1981年11月より1989年12月までに切除された胆嚢癌36例の主腫瘍について,slowinjection dynamic CT像を検討した.主腫瘍の濃染程度を4段階に分類し,組織像と対比した. 濃染度Iのものは, 癌組織中の壊死組織が多く, 濃染度IIのものは, 癌組織中の間質結合織が多く,濃染度III, IVのものは,癌組織中の間質結合織の少ないいわゆる髄様型あるいはそれに近い組織像のものであった.次に深達度ssまでの10例についてSI-CT像の特徴を検討した.主腫瘍描出率は,10例中9例90%であり,そのうち8例が濃染度IIIあるいはIVを示しよく染まる例が多かった.SI-CTは結石や胆泥の影響を受けずに癌部を描出でき,早期例も描出されることより,超音波で診断困難な胆石併存早期胆嚢癌などに対し有用な検査法であると思われた.
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