胆道
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第53回日本胆道学会学術集会記録
日本胆道学会認定指導医養成講座
  • 中郡 聡夫, 矢澤 直樹, 山田 美鈴, 増岡 義人, 益子 太郎
    32 巻 (2018) 2 号 p. 193-200
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    2000年1月から2016年12月の間に東海大学消化器外科で切除した乳頭部癌(n=85),胆嚢癌(n=95),遠位胆管癌(n=94),肝門部領域胆管癌(n=54),および肝内胆管癌(n=47)の外科治療成績からその治療戦略を検討した.左右肝管合流部から膵内胆管にまで及ぶ肝外胆管癌を広範囲胆管癌(n=17)としてその治療成績も検討した.

    各疾患の5年生存率は,乳頭部癌65%,胆嚢癌60%,遠位胆管癌52%,肝門部領域胆管癌27%,肝内胆管癌44%で,広範囲胆管癌は12%であった.肝門部領域胆管癌では断端陽性率が高く,他の疾患に比して術後死亡率が高率であった.従って肝門部領域胆管癌では術後死亡率を低下させ,R0切除率を向上させることが必要であると考えられた.広範囲胆管癌では術後死亡は認めなかったが,断端陽性率が高く,今後は肝膵同時切除によるR0切除率の向上が必要と思われた.

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  • 浅野 之夫, 堀口 明彦
    32 巻 (2018) 2 号 p. 201-208
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    十二指腸乳頭部癌の治療成績向上には,的確な進展度診断と確実なリンパ節郭清を伴う手術が必要である.詳細な診断にはEUS・IDUSの役割が大きく,その進展度診断をもとに治療法が決定される.胆道癌診療ガイドラインでは,腫瘍を認めた場合,膵頭十二指腸切除術が推奨されている.しかし,Oddi筋に達しない腫瘍(T1a)であれば,リンパ節転移の可能性はきわめて低く,乳頭切除術の適応も検討される.膵頭十二指腸切除術が行われる場合,膵切除に先駆け流入動脈を結紮処理することにより,出血量を抑えた安全な手術が可能であり,また,No.14リンパ節の郭清を確実にすることができる.腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は,リンパ節郭清の必要のない症例に対してのみ,施行可能であり,現時点での適応には厳密な症例選択が必要である.ロボット支援による腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は膵管空腸吻合術など繊細な手技には威力を発揮し,今後保険収載が望まれる.

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  • 植木 敏晴, 伊原 諒, 土居 雅宗, 丸尾 達, 永山 林太郎, 畑山 勝子, 平塚 裕晃, 田中 利幸, 野間 栄次郎, 光安 智子
    32 巻 (2018) 2 号 p. 209-215
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    胆道癌は外科切除が唯一の根治治療であるが,切除可能であっても早期ではなく進行癌の状態,あるいは遠隔転移や高度浸潤のため切除不能進行癌の状態で発見されることが多く,切除後や切除不能例に対して化学療法が施行されている.本邦では,切除不能胆道癌に対する標準的1次治療はゲムシタビン+シスプラチン併用療法である.2次治療としてエスワンが多く使用されているが,胆道癌術後補助化学療法を含めてそれらのエビデンスは確立されていない.切除可能例や,切除不能例に対するconversion therapyのための化学療法も試行錯誤である.今後,現在進行中の前向き試験の結果が待たれる.さらに,化学療法後の効果を予測するバイオマーカーの開発や個別化医療の進歩が期待される.

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原著
  • 川田 壮一郎, 松本 和也, 孝田 博輝, 山下 太郎, 菓 裕貴, 森尾 慶子, 斧山 巧, 武田 洋平, 磯本 一
    32 巻 (2018) 2 号 p. 216-223
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    術前の悪性遠位胆管閉塞に対するplastic stent(PS)留置例において,早期のステント閉塞をしばしば経験する.膵癌22例,胆道癌14例の術前悪性遠位胆管閉塞症例における後方視的検討では,self-expandable metallic stent(SEMS)留置群は再ドレナージを必要としなかった.一方,PS留置群では,7Fr/8.5Frそれぞれ,再ドレナージ率81.8%/23.5%(p=0.008),平均開存期間32.8日/57.6日(p=0.006)であった.また,PS留置群とSEMS留置群において,手術時間,術中出血量,術後入院期間,術後合併症に差は認めなかった.

    8.5FrのPS留置後25日までは開存率が94.1%であり,手術待期期間が25日未満であれば8.5Fr以上のPS留置,25日以上であればSEMS留置が望ましい.

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  • 佐々木 隆, 山田 育弘, 松山 眞人, 笹平 直樹
    32 巻 (2018) 2 号 p. 224-232
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    術後再建腸管に対するstandard typeとshort typeシングルバルーン内視鏡を用いて施行した胆道処置の治療成績を比較検討した.対象はStandard群73件,Short群110件.Short群で胃切後Roux-en-Y再建例と悪性胆道狭窄治療例が多かった.乳頭/吻合部到達率はShort群で良好(89.0% vs 97.3%)であり,到達時間も短縮していた(25分vs 11分).胆管挿管成功率はShort群で良好(76.9% vs 96.3%)であったが,ERCP関連手技成功率には差はなかった(95.7% vs 96.7%).全治療成功率はShort群で良好(65.8% vs 90.9%)であり,全治療時間も短縮していた(72分vs 60分).Short typeのシングルバルーン内視鏡の使用により,術後再建腸管に対する胆道処置の治療成績が改善した.

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総説
  • 本多 彰, 池上 正, 松﨑 靖司
    32 巻 (2018) 2 号 p. 233-240
    公開日: 2018/06/13
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    原発性胆汁性胆管炎(PBC)は,原因不明の胆汁うっ滞症であるが,疾患感受性遺伝子の解析や免疫学的胆管細胞傷害機序の研究により,その病態が少しずつ解明されている.病理組織学的な病期と活動度の新しい評価分類法が作成され,自己免疫性肝炎の特徴が加わった「いわゆるオーバーラップ症候群」は,肝炎性活動度の高いPBCと考えられるようになった.ウルソデオキシコール酸に続く第二の治療薬として,2016年に米国で新薬のオベティコール酸が発売されたが,掻痒感の副作用と極めて高い薬価により,実臨床でどの程度使用されるかは疑問である.そのような状況下,わが国で10年以上前から広く用いられているベザフィブラートの有効性が,近年欧米でも認識され始めている.その他,免疫異常のコントロールを目的とした免疫療法の臨床試験も進行中である.また近年,大規模データからPBC患者の新しい予後予測式が報告され(GLOBEスコア,UK-PBCリスクスコア)Web上で予後予測が可能である.

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  • 田中 篤
    32 巻 (2018) 2 号 p. 241-250
    公開日: 2018/06/13
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    原発性硬化性胆管炎(PSC)は肝内外の胆管に多発性・びまん性の狭窄が生じ,胆汁うっ滞を来たす慢性肝疾患である.潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の合併率が高く,腸管局所の炎症ないし腸内細菌叢の病因への関与が推定されている.病理学的にはonion-skin fibrosisと呼ばれる所見が特徴的だが頻度は低いため,診断には肝生検よりも胆道造影所見が重要である.数珠状所見,剪定状所見,帯状狭窄などがPSCに特徴的である.診断後短期間で悪化し肝不全に陥る症例や胆道癌を併発する症例がみられる一方,長期間安定している症例も存在するなど,PSCの臨床経過にはかなり幅がある.このため薬剤の有効性を検証する臨床試験のデザインが困難であり,長期予後改善効果が確立された薬剤はいまだ見出されていない.肝移植後の再発率の高さも問題となっており,現在においても難治の疾患である.

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症例報告
  • 池ノ上 実, 七島 篤志
    32 巻 (2018) 2 号 p. 251-255
    公開日: 2018/06/13
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    症例は65歳男性.16年前に胆嚢結石症,慢性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)が施行された.今回,突然の心窩部痛を主訴に当院を受診した.CTで総胆管内にLC時に使用したクリップと思われる金属陰影を認め,ERCでクリップ周囲に総胆管結石と思われる1cm大の陰影欠損像を認めた.クリップ迷入による総胆管結石と診断し,内視鏡的切石術を施行した.

    近年,LC時に使用されるクリップが他臓器に迷入するPostcholecystectomy clip migrationの報告が散見される.発症機序としては諸説あるが,総胆管結石症や胆管炎の原因となり,LCの術後長期合併症の一つとして認識されるべき重要な病態と考えられる.

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  • 新田 敏勝, 三上 高司, 井上 善博, 廣川 文鋭, 東野 健, 竹下 篤
    32 巻 (2018) 2 号 p. 256-262
    公開日: 2018/06/13
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    症例は74歳女性,遠位胆管癌に対して亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行,術後病理組織診断(胆道癌取扱い規約第6版)では,Bd tub1 T3a N1(#17b)M0 DM0 HM0 EM0 PV0 A0 R0 stage IIBであり,術後補助化学療法としてTS-1 80mg/m2(14日投与7日休薬1コース)を1年間施行した.その後,4年8カ月後にCA19-9が67U/ml(0~37)と上昇を認め,精査を施行したところ原発性の肝内胆管癌の疑いにて手術の運びとなった.前回のBenz切開にて開腹し,右葉の脱転を行い,Pringle法は併用せず,肝S7部分切除を施行した.膵頭十二指腸切除術後であったが,安全に施行し得た.経過良好にて8日目に軽快退院となり,肝S7の腫瘍は大きさ0.7cmで(Hs),T1N0M0 stage I(原発性肝癌取扱い規約第6版)であった.組織学的には高分化型の管状腺癌であった.術後約7カ月経過したが,無再発にて外来通院中である.

    本症例のように切除することにより,少なからず予後延長が期待できる症例が存在する.遠位胆管癌切除後の異時性肝内胆管癌の頻度は,自験例を含めるならば7例と少ない.しかしながら,十分に起こり得る病態であり,切除したからこそ,長期予後を見込める可能性がある.

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  • 梶 俊介, 川畑 康成, 石川 典由, 田島 義証
    32 巻 (2018) 2 号 p. 263-269
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症に分流手術を付加するか否かについては一定した見解が得られていない.症例は74歳男性.2000年3月,早期胆嚢癌に対して胆嚢摘出術を施行.再発なく経過していたが,2014年2月から心窩部痛が出現.精査の結果,胆管非拡張型膵・胆管合流異常症を伴う中部胆管癌の診断となり,膵頭十二指腸切除術を施行した.胆嚢摘出術後に胆管癌を発症した胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症の本邦報告例は,自験例を含めて12例であった.胆嚢病変が良性であった5例と悪性(胆嚢癌)であった7例に分けて胆嚢摘出から胆管癌を発症するまでの期間を比較すると,良性例では平均19.5年,悪性例では平均5.4年であり,悪性例で期間が短かった.【結語】胆嚢癌を契機にみつかった胆管非拡張型の膵・胆管合流異常症例に胆管を温存する術式を選択した場合,異時性胆管癌の発生を念頭に置いた長期的な経過観察が必要と思われた.

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  • 恒成 崇純, 青笹 季文, 緒方 衝, 山本 順司
    32 巻 (2018) 2 号 p. 270-276
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    症例は64歳男性.心窩部痛を主訴に近医を受診した.その際,黄疸・肝機能障害あり,腹部単純CTにて肝内胆管拡張認めたため,閉塞性黄疸疑いにて当院紹介受診となった.腫瘍は左右肝管合流部から2cmと近く,胆汁細胞診にて腺癌の診断であり,遠位胆管を主座とする広範囲胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術および拡大左肝切除術を施行した.病理組織検査では,神経内分泌癌成分,腺癌成分それぞれが30%以上を占め,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(MANEC)と診断した.術後6カ月目に膵断端再発,多発肝転移を認め,gemicitabine+CDDP療法を3コース施行するも効果を認めず,S-1に変更したがその後も肝転移は進行し術後約15カ月で死亡した.MANECは早期からの転移を認めることが多く予後不良とされており,外科療法のみではなく,化学療法等を含めた集学的治療が重要である.

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  • 萱原 正都, 大西 一朗, 武居 亮平, 牧田 直樹, 八木 康道
    32 巻 (2018) 2 号 p. 277-283
    公開日: 2018/06/13
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    症例は腹痛を主訴とする36歳の女性.先天性胆道拡張症の治療目的に当科に入院となった.血液検査成績には異常なく,腹部CTとMRCPでは胆管拡張を認めた.胆道結石を伴う先天性胆道拡張症(戸谷IVA型)の診断で手術を予定したが,術前の画像診断では胆道走行異常は指摘できなかった.手術時には胆嚢動脈が胆管の前面を走行する破格と肝門部には拡張胆管の両側につながる細い索状物を2本認め,術中胆道造影により後区域胆管枝と尾状葉胆管枝と診断した.嚢腫状胆管を膵管合流部まで切除し,細い2本の胆管を1穴に形成後に総肝管とは別の箇所に胆管空腸吻合術を施行した.術後18日目に退院となり,術後1年10カ月経過した現在愁訴なく経過している.尾状葉胆管枝と後区域胆管枝の走行異常を合併した先天性胆道拡張症例はこれまでに報告がなく,本例は手術操作の警鐘的な事例と考え報告した.

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  • 室屋 大輔, 石川 博人, 小嶋 聡生, 新井 相一郎, 名嘉眞 陽平, 川原 隆一, 久下 亨, 牛島 知之, 安元 真希子, 石田 祐介 ...
    32 巻 (2018) 2 号 p. 284-289
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    症例は85歳,男性,胃癌に対する幽門側胃切除術後Billrott-II法再建例.総胆管結石による急性胆管炎に対して内視鏡的に両端pig-tail型の胆管ステントを留置したが,5日後の結石除去を目的とした内視鏡的処置の際に乳頭からの出血をみとめ,胆道出血と診断した.責任血管の同定ならびに塞栓目的にて腹部血管造影を施行したが,出血部位は同定できず,なおも貧血および胆管炎が進行するため開腹手術となった.医原性胆道出血の原因としては,経皮的胆道ドレナージ(PTBD)が多いが,内視鏡的胆道ステント留置後の出血例は報告が少ない.内視鏡的に胆管プラスチックステント留置後に胆道出血をきたし,経カテーテル的には止血が困難であり,開腹手術となった1例を経験したので報告する.

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  • 吉富 宗宏, 川原 隆一, 安永 昌史, 北里 雄平, 佐藤 寿洋, 赤須 玄, 御鍵 和弘, 酒井 久宗, 石川 博人, 岡部 義信, 奥 ...
    32 巻 (2018) 2 号 p. 290-294
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    肝切除術後胆汁瘻を生じたERBD困難症例において,非拡張胆管への経皮経肝逆行性胆道ドレナージ(PTRBD)が奏功した一例を経験したので報告する.症例)71歳,男性.肝細胞癌に対して肝拡大左葉切除を施行.膿瘍形成を伴う術後胆汁瘻を認め,後区域胆管の左枝合流部の狭窄による離断型胆汁漏が診断された.ステント留置を試みたが胃全摘術後で内視鏡ルートからの挿入は困難で,胆管拡張もないためPTBDも不成功であった.膿瘍腔より右後区域胆管末梢(B6a)へカテーテルを挿入し,さらにガイドワイヤーの反対側(硬い方)を利用してガイドワイヤーを末梢胆管壁ならびに肝実質を穿通させて右横隔膜下腹腔側に誘導した.右肋間に小切開を加えガイドワイヤーを体外に誘導し,PTBDカテーテルを胆管内へ留置した.本法は,非拡張胆管への経皮経肝ルートでの胆管ドレナージ方法(PTRBD)の変法として考慮すべき手技の工夫と考えられた.

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  • 橋本 真治, 小田 竜也, 下村 治, 倉田 昌直, 大河内 信弘
    32 巻 (2018) 2 号 p. 295-306
    公開日: 2018/06/13
    ジャーナル 認証あり

    症例は42歳男性.先天性胆道拡張症 戸谷Ia型に対して嚢腫切除+肝外胆管切除(分流手術)施行され,経過観察されていた.術後2年半の精査で膵内遺残胆管に隆起性病変を認め,乳頭浸潤型の膵内遺残胆管癌と術前診断し,亜胃温存膵頭十二指腸切除を施行した(SSPPD).切除病理標本は,異型腺管を伴う腺癌成分30%と胆管内腔に隆起するNeuroendocrine carcinoma成分70%の比較的明瞭な境界をもつ像を呈していた.Stage IB(UICC:pT2N0M0 fStage IB)の混合型腺神経内分泌癌(mixed adenoneuroendocrine carcinoma:MANEC)と最終診断した.補助療法は施行せず,厳重経過観察中である.先天性胆道拡張症の手術時に拡張胆管を残存させない術式が肝要である.本症例は,先天性胆道拡張症に合併した稀なMANECの1例であり,文献的考察を加え報告する.

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