に復した.しかしながら,循環器系の予備力が低下している高年齢層や高血圧患者に対しては偶発症防止のための配慮が必要であると考えられた.
  • EUSおよび胆道二重造影法の有用性
    佐藤 一弘, 島口 晴耕
    1989 年 3 巻 4 号 p. 442-448
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    最近の3年間にUS,EUS,直接胆道造影,胆道二重造影,血管造影を行って診断し,病理組織学的に癌浸潤がfmにとどまる胆管癌は4例であった.各々の画像診断所見を検討し,各画像診断の果たす役割を考察した.USとEUSを併用して行うと胆管拡張像,胆管内あるいは壁肥厚像は各々75%に診断できた.US,EUSは胆管病変の拾い上げ診断に適していた.一方,PTC,ERCPによる直接胆道造影や胆道二重造影に血管造影を組み合わせた精密検査を行えば,胆管病変の良悪の鑑別やその拡がりがわかった.しかしながら,胆管上皮を置換するように発育する表層型胆管癌の診断はいずれの検査法でも極めて難しい.微小な胆管癌の診断と併せて,今後の検討課題と考える.
  • とくに破砕効果および安全性について
    山口 嘉和, 斎藤 昌三, 森 秀明, 小森 直起, 豊田 彰二, 深井 利花, 門脇 仁, 石山 業弘, 村木 俊雄, 森田 純一, 青木 ...
    1989 年 3 巻 4 号 p. 449-455
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)の胆石破砕効果および安全性について検討した.38症例に44回のESWLを施行した.なお,ESWL治療1週間以上前より1日量ウルソデオキシコール酸600mgの投与を行った.
    胆石破砕に関する有効度は66%であった.結石が小さいほど有効度が高く,結石の数による有効度の差はみられなかった.またCTおよびX線で石灰化の弱いものほど有効度が高かった.初回治療では無効であっても,2回目,3回目の治療で破砕された症例もみられた.土量分類別では,1型では有効度が高かったが,III型では有効例は認められなかった.副作用に関しては皮膚発赤,肉眼的血尿,腹痛,発熱がみられたが,いずれも軽微で一過性であった.検査成績では尿潜血陽性,白血球増多,トランスアミナーゼの上昇,CPK上昇などを認めたが, いずれも軽度であり1週間以内に正常に復した.
    ESWL後のB胆汁中に胆石破砕片が認められた.胆嚢内の破砕片は一部は胆汁とともに十二指腸内に排出されるものと考えられる.
  • 安定同位体希釈法による胆汁酸プールサイズの解析
    平岡 俊仁, 小坂 大策, 幸田 忠裕, 石田 正典, 梶山 梧朗
    1989 年 3 巻 4 号 p. 456-462
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    日本人健常成人男性を対象として,ケノデオキシコール酸(CDCA)およびコール酸( C A ) の体内代謝動態を, 2H-標識胆汁酸を用いた同位体希釈法で測定し, 検討を加えた.各々の胆汁酸のプールサイズ,速度定数(fractional turnover rate, FTR)は,CDCAでは831±223mg(Mean±SD), 0.15±0.04day-1で, CAにおいては805±201mg, 0.14±0.02day-1であった.最近の欧米における胆汁酸体内代謝動態の報告と比べると,今回の日本人における結果は,CDCA, CAともにプールサイズは大きく,速度定数は低い傾向を示した.
  • 南條 環, 松本 俊郎, 矢野 文良, 鴛海 良彦
    1989 年 3 巻 4 号 p. 463-468
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸を呈し, 他臓器転移をきたし, 手術不能であったPTCD造設下の進行性胆道癌の症例に対し,PTCDチューブを通して生検ならびに化学療法を繰り返し施行した. 化学療法としてはチューブから直接抗癌剤を注入する方法をとったが,単にチューブ末端から薬剤を注入するのみでなく,食道静脈瘤の硬化療法用の針付チューブを用い,直接透視下でPTCDチューブを通じて閉塞部位に穿刺注入した.またその都度チューブを通して生検ならびに造影も行い, それらの変化を観察した. 以上の方法により, 本症例は早期に胆道造影上, 閉塞部位の開通が認められ, 内瘻化が可能となり臨床症状の改善が得られた.
    本法は比較的手軽かつ安全に行え,有意義な方法と思われたので,その方法および1症例を報告する.
  • 平岡 博, 守田 信義, 松井 則親, 野島 真治, 榎 忠彦, 富恵 博, 江里 健輔, 中田 太志
    1989 年 3 巻 4 号 p. 469-475
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    中部胆管癌と胆嚢癌を合併した1例を経験したので報告する.症例は67歳女性.近医で黄疸を指摘され当院を受診した.ERCPで中部胆管癌を指摘された,また,US,CTでは胆嚢癌の合併を疑われた. 膵頭十二指腸切除により両病変は切除された. 自験例を胆道系重複癌とした理由は以下のごとくである. (1)両病変間に連続性がなかったこと, (2)癌は表層より深部へ浸潤していたこと, (3) 癌周囲粘膜に異形性が認められたことなどであった. なお, 参考所見としてflow cytometryで, 胆嚢癌からはaneuploid pattern, 胆管癌の転移と考えられるNo 12b2リンパ節からはdiploid patternが証明された.
  • 馬場 隆一, 山本 正博, 宮崎 直之, 山本 恭助, 小野山 裕彦, 石田 常之, 田中 龍彦, 大柳 治正, 斎藤 洋一
    1989 年 3 巻 4 号 p. 476-483
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    当科では最近1 6 年間に肝内結石症と肝内胆管癌の合併例を4 例経験した. 4 例とも術前に肝内胆管癌の診断がつかず,術中術後の組織診断で確診された.2例に肝切除を施行し得たが,2例はすでに切除不能であった.症例1では術後,内視鏡的切石術を施行中に生検で胆管癌が発見され,癌合併の診断に関しては胆道鏡による生検を繰り返して行うことが重要であると考えられた.症例2では非癌部に慢性増殖性胆管炎および胆管上皮の乳頭状発育がみられ,結石による慢性刺激と発癌との関連が示唆された.
  • 古川 正人, 山田 隆平, 中田 俊則, 草野 敏臣, 林 〓欽, 田代 和則, 渡部 誠一郎, 糸瀬 薫, 城野 英利, 藤井 秀治
    1989 年 3 巻 4 号 p. 484-488
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    回虫卵が成因と考えられた肝内結石症の1例を報告した.症例は41歳の女性で,3 6 歳時に胆摘を受けるも結石は認めていない. 今回, 右上腹部痛と嘔気, 発熱を伴って来院,精査にて左肝内結石症と診断し,左外側区域切除を施行した.切除肝の胆管は拡張し,肥厚がみられ胆渣が充満しており,その中に回虫虫体と虫卵が認められた.われわれの症例では,結石が肝左外側区に限局していたが胆管の狭窄は伴っておらず,さらに左外側区の胆管にのみ迷入した回虫を認め,その部の肝内胆管には胆汁うっ滞が認められており,結石の生成に回虫の関与が強く示唆された.
  • 岩佐 真, 世古口 務, 宮原 成樹, 勝峰 康夫, 稲守 重治
    1989 年 3 巻 4 号 p. 489-493
    発行日: 1989/10/25
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    興味ある組織所見を呈した胆嚢癌の1例を経験したので報告する.症例:58歳男性。主訴:特になし.既往歴:糖尿病.現症歴:人間ドックにて胆嚢腫瘍を疑われ入院.肝機能検査および腫瘍マーカーに異常を認めなかったが,75g-OGTTは糖尿病型を示した.腹部USにて胆嚢内腹腔側に直径2.7cm,辺縁不整な隆起性病変を認め,腹部CT scanでは胆嚢内に3×2cm大の辺縁不整な隆起性病変がみられ,造影CT scanにて腫瘤部が濃染された.腹部血管造影では胆嚢病変に一致して濃染像が認められた.以上より胆嚢癌と診断し, リンパ節郭清を伴う拡大胆嚢摘除を施行. 組織学的には術前指摘されたI型の主病変と,これ以外の胆嚢粘膜に2個の低い隆起性病変(IIa)と広範なIIb病変を認め,いずれも高分化腺癌であった.
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